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「CO2排出実質ゼロ」と銘打った液化天然ガスがまさかのグリーンウォッシュ(見せかけのエコ)?!

1. 今日の日経新聞一面にびっくり (+_+)

5日前に「グリーンウォッシュ(見せかけのエコ)」に関する投稿↓を行いましたが、今日の日経新聞一面トップは、まさしくその「グリーンウォッシュ」に関する記事でした。

「グリーンウォッシュ」は、一歩間違えると企業イメージの大幅ダウンとなり、企業として組織的な「グリーンウォッシュにならない」体制が必要なのではないかと思いました。

1-1)[グリーンバブル]「排出ゼロ」LNG、根拠薄く 水増し疑いのCO2削減量で相殺 国内販売の一部で【日本経済新聞2022.3.28朝刊】

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CO2排出実質ゼロと銘打つ液化天然ガス(カーボンニュートラルLNG)日本でも出回っているが、日経新聞調べで、実際のCO2削減量より過大に発行した疑いがある事業のクレジットが一部で使われていたとのことです。

このカーボンニュートラルLNGは、通常のLNGよりもクレジット分上乗せされるので、価格は高いけれども、燃料を変えずにCO2を削減したと主張できる点がメリットです。

⇒これが事実だとすると、このカーボンニュートラルLNGがCO2排出実質ゼロといいながら、実はそれは全くのデタラメだった(グリーンウォッシュ)ということになります。

1-2)カーボンニュートラルLNGとは

「天然ガス採掘」⇒「冷却して液化」⇒「生産地からタンカー輸送」⇒「発電用に燃焼」までの全ライフサイクルに発生するCO2を(カーボン)クレジットで相殺して、CO2排出実質ゼロとしたもの。

1-3)(カーボン)クレジットとは

植林、森林保全、再生エネ等でのCO2削減量((カーボン)クレジット)のこと。LNGのライフサイクルで排出されるCO2と同等の削減量(クレジット)を購入することで、CO2発生量を相殺する考え方。

1-4)本件は何が問題だったのか

クレジットとしてカウントしている森林保全事業の実際のCO2削減効果が水増しされていたにもかかわらずクレジットを出し続けていたとのこと。

購入していた企業もその点までは意識が届いておらずに、カーボンニュートラルをアピールしていたのではないでしょうか。


2. この問題に企業はどのように対応すべきか(すべきだったか)

❶日本でこのカーボンニュートラルLNGを購入する企業は、排出量を相殺した製品について、少なくとも事業名を公表する(環境省の指針に基づく)。

❷このようなカーボンニュートラルLNGを購入する前に、クレジットの根拠を明確にしておく。

❸可能な限り、現地に赴き、カーボンニュートラルLNGのライフサイクルを実際に確認する。

❹これらの情報を企業として正式に公開する。

基本的には、このような対応が必要なのではないかと思います。

しかしながら、それでも問題が発覚した時は、

事実に基づき謝罪するとともに、早急に再発防止策を講じ、状況を常に公開する。

今回のカーボンニュートラルLNGは、日本の大手企業が購入しており、現段階では日経新聞調べだけであるが、問題が発覚した際は、事実に基づき自社の非を認め、直ぐに対応することが望ましいと思います。


3. 本日の日経新聞記事を読んで私が思うこと

❶企業は、自社が扱う原料や製品に関しては、ライフサイクルの状況を把握することは、非常に重要である。

❷特に、今回のように購入するだけでCO2を削減できるような製品については、購買先の情報をそのまま信頼してしまうと思わぬ落とし穴に陥る可能性がある。

購買先の情報が偽りだったとしても、自社がそれを使用して、環境アピールをした場合でも「グリーンウォッシュ」になることを意識する必要がある。

❹企業の責任としては、環境に関する事項は、できる限り公開することが望ましいと思います(公開しても恥ずかしくない情報を常に収集しておくことが大事)。

❺私は、企業は常に正直で、なおかつ誠実であるべきだと思っています。

そういう意味で、万が一、問題が発覚した時は、謝罪と是正しっかり行うことが最も重要です(問題が発生した場合、誠実に対応し確実に是正した企業は、実は反対に企業イメージが上がります)。

❻企業が、ガバナンスを維持していくには、内部監査や何らかの外部審査のようなもの必要だとも思いました。


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