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家族とみゅーじっく。

娘(babyちゃん)が新しいバンドを組んで、メインボーカルなんだってんで、初ステージを見に行く。
当日は雨で、客席はびしょ濡れのベンチ。
誰も座らない。
私と夫は気にせずにど真ん中居座る。
ごめん、babyちゃん。
恥ずかしいよな。

babyちゃんがボーカルギター、ベースの女の子、ドラムの男の子、のスリーピース。

MCがバンド名と、演奏する曲を伝える。
「カネヨリマサルのひらりとパーキーです
どうぞ」
へえ。知らんな。
短いイントロのあと、第一声がパーンと響いた。いい声でてる。上手いわけじゃないけど
堂々と、16歳らしい歌い方で。

・・・今、くるりって言ったか。

夜に浮かぶ観覧車
私はくるりを聴きながら
京阪電車の中にいた

びっくりした。
babyちゃんは、ほんとうにくるりを聞いて育った。

車の中で流す音楽は、運転手が決める。
これはうちの決まりだ。
運転できるのは夫だけなので、
必然的にDJは夫。子供にとってはお父さんになる。かかる音楽に文句は言えない。

流れる音楽は多岐に渡る。
その中でもくるりは1番よくかかっていた。
夫は、精神的に落ちると、くるりしか聴かなくなるターンがくる。
くるりか。お父さん調子悪いからそっとしとこかって、なる。
他によくかかるのは
キリンジ。ムーンライダース。
はっぴぃえんど。細野晴臣。大瀧詠一。
サケロック。矢野顕子。YMO。パール兄弟。
踊ってばかりの国。フジファブリック。
などなど。
洋楽ならボブディラン。ローリングストーンズ。トムウェイツ。ビートルズ。ピンクフロイド。などなど。

子供たちが好きだろう、と曲を選んでくれたことは一度もない。
晴れた日曜日、みんなで車でどっか行こうかってうきうき車に乗り込む。
カーステからはあがた森魚の
「赤色エレジー」。
夫はあがた森魚が大好きなのだ。
苦渋の表情で耐える子供たち。
サニーデイサンデイだってのに。
次は明るい曲がかかりますように。

時には「星の王子様」「百万回生きたねこ」
などの朗読CDのときもある。
岸田今日子が読むやつだ。
運転しながら泣きだす夫。
号泣で前が見えなくなり、やむなく路肩に車を停める。
お父さんの泣き止み待ちだ。
黙って見守る私たち。
頼むから家で聞いてくれ。
急いでんだよ。
なんて言えない。言ってはいけない。

娘に先日。
「よく聴いてたキリンジのアルバムなんだっけ」
て聞かれた。
うれしいなあ。いい音楽は続いていく。
次はくるりの「京都の大学生」をやりたいらしい。ピアノで。
たのしみやなあ。

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