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慈しみ、愛おしいと思う心『ばあちゃん助産師 こころの子育て』

妊娠・出産・子育ての原点を考えるきっかけになった、素敵な本。いま読んでおいてよかったです。
91歳、日本最高年齢の現役助産師さんの著書です。

赤ちゃんのこころの根っこは妊娠期にもう生まれている

母になるのは楽しい。でも同時に覚悟もしてほしい。

『ばあちゃん助産師 こころの子育て』より

いま妊娠6か月です。胎動を感じ始めて、性別も分かって、おなかに赤ちゃんがいるんだという自覚がやっと出てきました。
この世に生まれようとする命を私が預かっている。
赤ちゃんはすごいスピードで身体も心も成長させようと頑張っている。
なんて幸せなことなんだろう。

坂本先生の「おなかにいる赤ちゃんには、すでにこころの根っこが生まれている」という言葉で、赤ちゃんへの愛おしさが増しました。

自分の身体の変化やマイナートラブル、出産・子育てへの不安など、妊婦として悩みはつきないけれど…
人間の身体って本当によくできている。つわりがおさまったみたいに、時期が来れば辛い状況もきっと好転する。だからなるべく神経質にならないようにしたいなあ。
すべての妊婦さんが通ってきた自然の流れに私も身をまかせて、今はおなかの赤ちゃんが心地よく過ごしてくれることを第一に考えたい。
赤ちゃんと一心同体の、幸せな時間をかみしめたいなと思いました。

0歳児の子育ては慈愛、そして親育て

お母さんが、子どもの心の根っこを作るんです。お母さんしかいないんです。

『ばあちゃん助産師 こころの子育て』より

0歳児は無意識の時代。そのなかで楽しい夢を見せてあげるか、辛い夢を見せることになるのかはお母さん次第。
おむつ替えてお乳飲ます、という単調作業も慈愛を込めてすること。
人を信じる力、人を許す力、人を認める力、このすべては0歳児の時に養える。
それはお母さん側の訓練でもある。子育ては親育て。
とのこと。

赤ちゃんとの関わりも、対人関係のひとつだと思うんです。
何もできない相手だからといって自分の思い通りにしようとするのは違うきがする。
赤ちゃんの気持ちになって、慈しみを込めてお世話したい。
こちらが犠牲になっているという気持ちではなく、心を通わせる気持ちで。

産後、身体がしんどいなかで初めての育児は絶対に大変だけど、赤ちゃんがこの世で最初に頼れるのは私だけなんだよなあと思うと、気持ちが奮い立ちます。

信頼関係を築けるように、誠実に向き合いたいなと思いました。
最初からできなくても大丈夫、少しずつできるようになっていくから、という坂本先生の言葉に勇気ももらえました。

無条件に安心できる家庭を目指して

旦那さんには一歩引いて、一家の長として立てなさい、というのが坂本先生の教え。
私は夫のことを尊敬しているので、そこはこのままで良いんだなと少し自信になりました。

私の母が父を立てるタイプだったので刷り込みもあるかもしれません。
でも、夫のおかげで今の私がある、と心の底から感謝しています。

経済的にも精神的にも、私に安心を与えてくれて。人生をもっと楽しくしたいと思えるようになったのは夫のおかげです。
自分自身の嫌いなところも夫が受け入れてくれたから、自然体でいられるようになりました。
2人で補い合っていけば、これからきっと生きていける。2人なら大丈夫だと思えるんです。

夫婦のどちらかがいつも自己主張していたり、逆に我慢していたりすると、家庭内で愛情が循環していかないと思うんです。
時にはぶつかり合うことがあっても、バランスが大切かな、と。
安定したバランスがとれていることが、子どもにも安心感を与えると思っています。

子どもにとって無条件に安心して居られる場所は家庭のなかだけだから。
いつでものびのびとしていられるような家庭にしていきたいです。


赤ちゃんには損得勘定がない。そのときのありようをただただ受け入れて生きている。これは、神の領域の生きざまなんです。

『ばあちゃん助産師 こころの子育て』より

娘(性別が女の子だと分かったので)のことを考えると神秘的なものを感じ、凛とした気持ちになります。
背筋が伸びるような気がするのと同時に、私の腕のなかに温かいものが生まれてくる感じがします。

慈しみ、愛おしいと思う気持ちが母親の原点だと思いました。
この心を忘れないようにしたいな。


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