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【小説絵本投資channel】MIKO
2022年2月17日 12:24
はじまりのとき 講堂には医師や看護師たち数百人が座してその時を待っていた。埃っぽくややかび臭い空気のせいか、緊張のせいかあちらこちらで咳払いが聴こえる。堪えきれず込み上げてきた咳をなんとか抑えようとした挙句むせている者までいる。ふと視界の片隅に入ってきた重鎮たちを見やると、その埃っぽさは歴史と伝統の証であると言わんばかりの表情を高々と掲げ、脂臭さが足先から頭頂部まで抜けるように匂ってきそうだ。