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micro development inc. story【2010→2012】~東伊豆との出会い、空き家改修プロジェクトのはじまり~

micro development inc.(mdi)のメンバーが東伊豆町と関わらせていただきはじめてから約10年。私たちが東伊豆町というフィールドで活動をはじめることができたのにはどういう背景があったのか。ここでは、これまでの経験を振り返りながら、得た知見とともにお届けしていきます。

メンバーが建築学科1年生で経験した挫折から、私たちの活動ははじまりました。



勝てるフィールドを探す~東伊豆との出会い~

勝てるフィールドを探す

2010年、弊社COOの森本は晴れて建築学科に入学。しかし、建築設計やデザインの難しさに1年で挫折してしまいます。

「何かで一番になりたい」と思い、設計系の研究室が多かった中、「人とは違うフィールドで闘おう」と学科内で唯一のまちづくり・都市計画系の研究室を選びました。

東伊豆との出会い

学部2年で参加した「地域づくりインターンの会」で、東伊豆町の担当者と意気投合。夏の2週間、東伊豆町でインターン生として受け入れてもらえることに。ここから東伊豆町との関わりがはじまります。

地域で何ができるのか

いざ地域に入ると、自分に何ができるのかを考える機会に。最初はボランティアとして農家さんの手伝いからはじめました。充実した時間を過ごせたインターンの後も年に2回ほど東伊豆町に通い、関わりを続ける中で愛着が湧いてきます。「何か恩返しがしたい」そう思うようになっていきました。

初めての空き家改修へ

そんな中、自分も何かできないか、担当者に思い切って相談してみたところ、空き家改修に取り組ませてもらえることに。プロジェクトチーム集めや資金調達をはじめます。これが、私たちの活動の原点となる『水下庵』の改修へと繋がっていきます。


利用者のリアルな声を聞く~設計課題と現地との違い~

はじめての実地での空き家改修

プロジェクトチームや資金を集め、小さな空き家『水下庵』の改修をはじめます。大学で学んだことを活かし、「これでコミュニティが生まれるのでは」「こういう人をターゲットにしよう」と検討しつつ、進めていきました。

いよいよ完成!しかし…

学生の強みであるバイタリティを活かし、イメージした通りの物件が完成!メディアの注目も受けて、たくさんの取材に来ていただきました。しかし、重大な問題が発生します。やっと完成させた『水下庵』の利用者は、ゼロでした。

設計課題と現地との違い

誰にも使われない『水下庵』。今振り返ると、このプロジェクトは大学の課題止まり。現実は違っていました。では、どうすれば良かったのか?

実際の利用者の声を聞く

本来重要だったのは、「利用者の声を聞くこと」。この物件を実際に使ってもらうはずの地元の意見を十分に聞けていなかったことに気づかされました。「地域のコミュニティ拠点に」「防災時のシェルターになるハコに」設定していたターゲットは甘いものでした。

実地プロジェクトで大事なこと

思い通りにつくれたのに、誰にも使われなかった『水下庵』。大きな原因は、利用者になる地元の人の声を十分に聞けていないまま、誰がつかうのかも決まっていない状態で改修してしまったこと。大学での課題と現実での実地プロジェクトは違う。「実際の利用者とのコミュニケーションが大事になる」ということを学びました。


「真新しい」は、武器になる。~まだ誰も知らないものをローカルで~

注目を集め始めた空き家改修プロジェクト

「水下庵が誰にも利用されない」と気づくまでには少し時間がありました。当時、学生の空き家改修プロジェクトは他にほとんど例がなく、自治体やメディアの注目を集め、他の地方での案件のお声かけもいただけるようになります。

学生ならではの勢いに身を任せてみる

プロジェクトの盛り上がりを経験し、「このまま仕事にできるかも?」というムードが漂い始めます。その勢いでビジネスコンテストに応募してみることに!

ローカルでまだ誰も知らないものを試す

ビジネスコンテストの結果は、入選!当時は、クラウドファンディングやAirbnb等が日本で出始めたばかりの頃でした。ローカルでまだ誰も知らないものに挑戦できるのは若者の特権。これを活かすことができました。

「真新しい」は武器になる

今回の話から見えてきたヒントは、「真新しいことは武器になる」こと。アイデアの新しさ。「空き家を活用する学生」という立場の新しさ。ローカルにおいても「真新しいこと」は評価されるんだ!と学びました。たとえ前例がなくても、若者の勢いで真新しいことにチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか


プロジェクトの育て方~情報発信を継続する~

共感してくれる人を集める

新しいことにチャレンジしていく上では、活動に共感してくれる人を巻き込んでいくことが何より大事でした。「空き家改修プロジェクト」が自治体やメディアの注目を集めたり、他の地方での案件のお声かけをいただけたりするようになったのは、小さく継続的に情報発信を続けていたからかもしれません。

情報発信で広がる活動

東伊豆町ではじめた「空き家改修プロジェクト」は次第に拡大していきました。2年目には、徳島や相模原でも空き家の改修に関わらせてもらえるようになります。その中でも大きな役割を担っていたのが、Facebookでした。

いいね0件のFacebook

「空き家改修プロジェクト」の活動中、メンバーがFacebookを継続して更新していました。しかし、最初についた「いいね」は0件。その後も継続して活動の様子を写した写真やレポートなど、活動内容を外に出し続けていくと、徐々に「いいね」がつくように。撮り方を工夫したところ、「写真が面白かったから!」と会いに来てくれる人も現れました。

継続は力なり!

さらに、徳島や相模原でも活動しないかと声をかけてくれる方も現れ、プロジェクトがどんどん成長・拡大していきました。

「最初から成果が出なくても継続的に情報発信を続けることで活動は広がっていくんだ」と学びました。

「継続は力なり!」


おわりに

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。東伊豆との出会いから活動をはじめ、軌道に乗り始めるまでの期間に経験したお話を紹介しました。

ここでまとめた内容は、Instagramにて紹介している内容です。毎週水曜日に弊社メンバーの空き家改修の実体験をもとにまちづくりの知見やノウハウを投稿しています。Instagramもぜひチェックしてみていただけると幸いです!

これからも、noteやInstagramにて、実体験から得た知見やノウハウをお伝えしながら、はじめる人が増える世界を目指して活動していきます!ぜひフォローして応援していただけると幸いです!引き続きよろしくお願いいたします!

photo:当時のメンバーが撮影
text & edit:花崎 寛太(micro development inc.)


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