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チェンバロ奏者の日記です。音楽のこと、美味しいもののこと、素敵な人のこと。日々のぶつぶつを書こうかな?
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2023年12月の記事一覧

1889年近辺のこと Ⅱ

1889年近辺のこと Ⅱ

もう呪文のように唱えちゃってますが、1882年にパスカル・タスカンのオリジナル楽器(1769年製)が発見され、トマシーニによって修復され、記録ではディエメは1889年のパリ万博でクラヴサン連続演奏会をこの楽器で行いました。
それまでの5年間。どんな活躍があったでしょう?ここが最も興味のあるところです。
前ブログでお話した
「Les clavecinistes français」がDurand社から

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高橋明日香さんのリコーダーCDが完成しました。

高橋明日香さんのリコーダーCDが完成しました。

今年4月に録音したハンス・ウルリヒ・シュテープスの作品集のCDが完成しました。

このCDはピアノ、モダンチェンバロ、リコーダーアンサンブルといろいろな組み合わせでリコーダーを楽しむことが出来る一枚です。ハンス・ウルリヒ・シュテープスが活躍した時代はちょうどモダンチェンバロの隆盛期です。その時代性を考慮してモダンチェンバロで演奏しています。モダンチェンバロで聴くとまた新鮮にも感じます。

とても美

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魚拓

魚拓

今年6月にリサイタルで初演した「魚拓」がスペインで出版され、Amazonで購入出来ることになりました。
スペインの新進気鋭の作曲家 Juan Eiras氏の新作で私が演奏させて頂きました。

Gyotaku - 魚拓 https://amzn.eu/d/fHbUQ21

ヒストリカルでもモダンでも演奏可能です。リサイタルではヒストリカルで演奏したしました。

ぜひお手に取って演奏してください。

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河内琢夫の音楽/室内楽作品個展2021

河内琢夫の音楽/室内楽作品個展2021

先日河内琢夫さんから1枚のCDを頂戴致しました。2021年に行われた個展のライブ録音です。河内さんの音楽はかなり昔ピアノ作品など聞かせて頂いたのですが、今回、このCDを聴くことで更に河内さんの世界がくっきり形となったように感じました。

《祭礼》《儀式》《踊り》《舞踏》。題名に使われたこれらの言葉は不思議な世界に私たちを誘います。音楽がスーっと染み込んできました。自然への原点回帰か、様々な楽器が組

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第3回 オルガン研究会 延期のお知らせ

第3回 オルガン研究会 延期のお知らせ

インフルエンザ罹患者続出で延期をすることになりました。
日時が決まりましたら、お知らせいたします。
思った以上に強力なインフルエンザのようです。

チェンバロを通してバロックやルネッサンスの音楽を学んできましたが、2018年よりオルガンを導入。バロック音楽をより広く学ぼうという教室です。バッハをチェンバロからオルガンから弾いてみよう!

毎回テーマを決めて作品を個人個人探し、調べ、演奏します。

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ムーラン・ルージュとチェンバロ

ムーラン・ルージュとチェンバロ

1889年と言えばパリ万博。もう頭から離れない年です。チェンバロ復活にとって記念すべきイベントのあった年です。そう、ルイ・デイエメがパリ万博でチェンバロ連続演奏会をした年です。という流れでずっと気になっている年ですが、またもや見つけました。モンマルトルに1889年に開業したのが、「ムーラン・ルージュ」です。赤い風車。
パリ万博の観光客を見込んで作ったパリ最大の歓楽街にあります。
肉屋のジドレールと

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平均率クラヴィーア曲集

平均率クラヴィーア曲集

もう語り尽くされている事ですが、Das Wohltemperierte Klavierはよく調整された「well tempered」やあらゆる調で演奏可能という意味です。
一般的なピアノの調律のように平均率でなら何調でも演奏可能という考えです。
長年気になっていることはもう一つあって、「クラヴィーア」という語。
ずっとこの言葉に引っ張られ、ピアノ及びチェンバロで演奏するのだと思いこんでいました。あ

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