チェリー / Spitzのコード進行考察

初めまして、初のnote投稿をさせて頂きます。ギタリストのミックナイスと申します。
noteでは色々な楽曲のコード進行の考察をミック流でしていきます。
リクエスト等ありましたらお気軽にお願い致します。


第一回のコード進行考察は幅広い世代から愛されるSpitzのチェリーの考察をしていきたいと思います。
1996年発表でノンタイアップながらミリオンヒットを飛ばすSpitzの代表曲の一つです。

早速コード進行を見ていくと…

チェリー Key C

Intro
II: C G - Am F - C G - Am F :II

Aメロ
C - G - Am - Em
F - C - F -G
C - G - Am - Em
F G - C Am - F G - C

サビ
II: Am Em - F C - Am Em - F C :II

Inter
B♭add9 - % - Am G 

Cメロ
F - % - Am - %
F - % - Am - %
G - % - F - %

※ -は小節線、%は前の小節のコードと同じ。

全体的にダイアトニックに収まるコード進行で展開されていて、Interの2小節のみ♭Ⅶが入る進行になっています。

セクションを分けて見た時にAメロのコード進行はいわゆるカノン進行となっており日本人にも耳馴染みのある、あの進行です。
前半8小節をディグリーにすると…
Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅲm
Ⅳ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ
のⅤで終わる進行なので循環コードとしても使えます。
後半8小節はⅠで終わるため、次のコードは比較的どこにも行きやすいポジションを取ってサビに向かいます。

サビではここまでのメジャーキーの明るい雰囲気からマイナーの暗い雰囲気にチェンジ。
セクションの頭がずっとメジャーコードだったこともあり突然のマイナー始まりは際立ちますね。
サビ後は再びAメロ→サビの展開になるのですが、その後のInterではⅠでもⅥmでもなく♭Ⅶが突然出てくることで独特の浮遊感があります。

さてここで重要なのは♭Ⅶをどう解釈するか。
モード、部分転調、SDm代理コードなど色々な考え方がありますので、それぞれ考察をしていくと…

1)モードと考えた場合
これは第7音を和音にした時に♭Ⅶが出てきますが楽曲がミクソリディアンモードで書かれている前提となるので×

2)部分転調と考えた場合
Key FのⅣのコードと考えるとB♭後のAmがKey FにおけるⅢm、Key CにおけるⅥmになり(ピボットコード)1番辻褄が合うようになります。

3)SDm代理コードと考えた場合
こちらは同主調からの借用コードに当たるⅣmの代理としての考え方になります。

2)と3)の違いは4和音のコードにした時に2)だとB♭M7になり、3)ではB♭7になるという違いがあります。
チェリーのInter部の正確なコードはB♭add9となっているため7度がどちらか分かりませんがB♭add9をB♭M7とB♭7にした場合どちらの方がサウンドしているように感じますか?
私はM7がよりadd9の浮遊感に近く感じます。

おそらくここまでの理論立てて作曲、アレンジされた楽曲ではないと思いますが、ここまでお読みになられた方でしたらコードを考察する面白さに気付かれたはず笑

というわけでチェリーの考察は以上となります。
今後もコード考察を上げていきますので是非応援のほど宜しくお願い致します。

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