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SaaSに特化したVC「ALL STAR SAAS FUND」がMicoworksに出資した決め手とは

MicoworksのシリーズA資金調達におけるリード企業の一社である、ALL STAR SAAS FUNDさん。

SaaS企業への投資や支援に特化したベンチャーキャピタル(VC)として知られており、「起業家とともに、100年続くSaaS企業をつくる」というミッションのもと、今やユニコーン企業として知られる株式会社SmartHRを始め、数多くのSaaS企業の成長を導いてきました。

そんなALL STAR SAAS FUNDさんが今回なぜ、Micoworksに出資を決めたのか?

ALL STAR SAAS FUND Managing Partnerの前田ヒロさん、グロース支援を担うVenture&Enablement Partner神前達哉さん両名をゲストに、Micoworks代表の山田と共に対談形式で語りました。



Micoworks代表 山田修(以下、山田):

前田ヒロさんとは、元大和証券の丸尾さんのご紹介で初めてお会いしてから、数回お会いした後「投資対象になりますか?」と本格的にお話させてもらっていました。

そして、嬉しい出資オファーをいただき投資を受けるに至った流れです。この度ヒロさんがどうしてMicoworksに投資してくれたのか、理由があれば教えてほしいです。


ALL STAR SAAS FUND 前田ヒロさん(以下、ヒロさん):

僕は2010年にスタートアップ向けの育成プログラムを始め、2015年からはSaaSに特化した投資活動を行い、さまざまな会社と接してきました。
その過程で感じてきた、成長する会社の共通点の一つが「カルチャーへのこだわり」です。

Netflix 、 Google 、 Apple などのグローバル企業もそうですが、企業のカルチャーが外から見ても分かるじゃないですか。会社の戦略を実行する上で、従業員一人ひとりに体現すべき価値観が浸透している。こうした現象は経営陣のカルチャーへのこだわりから生まれているのだと思ってますね。

創業から20~30年経っても成長を続けている会社は、創業時から大切にしている価値観や会社の戦略上全員が大事にすべきポイントが今でも守られているからだと思います。

Micoworksについてもカルチャー、組織へのコミットが非常に高いと感じました。心理的安全性も高いですし、メンバー全員がお互い助け合う気持ちを持たれていますよね。

特にSaaSは「助け合い」がすごく重要なんです。
SaaSは通常、他責思考になりやすいビジネスモデルと言われてます。
マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスという具合に分業化していくじゃないですか。
分業化すると、人のせいにしやすいんですよね。

「今月の業績達成ができなかった理由は、マーケティングチームのせいだ」
「チャーンレートが高いのは CS チームのせいだ」
と指差しやすいんです。

でもSaaSは職種の垣根を越えて連携を取れるかどうかが、成長する上で重要なんですよね。「マーケチームが KPI達成が厳しいのであれば、セールスチームとしてどう協力できるか」を考えたり、「プロダクトチームとしてどうやったら協力できるか」を提案したり。

その点、Micoworksのメンバーと話していて原石となるものを感じたので、どんどん強化していけばさらに良い組織になると期待が持てました。

投資を決めた理由の二つ目は、Micoworksの経営者である山田さんの「進化率」です。最初に会ったときは3年ほど前でしたが、現在の山田さんは当時と比べてあらゆる側面で成長していると感じました。

会社は常に変化していくものなんですよね。
戦略も変わっていきますし、企業フェーズも変わっていきます。
従業員が増えて組織規模が大きくなると、今まで上手くいっていたことも急に通用しなくなってしまうんです。

たとえば、コミュニケーションの仕方、目標設定の仕方、評価制度など。従業員が増えるたびに形を変える会社組織にあわせて、経営者も適応しないといけない。

だからこそ、会社の成長スピードに応じて進化できる経営者は非常に強いんです。山田さんの進化率がこのまま続けば、5年後、10年後、組織が大きくなったとしてもその変化に適応できるイメージが湧きました。


