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はらよわなひとたち

家族にごはんを与えている身分としては
その結果までを知りたいところである。

つまり、わたしが作って食べさせたもので 
下痢するとか便秘になるとか
太る、とか痩せていく、とかだ。

一度、boy(息子)がちいさいとき、
とりのレバーを切った包丁とまな板
(よく洗ったよ)で、
そのあとカツオのタタキを切った。

そのタタキを食べたboyが、
カンビロバクターという菌に侵され、
大変なことになったことがある。

あの時のことは、
「カンビロバクターの悪夢」
として、語り継がれている。
げそげそに痩せたboyが点滴をしている
写真が残っている。

ご注意ください。
カンビロバクターは、洗剤で洗っただけでは
しなないから!

いのちを預かっている。
よく考えたら、家族の食べるものの責任をとるなんて、たいへんに責任の重い仕事だ。
家でごはんをつくるひと。
みんなよくやってんなあ。

家族みんなが超げんきっ子ならあまり悩まないが、みんなが腸がよわい。
便秘や下痢に悩まされるひとたち。

わたしのなかで、家族からきく話のなかで、
テンションがあがる話、としてだいぶ上位に
あがるのが
「いいうんちがでた」
という報告である。
いいうんちがでたら、人間はだれかに
報告したくなるものらしい。
娘は報告してくれないが。

いいうんちがでたよ。
ティッシュにうんちが少しもついてなかった。
まだ使えるくらいだよ。
つかう?
あげようか。
とってもエコだね。

これはboyのある日の報告で、とても親切で
地球のことまで考えているなんてすごいなあと
感心する。
boyにとっては、キレが重要だという事が
わかる。

夫もまた、感動するほどたくさんでた
ときなどは、わざわざメールしてくる時も
ある。「写真に撮って送ろうかと思った」
と言うので、それは見たくはない、と思う。

腸の弱い家族に、なんとか整腸作用のある
サプリなどを飲ませたい、と思うのだが、
夫はどうしても「サプリ」みたいな錠剤を
飲んでくれない。
そんなカスみたいなもん、信じられるか。
と、たぶん思っている。 

そんな時、何かで、
「吉本ばななと腸活」
みたいなテーマの記事をみた。
吉本ばななは、言わずとしれた、知の巨人、
吉本隆明の娘である。
その話の中で、

吉本家では、こどもの頃から、
「ミヤリサン」という整腸剤をラムネのように
ぽりぽりかじっていた。
おかげで腸はすこぶる快調。
便秘も下痢もしない。

と言っていた。
これだ、と思う。
早速、ミヤリサンをポチッと購入。
届いたミヤリサンを、夫に見せ、
これ、飲んでみ、と言った。

要らんわ、こんなもん。

そう言うと思った。想定内だ。

夫に、

これは、吉本家で飲まれていたものだ。
ばななも隆明も、みんなだ。
みんな飲んでいて、助かったって言ってるんだ。

と伝えた。

「まじか。うーーーん」

やった。心が飲む方向に動いている。
夫は、

吉本隆明
糸井重里
高橋源一郎

この3人のいう事しか信じない。

つまり、この方たちが認めたものは
信じるだろう。
という、わたしの目論みだ。

「吉本隆明が、飲んどったんか、、。」

とつぶやいている。瓶を見つめている。
もうひと推しだ。

「そうだよ。吉本家みーんなでね。
飲んでたんだから。ばななは、下痢も便秘も
しないんだから、これのおかげで!」

「飲むわ」

やった。勝った。
こうして、夫に、サプリ的なものを飲ませる
作戦は成功した。

飲み続けてみた感想は、すこぶる快調、
という事です。

一旦信じたものには一直線、な夫なので、
朝昼晩、欠かさず飲みたいから会社に置いとく
やつも買ってくれ、という。

吉本隆明のパワーはすごいなあ。
天国の吉本隆明、聞いていますか。
夫の腸が、調子いいです。
あなたのおかげで。

ありがとうございます。


しおさま
イラスト使わせていただきました。
ありがとうございました!

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