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【出家】愉快な瞑想仲間たち(ルーマニア編)~最も敬虔なスパルタ先生~

外国人瞑想者の中で唯一ヨーロッパ出身であり、ルーマニアから来たという彼女。お寺の中では、その顔立ちだけでかなり目立つ存在でした。

お寺生活三日目くらいに話しかけてきてくれて、私が英語を話せると分かった瞬間、ぱっと満面の笑顔になり、「ほとんどの人が英語を話せないから、コミュニケーションができる人が来てくれて嬉しい!」と非常に喜んでくれました。それ以降、彼女は仏教の教義について私の先生(それも個別指導)的な立場になってくれたのでした。

ルーマニアといえば、人口の9割以上がキリスト教徒(正確にはルーマニア正教が圧倒的多数、一部カトリック)の国。そんな国で生まれ育った彼女がなぜ仏教に帰依したのか?彼女曰く、「まわりの友人たちが結婚したり、出産したりしているが、みんな現在の生活に対して不満ばかり言っている。キリスト教は必ずしも人を幸せにはできない。仏教なら幸せを得られるかもしれないと直感した。仏教はキリスト教よりもずっと寛容な精神であるという点も魅力的。だから出家という道を選んだ」らしい。さらに、「ルーマニアにいるときは、画家をしていた。仏教から何か新しいインスピレーションが得られるかもしれないと思った」ということで、最終的に尼さんになることを選んだとのこと。

決心したのはいいが、やはり親が黙っていなかった。

街の教会や、森の中の教会など、とにかく親に教会を連れまわされたらしい、、、

彼女曰く、「親はキリスト教徒のままでいてほしい、と色々手を尽くしたけど私の決意を変えることをできなかった」

そこまでの堅い決意で母国を飛び出し、いま目の前で淡々と身の上を語る彼女が、もはや仏に見えてきたのは気のせいではないはず。

と、いまこの文章を書きながら出家前後の我が家の会話を思い出し、

出発前

 私「ちょっとミャンマーで出家してくるわ~」

 母「そう、気を付けてね」

帰国後

 母「あら!ほんまに出家したん?結構似合っとるやないの~」

 父「もう結婚はせんのか?」


いまさらながら、ルーマニアの彼女に対して申し訳なくなってきました。

放任主義(たぶん諦めも入ってる)な我が両親に感謝。

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