三つ目の理由は、カスタマーサクセスの体現です。出資の意思決定にあたって、Micoworksが提供する「MicoCloud(ミコクラウド)」を導入しているクライアント企業にヒアリングを行いました。

すると、スタッフの提案力、カスタマーサクセス力が決め手だったという声が出てきました。

SaaS企業の差別化要素は、良いプロダクトを作ること、そして良いサポートを行うことに尽きると思っています。
実際のクライアントの声を聞いて、Micoworksはその二つをクリアできていると感じましたね。

ALL STAR SAAS FUND 神前達哉さん(以下、神前さん):
カスタマーサクセスの強みは、クライアント企業様からのヒアリング、Micoworksの従業員の方との会話からも矛盾がありませんでした。その点が投資させていただきたいとお話したきっかけになりましたね。

山田:
ヒロさん、神前さん共にALL STAR SAAS FUNDさんからの出資オファー前に何度かお話させていただきました。実際、初めてお話した時点でのMicoworksへの出資可能性はどれくらいだと感じていたんですか?

ヒロさん:
僕は、最初に会った時は50:50でしたね。第一印象で「いいもの持ってる会社だな」とは感じたんです。山田さんの進化率も高いし、SaaSメトリクスでも良い成長率を着実に達成してる。

ただし、競争環境が激しい事業領域では、他社との圧倒的な違いが求められます。その点が、最初の時点では分からなかった。対話の回数を重ねることによって、Micoworksだけにしかない持ち味が見えてきましたね。

山田:
ALL STAR SAAS FUNDさんの社内では、Micoworksはどのような会社だと会話されていましたか。

神前さん:
初めからポジティブな印象を抱いていました。それがクライアント企業へのヒアリングと従業員の皆様へのインタビューを重ねるにつれて、より確信に近づきましたね。

その一方で、エンジニアリングは改善の余地が残っています。狙っている市場のポテンシャルが広大なので、競争が激しい分野でプロダクト開発をどのように進めるべきか。ここは積み上げ方がとても重要なところです。

上記の課題は、今後ギャップを埋めていくことができると考えています。今回私たちやエイトローズ(Eight Roads Ventures Japan)さんが支援することによって、カバーできるものがあると思います。

しかし、経営陣の思いやカルチャーの体現は、外からの支援では変えられない点です。そこはMicoworksさんはしっかり持っていたので、ALL STAR SAAS FUNDから投資する決め手につながったと考えています。

山田:
神前さんは、実際に社内に入り込んでメンバーとも接してもらってます。Micoworksの第一印象と現在と比べて、イメージが変わった点、変わらない点はそれぞれどこでしょうか。

神前さん:
いい意味で、イメージと変わらない点が多かったですね。メンバーのエンゲージメントの高さ、全員で成功していこうとする雰囲気は、当初の印象と同じですごく高いなと思っています。

密にやり取りさせていただく中で、まだまだ伸びしろを感じる点もありました。プロダクトの改善や、メンバーマネジメント、スペシャルな人材を迎えていく採用戦略やイネーブルメント。さまざまな課題がありますが、勝ち切れる可能性があるなと感じてます。

山田:
ALL STAR SAAS FUNDさんが投資を行う上での判断基準は、どこにあるんでしょうか?

ヒロさん:
投資対象の企業や経営者と、信頼関係を築けるかは重視しています。
結局、投資って長期的な付き合いになってくるんですよね。
僕も10年以上前に投資した先の経営者と今でも連絡を取り合っています。

それを踏まえて、お互いを信頼し、高め合えるようなギブアンドテイクの関係性でいられるか。僕らとしては今はMicoworksにノウハウを提供させていただいてますが、どこかの時点からは逆にMicoworksに僕らが教えてもらうことになると思いますね。

その上で、投資基準をきちんと満たしているかどうかを見ます。
カルチャーへのコミット、組織へのコミット、そしてお客様へのコミットができているかという点です。

山田:
今回、MicoworksがALL STAR SAAS FUNDさんから投資をいただけた期待と信頼に応えられるように、今後もお客様ファーストの姿勢で事業、組織ともに成長を実現していきたいと思っています。


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