SWOTのバイアス

SWOT分析はかなりメジャーな分析手法です。非常に使いやすいので、多くの方が使ったことがあると思います。少し気になっているのですが、みなさん、いきなりSWOTの4象限(強み、弱み、機会、脅威)で思考していませんか?SWOT分析を開始する前に一手間掛けておくと、分析の精度が上がると思いますよ。今回はそんな話です。

バイアスのリセット
いきなりSWOT分析を開始すると、どうしても思考回路がSWOTの4象限になってしまいます。やはりこの手の分析をする場合、多面的に、俯瞰的に、フラットに思考した方がベターです。なので、SWOT分析を開始する前に環境分析だけのフェーズを作り、内部環境、外部環境を洗い出すことをお勧めします。

外部環境分析
外部環境分析はPEST分析と5フォース分析の切り口で思考するのがお勧めです。PEST分析は政治的(P=political)、経済的(E=economic)、社会的(S=social)、技術的(T=technological)の4つの切り口で思考します。また5フォースの場合は、(供給企業の交渉力)、(買い手の交渉力)、(競争企業間の敵対関係)、(新規参入業者の脅威)、(代替品の脅威)の5つの切り口で思考します。細かい説明は他のサイトにお任せしますが、外部環境を分析する際はこの2つの分析手法使い、9つの切り口で思考すると情報を整理するのに便利です。SWOT分析の前にこの9つの切り口で情報を洗い出すことを試してみてください。

内部環境分析
内部環境分析の切り口もいろいろあります。バリューチェーン分析、VRIO分析、4P分析、7s分析なんかも切り口として使えるのではないでしょうか。こちらも詳細説明は他のサイトにお任せします。そして私の場合は、中小企業診断士のフレームワークとも言える4つの切り口、(組織・人事)、(マーケティング・流通)、(生産・技術)、(財務・会計)で思考しています。フレームワークというか、2次試験の科目をそのまま使っているだけですけど、学習の過程で科目ごと更にフレームワーク化してありますので結構洩れなく情報を整理できています。切り口については分析のテーマや分析する方の得意な手法で行えばよいと思いますが、こちらもSWOT分析の前に別の切り口で情報を洗い出すことを試してみてください。

環境分析後にSWOT分析
外部環境、内部環境を洗い出したら、その結果をもとにSWOTに落とし込んでみてください。SWOT分析も結局は内部環境、外部環境を更に4象限化しただけです。環境分析のフェーズで洗い出した内容をそのままプロットできると思います。
繰り返しになりますが、SWOT分析を始める前に内外環境分析フェーズを作り、多面的な切り口で情報を洗い出すのがポイントになります。この一手間によりSWOTのバイアスをリセットし、更に多面的で、俯瞰的で、フラットな分析を可能にすると思います。

SWOT分析はメジャーな分、様々な現場で利用されています。そして、様々なビジネスパーソンが活用していると思います。SWOT分析の質でライバルに差をつけるには、SWOTのバイアスをリセットすることをお勧めします。

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