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ビジネスフレームワーク「組織統制モデル」後編

前回に引き続き、オリジナルのフレームワーク「組織統制モデル」について解説していきます。今回はフレームワークを使いながら、どのような視点で組織を分析するかを解説します。
なお、前回の記事はこちらです。

情報の流れを分析する

フレームワークは思考の切り口であり、どのように使うかによって価値が大きくかわってきます。今回紹介する「組織統制モデル」については、とにかく俯瞰的に組織全体を分析し、情報の流れにおける問題点を把握することに活用できます。
これまでのビジネス経験から、ものごとを俯瞰的に捉えるのが苦手な方は結構多いと感じています。そのような方々にとっては組織を俯瞰的に捉えるツールとして役に立つかもしれません。

例:経営者の意向が伝わらない

例えば、ピラミッド構造において経営者の意向が組織全体に伝わっていなかった場合、下記のイメージになると思います。(Image 07)

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組織のヒエラルキーにおいて経営者の意向が全体に伝わっていないというの非常に大きな問題です。次の打ち手としては、なぜ伝わっていないのかということを考える必要があります。

Support / Control層に、総務の機能があります。総務は企業における情報統制の役割を担う部署だと思います。例えば、社内の連絡事項やグループウェアの運営などを担当しています。総務の機能に問題ないかを分析します。(Image 08)

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このように、各層には組織におけるそれぞれの役割があります。組織の問題点を分析する際、このように俯瞰して捉えることができると思考の切り口として非常に有効です。

例:戦略策定に必要な情報が集まらない

例えば、経営者から現場が見えないという問題があったとします。イメージとしては下記になると思います。(Image 09)

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プラミッド構造で俯瞰した場合、経営者に必要な情報が集まらないのは、2つの原因が考えられます。
・Strategy層とSupport / Contorol層における情報の断絶
・Support / Contorol層とIPO層における情報の断絶
Support / Contorol層の部門が経営者に対して、現場の状況を説明できていないのかもしれません。または、Support / Contorol層の部門がIPO層である現場の意見を吸い上げられていないのかもしれません。どちらにしても、問題はSupport / Contorol層にあります。
今回の例は、戦略策定に必要な情報が集まらないとしています。戦略策定には様々な情報が必要になりますが、主には数値データになります。数値データを扱うのは財務部門です。また、それらを情報網で制御しているのはシステム部門になります。問題点は財務部門とシステム部門にありそうです。(Image 10)

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財務部門が担当する管理会計の仕組みが弱く、現場に対して必要データを明確に提示できていないかもしれません。また、システム部門が担当するシステムによる情報網の機能が弱いのかもしれません。実際のところは細かく掘り下げていなければ真因はつかめませんが、組織全体を俯瞰しながら情報の流れを思考することで問題となり得そうな部門にあたりを付けることができます。

例:競合との競争力が不足している

例えば製造業の場合、競合と比べて製品の競争力が足りないと感じていたとします。そんな場合、なぜ競争力がたりないのかを分析する際にも、このフレームワークは思考の切り口になります。(Image 11)

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具体的には主活動の流れの中でどこがボトルネックになっているのかを分析します。流れを大まかにInput、Process、Outputに分けているので大まかにどこがボトルネックなのかあたりを付けるのに有効です。
例えば、受注そのものが十分に得られていないのかもしれません。その場合は、問題点の箇所が下の図になります。(Image 12)

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Inputの前に問題があるので、取引先企業に問題があるかもしれません。もしかしたら、営業と設計の能力に問題があるかもしれません。さらには、マーケットそのものに問題があるのかもしれません。
このように、組織で起こっている問題等をフレームワークを切り口にして分析することにより、問題点の当たりをつけるのに役立ちます。更にはこれらの分析をビジュアル化して説明することができます。

フレームワークは思考のツール

ここまでフレームワーク「組織統制モデル」について説明してきました。別にフレームワーク自体にはそんな価値があるわけではなく、このフレームワークを使って、どのように思考し、どのような問題を解決するのかが重要になってきます。また、フレームワーク以外にも、組織における各機能の役割なども把握していないと十分な思考に繋がらないと思います。
ここまで説明してきたことを振り返っても、ほんとうに大したことをかいてあるわけでなく少し恐縮です。理想を言えば、このようなツールを使って複数人で一緒に考えたりすると面白いですね。

今後も面白いフレームワークができたら投稿させて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。


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