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note始めてみました(自己紹介)

こんにちは。microplanetsという作品を制作しているAko Sugiiです。

このnoteでは、他のSNSでは語りきれないけれど語りたいことを勝手に書いていこうと思います。

今回は初回なので、microplanetsの紹介をします。

microplanetsは、micro(ミクロな)とplanets(惑星)の造語。「マイクロプラネッツ」と読みます。

「ミクロな惑星」とは一体何なのか?

私がどのように作品のコンセプトを思いついたのかを振り返りながら、ご説明します。

今から4-5年前。私は大学院生で、植物プランクトンに関する研究をしていました。植物プランクトンの中には、いわゆるバイオディーゼル燃料として使えるような油を体内に溜めるような種も存在していて、そのような有用種からより多くの油を生産するための基礎研究に携わっていました。

私が主にやっていたのは、様々な種類の顕微鏡を用いて、植物プランクトンの細胞を観察することでした。ほぼ毎日、顕微鏡と戯れる研究生活。顕微鏡は私にとって、相棒のような存在でした。

研究が大好きだったのに加え、芸術への興味が深かった私は、科学と芸術の両方に関われる仕事がしたいと、化粧品会社などを中心として、芸術的な分野に関われる研究職を目指して就職活動を行なったのでした。

しかし、就職活動はそう上手くはいかないこと。始めのうちは、希望通りの内定先に就職したという先輩方の話に励まされていましたが、芸術的な分野に関われる研究職はおろか、医薬品や食品などの研究開発職からも全く内定がもらえず。後から気づいたことですが、研究職の枠は非常に少ない上、多くの理系大学院生が応募するので、大変狭き門だったのです。

ただ、そのまま大学に残るよりも、まずは社会人として会社で働いてみたいと考えた私は、今度は研究職にこだわらずに就職活動を続けました。短期留学の経験があって英語を使うのも好きだったので、海外の社員と働くのにも憧れ、グローバル企業もターゲットにしました。結果として有り難いことに内定をいただき、私は、現在も働かせてもらっている外資系企業への就職を決めたのでした。

研究職ではないため、卒業と同時に研究ともお別れとなってしまいました。それでも、何らかの形で科学と芸術の融合分野に関われる方法はないだろうか…。内定が決まってからというもの、ずっとそのことを考え続けていました。

そしてとうとう就職。入社早々、生まれ育った東京ではなく、関西へ配属となったことにショックを受けながら(ちなみに現在ではすっかり関西好きで、離れたくないくらいです)、私はかつての相棒である顕微鏡のことが、どうしても恋しくなってきたのでした。研究を続けないということは、顕微鏡をかつてのように使うこともなくなったわけです。

でも、研究をしない人でも顕微鏡で遊んだっていいじゃないか。私はなるべく安価に手に入る顕微鏡を探し始めました。結局購入したのは、某オークションサイトで売っていた3000円ほどの中古の顕微鏡。かつてどこかの高校で使われていたレトロなもので、美品ではありますが使える保証はないと説明文に書かれていました。私は、3000円なら試しに、と購入を決めました。

届いた顕微鏡を恐る恐る試してみると、なんと問題なく普通に使えるではありませんか。レンズに若干の汚れはあるものの、ピントもしっかり合います。嬉しくなった私は、試しに色々観察してみることにしました。最初に観察したのは新聞紙。紙の繊維がはっきりと見えて綺麗です。綺麗なので手持ちのスマホで撮影をしました。スマホを顕微鏡のレンズに直接当てて撮影しますが、カメラの画面全体に顕微鏡視野を映すことは難しく、どうやっても丸い形の視野で、周りは黒い背景となってしまいます。

なんとか視野全体で撮影できないだろうかと考えたのも束の間、私はふと思いついたのです。

「これ、何かの惑星を撮影したみたいに見えるな」

丸い形の顕微鏡視野、そして背景は黒。まるで天体望遠鏡から月や惑星を覗いて撮影したみたいではないか。

それで、他にも色々と観察してみました。ティッシュペーパーや、近くにあったレースなど様々です。それらを観察して撮影すると、色も模様も様々な丸い顕微鏡視野が見られました。さながら、スター・ウォーズに出てくる多種多様な惑星のように…。

そして、これはいけるかもしれない、と私は思いました。身の回りの色んなものを顕微鏡で観察して、撮影してみよう。それを惑星に見立ててずらりと並べたら面白そう、と。

こうして私の「惑星採集」が始まったのでした。

しばらくしたある日、知り合いの現代アーティストの方(microplanetsのロゴを作ってくださった方で、私にとって芸術分野の先輩です)の家に遊びに行き、私はこの構想のことを話し、フィードバックを頂いていました。話しているうちに、作品のタイトルは何がいいかなと考え、ふと、「ミクロ」な「惑星」で、microplanetsというワードを思いついたのでした。

長くなりましたが、これがmicroplanetsの誕生秘話です。顕微鏡で、ミクロな惑星を採集するというコンセプトが生まれ、私はまずInstagramで投稿を始め、やがて作品販売も始め、ブランド展開をするようになったのでした。(脱線しますが、特にInstagramの投稿は初めの1年くらいは毎日投稿していたものです。ちょうどその時期、会社の配属先が激務で夜中0時過ぎまで働くこともあってなかなか辛かったのですが、そんな時も欠かさず毎日投稿するというルーティンにしていたのが、逆に心の支えになって、激務をなんとか無事に乗り越えて次のポジションに行けたのだと思います。その頃の作品作りは私にとってセラピーのような存在でもありました)

私がこの経験から学んだのは、人生思いもよらない形で自分の希望が叶うこともあるんだということです。私は最初、科学と芸術の融合分野に関わりたくて、化粧品など芸術的センスも求められる(と私が勝手に思っていた)分野の研究職を目指していて、就職活動をしていた頃は、それが私の唯一の道だと思っていました。でも、その道が閉ざされたとき、私はやっと自分の本当にやりたいことの本質を真剣に考えるようになったのでした。本当にやりたかったのは「科学と芸術の融合で人を楽しませる」ことだったのです。研究職でないとできないことも沢山あるかもしれないけれど、研究職でなくても、私なりにできることはあるかもしれない、そう考えて初めて、広い視野で自分の道を探せるようになりました。

私はジュリア・キャメロンの「ずっとやりたかったことをやりなさい」という本を熟読するくらい気に入っているのですが、最近読み返したら、その中に書いてあったのが、

「目の前に障害が現れたら、別の扉を探す」

自分がやりたいことが、自分の思った通りの道で叶うとは限らなくて、思う通りにいかないと、もうダメなんじゃないかと考えがちですが、実は視野を広げるとそうでもないことが多いのですね。

今、私は本業の会社でも成長の機会をいただきつつ、microplanetsの活動範囲も広がって、充実した日々を送ることができています。元々やりたかった「科学と芸術の融合で人を楽しませる」もできていれば、「海外の社員と仕事をする」も実現しているので、結局は二つのやりたかったこと両方が叶っています。

今後も、なかなか思う通りにいかないことに出くわすかもしれないけれど、そんな時には視野を広く持って、自分のやりたいことの本質は見失わないようにしたいです。

長文を読んでいただき、ありがとうございました。このような形で色々と話していきたいと思いますので、今後も良かったら記事覗きにいらしてください!



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