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受け取っていただくということ。

今日はお昼から土砂降りの雨。
スーパーに車を止めて
お店に入るタイミングをはかるくらい
すごい雨。

そんな中、
一人のおじいちゃんが

国道の歩道をシニアカーで走っている。

ずぶ濡れになりながら。

「あー…」

と思って
信号機の赤で止まって、4秒ほど
横に並んだ

(なにか私にできることないかな…)

とよぎったけど

行動に至るまでに
4秒はあまりにも短くて

信号が青になってしまったから

その場から走りだす、私。

(いや、いや、声かけろよ!
 車止めようか?)

とはいえ、ちょっと車通りのある道なので
そうそう止まれず。

後悔の念だけが
おじいちゃんの距離とともに
大きくなっていく。

(あ、ガソリンスタンド!)

と思って、
慌てて入って止めた。

おじいちゃんが追いつくまでの間に
車の中に差し上げられる傘がないか
雨合羽がないか
必死に探して

一つ見つけたから

おじいちゃんが追いつくのを見計らって
声をかけてみた。

「あの、よかったらこの傘どうぞ」

おじいちゃんはこちらに気づいてくれたけど
片手を上げて

「大丈夫、必要ない」

って合図をくれてそのまま走り去っていった。


うむむむむ。


と、とりあえず、
自分ができそうなことは
やれたし
おじいちゃんがそういう思いなら
それでいいのかな…

って思いながらも、

なんかどうしたらよかったかなって

おじいちゃんの濡れた背中を見ながら
考えてしまった。

きっと私がおじいちゃんの立場なら
同じことをするだろう

「大丈夫、必要ない」

そして、
受け取ってもらいやすいように

もう、一、二歩
おじいちゃんの近くによって見ればよかったかも知れないし、

声のかけ方だって
もうちょっと、違う言い方があったかも知れない

渡し方だって
もうちょっとやや押し付けがましいくらいで
いけばよかったかな…

いろんなことが
頭をめぐりながら
ガソリンを入れてた。

もしこのあと、
ガソリンが満タンに入って
ガソリンスタンドをあとにした時、
やっぱりおじいちゃんの姿があれば

もう一回
声をかけてみよう

そう思って
スタンドをあとにしたけど
もうそこにはおじいちゃんの姿はなく。

お家が近かったら
いいなと願いながら

土砂降りの雨が続く
街を車で家に向かって走っていった。


ーーーーーーーーーーーーー

「受け取っていただく」


ということ。

きっと私も
おじいちゃんのように
「大丈夫、必要ない」

って言うだろうなって思ったら、

「あーあのおじいちゃんは、私だったな」

って思って。

なんだか、
自分を省みた。

べつに、
「絶対受け取って欲しい!」
と思っていたわけじゃないけど、

人が手を差し伸べてくれようと
してくれていることがあるとしたら、

最初の一回は断る

みたいなのさえもやめて
素直に
「ありがとう」
って言える人になりたいなって

思った。

これは決して
おじいちゃんがそうであってほしかった
(素直に受け取ってほしかった)
(ありがとうって言ってほしかった)
っていうことじゃなくて

(おじいちゃんにはおじいちゃんの生き方がある)

単純に素直に
自分もこんなとき
どんなにずぶずぶでも、
すぐ断っちゃうと思ったから、
自分は大丈夫って思わないで、
素直にありがとうが言える様になりたいな
って思った出来事でした。

とは言え、
自分に染み付いたモノがあるから
すぐにそれができるわけじゃないと思うし
結構気持ち悪い感じあると思うけれど、
少しずつでいいから
上手にありがとうが言えるようになりたいなって
思いました。




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