見出し画像

#23 売上と5つの利益

こんばんは。Mickey★です。
お金を上手に活用することで、お金の悩みから解放され、自由を獲得できる「お金との付き合い方」をご紹介しています。

今日は、前回では取り上げきれなかった損益計算書の読み方について
ご紹介いたします。

損益計算書とは


損益計算書は、企業が1年間の事業活動で、何に費用を使って、どのくらい売り上げて、どれだけ儲かったのかを表したものとなります。
企業にとっては、1年間の成績書みたいなものです。
売上と、そこからどんな費用が差し引かれて、利益が出ているかが表されており、5つの利益があります。
これが読めるようになると、売上が本業で儲かっているのか、それ以外で儲けているのか、儲けているけれど、どこかで大きな損失を出している等の利益のプロセスがわかります。


実際の損益計算書を使って、見ていきましょう。
以下は、東宝株式会社の20年度の損益計算書です。
紫色で囲った『営業収入』は、売上高のことです。1年間でどれだけ商品やサービスを売ったのかを表しています。
ここの表現は、会社によって営業収益や売上収益となっており、表現が異なることがありますが、売上高のことを表しています。
昨年度の売上と比較すると、27%減少していることがわかります。

損益計算書(東宝株式会社第132期有価証券報告書より引用)

1.売上総利益

売上金額から、商品やサービスを販売するためにかかった費用(材料や商品を作る人の人件費等)をひいた利益のことをいいます。
別名では、「粗利」と呼ばれています。
東宝の場合は、粗利率が35.6%となります。
昨年度の粗利率が43.1%のため、▲7.5%となっています。
粗利率については、行っている事業や業界によって異なるため、粗利率が高いかは、同業界で比較することで分かります。
松竹や東映と比較すると、粗利率は35~40%だったので、この業界としては、この辺りが平均のようです。

2.営業利益

売上総利益から、広告宣伝費やオフィスの家賃、営業や総務部門など製造部門以外の人件費等を差し引いた利益となります。
東宝の場合、営業利益率は11.6%となります。
昨年度が20.1%のため、▲8.5%となっています。

3.経常利益

営業利益に対して、本業以外で得た利益(保有株式の配当金や不動産収益等)を足して、銀行から借りたお金の支払い手数料等をひいた利益のことをいいます。東宝の場合、フジ・メディア・ホールディングス(フジテレビやニッポン放送等の放映や都市開発をしている会社で東宝は8%を保有)とスバル興業(道路のメンテナンス等をしている会社で東宝は52%を保有)等の株式を保有しており、その配当金の受け取り金が大きいことが分かります。

4.税引き前当期純利益

経常利益から一時的な特別利益もしくは特別損益を足し引きした利益のことをいいます。
東宝の場合、新型コロナウイルスによる休業要請によって映画館を臨時休業対応している費用が特別損失として計上されています。

5.当期純利益

税引き前当期純利益から法人税を差し引いた利益のことをいいます。
ここで最後に残ったお金がプラスになれば、黒字、マイナスになれば、赤字となります。
東宝の場合は、プラスとなっているので、黒字となります。
昨年と金額を比較すると、60%減となっています。


損益計算書だけでは読み解けないのですが、東宝のホームページのIR情報にあるFACT BOOKを見ると、東宝は映画事業以外に不動産事業、演劇事業を展開しており、売上の割合として、映画事業が60%、不動産事業が33.9%、演劇事業が4%、その他が2.1%となっています。
不動産事業の売上は昨年度比で4%、映画事業が30%減、演劇事業55%減少しており、一番の影響は映画事業ということがわかります。
新型コロナウイルスによる臨時休業でアルバイトスタッフの解雇等で人件費は下がったと思われるのですが、臨時休業による機会損失、予定されていた配給の遅延等が大きく影響していると思われます。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
このレビューが面白かった・タメになったという方は、励みになるので、「スキ」ボタンを押していただけると幸いです。

記事を読んで「面白かった!」、「タメになった!」と思った方、ぜひサポートをお願いします。