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ちょいちょい書くかもしれない日記(週末)

作家の仕事には曜日感覚などなさそうに思われるが、けっこうある。
決戦は金曜日……と月曜日。
週の終わりの夕刻に滑り込みで入稿。
あるいは、週のド頭の朝一番にどうにかこうにか入稿。
本当はもっと余裕を持って仕事をしたいけれど、そういうスケジュールになるときがそれなりにあるからだ。
私の場合は、そこに学校の非常勤講師の仕事が入るので、曜日は常に意識している。

ただ、週末が「休み」という意識はまったくない。
何しろ、「金曜日に間に合わなかったものを何とかして月曜日朝イチに提出」という流れになると、週末はただの地獄だからだ。
それに加えて、実家に両親がいた頃、週末はとても気の重い存在だった。
仕事が休みなので、父が母と私と一緒に夕食を摂る。
普通に考えれば一家団欒だが、実際はそんな素敵なものではなかった。
認知症が徐々に進み、ちょっとしたことで感情を爆発させるようになった母と、人の気持ちを慮ることが生来できない父の組み合わせは最悪だ。
会話をすればたちまち喧嘩になる。
なんとか和やかに食事を終えてもらおうと、両親が直接言葉を交わさずに済むよう、二人の発言を千本ノックみたいに拾い、投げ返し、明るく振る舞い続けて、ヘトヘトになる。
あんなにヒリヒリした食事は、もう二度と経験したくない。

父が死に、母が施設に入った今、私の週末はとても静かに、ほかの曜日と同じように過ぎていく。
猫と語らい、テレビを見ながら、呑気に食事をする。
特に寂しくはないが、父が大好きだった、出川さんが電動バイクで旅をする番組を何となく見ていると、ああ、誰が死んでも、世界は普通に続いていくなあ、と実感する。
好きに生きようと思う。

カロルはミートパイも旨いよ。

こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。