それは絶対に日曜には観ない
18歳まで関西に住んで、6年間は北陸にいて、それからはまた関西に住んでいる。
関西にいる間は、土曜日のお昼ごはんは、
小さいときから、吉本新喜劇を見ながら、
と決まっている。
私より、吉本新喜劇を愛している夫は、
留守などで見れない日は、録画している。
愛している、というと大袈裟なんだが、
その気持ちを言葉にすると、
「新喜劇は親戚のひとたち」
だ。
関西人にとっての、とゆうか、
うちにとっての吉本新喜劇の位置付けは
そんな感じで、
新喜劇自体を、めちゃくちゃ面白いから
見ている、というのとはちょっと違う。
だって、話のパターンは、だいたい同じだし、
毎週同じ芸人さんではないけど、まあ
だいたい同じ人が出て、お決まりのギャグが
繰り出されるわけで、
要するに、全てわかっている感じで
見るわけだ。
予定調和。
話のパターンは、だいたい、
結婚を反対されたカップルの話
借金のかたに店を立ち退け、という話
金持ちのぼんぼん(バカ)に見染められる話
生き別れた親子の話
であり、毎回なんらかのお店の人と
ヤクザは、必ず登場する。
ヤクザが取り立てにくる借金の金額は、
決まって300万円だ。
舞台設定は毎回違うにしろ、
ストーリー展開はだいたい同じだ。
全て、最後はめでたしめでたし、で
終わるのがわかっているので、
安心して見ていられる。
ほとんどの劇の導入に、若い人たちが
登場する。1番最初に出てくる人は
だいたい新人さんで、
最初しか出番がないのだが、夫は、その人
たちを、親心でみている。
「よし、うけたうけた」
「爪痕残したな、よし」
などといい、ちゃんと顔も覚えていて、
人気が出て来た、とか最近見ないな、
などと言う。
新しい座長になった人には、
大丈夫か。こいつにやれるかなあ。
心配や。
といったり、
座長を退任する人にも、
しんどかったんやろ。大変やったな。
などとねぎらう。
池乃めだか、という、昔からの大御所が
未だに現役で舞台にいらっしゃるのだが、
ちょっと最近、ぼんやりされている感じが
あって、どうしたどうした?
と思い、調べてみると、やはり
最近、大病をされ、復帰されたあとの
ようだった。
小さい時からずっとみているうちに、
関西人からみた立ち位置としてはもう、
親戚のおじさん
くらいのものだ。
大丈夫か。
無理せんといて。
と、ちょっとはらはらしながらみる。
もちろん、プロフェッショナルでおられる
ので、セリフが飛んだって、笑いに
変えてしまうだろうから
心配することなどないんだが。
昔、作家の西加奈子がラジオで、
池乃めだかのことを
あの人、ほんまのギャングやねん。
実際見た時のオーラがすごくてビックリした。
ギャングのオーラやねん。
みたいなことを言っていた。
池乃めだかは、たぶん身長は145センチ
くらいしかない。
その小ささでギャングのオーラ。
只者ではない。
一度、生の池乃めだかを拝みたいと思う。
昼に観られなくて録画した新喜劇を、
夜に観ることはあっても、日曜日に
観る事は絶対にない。
吉本新喜劇は、土曜日なのだ。
土曜日の昼間に見て、
ああ、お休みが始まったな
んで、明日も休みなんだよなっ
と思うところまでが、セットである。
だから、新喜劇は日曜日には見ない。
夫は、月曜日からまた仕事が始まることを
おもうと、もう日曜の昼くらいから
憂鬱になってくる人だ。
日曜日の夕方、ちびまる子ちゃんと
サザエさんが、うっかり
テレビでついていようものなら、
「日曜日のおわり感を出すな!今すぐ消せ!」
と怒る。
こどもたちは、そんなわけで、
テレビのちびまる子ちゃんと
サザエさんをほとんど観たことがないと思う。
なんかこどもたち、ごめんって思った。今。
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