話題のOODAループ思考を解説する❹:ピラミッド型組織で、OODAループは機能するか?
【その1】から【その3】でOODAループについて説明して来ました。簡単に説明すると、OODAループは「O観察」→「O状況判断」→「D意志決定」→「A実行」の後、「Loop改善」を繰り返す手法です。❶臨機応変、❷即断即決、❸状況のupdateがポイントで、変化の時代に対応できる意志決定方法として最近話題を呼んでいます。
海外では、IT関連企業を中心にOODAループの効果が認められているようですが、日本の企業は、OODAループは有効に活用できるのでしょうか。
日本の組織に多いピラミッド型組織でOODAループが機能するのか考えてみました。
1. ピラミッド型組織とは
【組織構造】
例えば、図のように「社長」「役員」「管理職」「一般職」と明確な役職階層があります。経営トップから「方針・目標」が下位の階層に向かって発信され、社員はそれに従って行動します。一方、報告は、ボトムアップでなされ、特に重要な事項は上位の役職者が決めるというスタイルです。
【重視ポイント】
ピラミッド型組織は、「目標達成」「効率追求」「競合優位」のために、組織力で対応します。
【特徴】
❶目標を達成するために、常に変化のためにイノベーションを繰り返します。
❷経営トップからラインを通じ、方針・目標が説明されます。
❸社員は、自分に課された目標の達成のために活動し、成果で評価されます。
このピラミッド型組織は、高度経済成長の時代には、おおいに機能し、企業の拡大に寄与して来ました。
2. OODAループをピラミッド型組織の意志決定を当てはめると
ピラミッド型組織でOODAループに従って、意志決定していく場合をシュミレーションしてみました。
❶一般職のA氏が、競合の新商品情報を掴みB課長に報告。
❷B課長は、C部長に報告するため、追加情報収集を指示。
❸課内でまとめた報告資料で、B課長がC部長に報告。
❹C部長は、B課長に、追加情報収集を指示。
❺再度、課内で資料をまとめ、B課長からC部長に報告。
❻C部長は、B課長とともに、社長に現状報告し指示を仰ぐ。
❼社長は、経営会議に掛けるための、資料修正をC部長に指示。
このように、ピラミッド組織では、「観察」と「状況判断」を繰り返し、意志決定は、「上位職(この場合は社長)」に委ねるため、実行までに、長い時間を要する可能性があります。
ピラミッド型組織ではOODAループは使えないのでしょうか?
3.まとめ
本日は、日本の企業に多いピラミッド型組織について説明しました。ピラミッド型組織では、どうも意志決定に長い時間を要してしまうようです。
何らかの工夫がないとOODAループをそのまま活用しても機能しないように感じます。
そこで、次回以降の投稿で、ピラミッド型組織のどこを変えるとOODAループを有効活用できるか、OODAループが最も有効に活用できる組織とは何か、について順次お話したいと思います。
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