ちょいちょい書くかもしれない日記(歌舞伎)
またしても上京した。
1ヶ月に2回も東京へ行くのは、本当に久し振りのことだ。
歌舞伎座に、京極夏彦さんの書き下ろしによる新作歌舞伎『狐花 葉不見冥府路行』を見に行ったのである。
夜の公演であるがゆえに、最終の新幹線がかなりアウト寄りの微妙で、そこで冒険するのは嫌だったため、諦めて宿を取った。
定宿の宿泊費は相変わらず高いが、事前精算することで、少し値段を下げることができるシステムになっていた。
ご一緒した方がとてもいい席をおさえてくださったので、「貴族……貴族の席やん!」と静かに興奮した。
机に頬杖をつくことができて、前のめりに見ても誰にも迷惑をかけない席。素晴らしい。
公演は素晴らしかった。
敢えて何も情報を入れずに見ようと思ったら、一部を見てだいぶ「……??」となったので、幕間にお弁当を食べながら筋書を開いてあらすじを読んだ。
世間は広いようで狭いのだよ関口君、という感じの設定たった。
中禅寺さん(ご先祖)は、やっぱり地獄みたいにセリフが多くて大変そうで、相変わらずたまに甘噛みする幸四郎さんが、染五郎時代を思い出して懐かしかった。
彼の、シリアスな場面でふっとせりふ回しが軽妙になるところがとても好きなのだが、それにしても東京のお客さんは笑いの沸点が低い。
いや、歌舞伎の演目では、ちゃんとわかるように笑うラインがそこと決まっているのだろうか……と、要らんところでそわそわした。
お隣の母子は、七之助さんの出番になるとオペラグラスをガッと手にしていた。わかる。
個人的には雲水の声がとてもよかった。
東京は夜になっても蒸し暑かった。
かつて、夏コミに参加していた頃、初代担当氏に連れられて深夜の街をうろついたときも、やっぱりこんな感じの独特な暑さだったな、と思い出した。
ホテルのベッドが大きいので、のびのび寝られると思いきや、やっぱり端っこで寝ていた。
午後から仕事なのでもとから早く帰るつもりではあったが、アホみたいな早朝に目が覚めてしまったので、新幹線を早い便に変更して帰ることにした。
なんだかんだ言っても、猫がいないと落ち着かないのだ。
帰宅したら、珍しく猫たちが全員、玄関で出迎えてくれた。
昨夜分のおやつの請求である。
こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。