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グッドナイトマミー

ずっとチェックしていてやっと観られた作品。ドイツ映画であることを知り驚きました。ドイツ映画は何本か観たことがあります。お国柄がどこか作品に、じんわりと出ているようで、映画って楽しいですね。

好きなフランスの作品は、ドビュッシーやラベルのピアノ曲同様、掴み所のない転調をしながら、どこが果たして着地点なのか、観客に疑問を与えたまま回収せず去っていってしまいます。

そして今回冒頭からドイツの個性とは・・・と考えながら観ました。早い段階で私が勝手にたどり着いた答えは・・・「無駄の無さ」でした。

食事からも伺えるように、夜の片付けに時間を取られなくて良いように、手をかけ火を使う料理はあまり登場しません。パンと切ったハム、ワイン。キリスト教のプロテスタントも無駄な装飾はありません。音楽も然り。ベートーベンやブラームスは、きっちりとした起承転結で書かれ、何かに誘惑され脇道にそれてしまう事はありません。

グッドナイトマミーも。初めから無駄なシーンは一切なく淡々と物語が進みます。

ネタバレしない、というのが自分の中のルールでこのnoteを書いていますので具体的には言いませんが、この映画は秀悦。思わず深く納得しました。初めから次々に描かれる場面が、全て伏線となっていて、その伏線はエンディングで完全に回収されていくのです。観客のなんでだろう・・・という疑問が完全に全て解決されるのです。

まさに初回のみの特典です。二回目からはオチを知っているわけですから、同じ驚きはありません。ただ、もし二回目に観るのなら、演出や演技などを細かく観て、納得を重ねていく楽しみがありそうです。

この作品は、初めのうち、怖いホラーなのだ、とちょっと後悔し、眠れなくなるかな・・と心配したほどですが、息つく間も無く引き込まれ、最後には深く納得できた作品です。お薦めしたいと思います。



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