道野櫂

もと博物館学芸員。主な守備範囲は宇宙。ときどき執筆活動を。Kindle本の「少年少女向…

道野櫂

もと博物館学芸員。主な守備範囲は宇宙。ときどき執筆活動を。Kindle本の「少年少女向けSF冒険小説『タイム・ウォール』」もお楽しみいただければさいわいです。

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  • 科学小説「月からの手紙」 作者:道野櫂

    ネットワークがはりめぐらされた21世紀の地球。 止められない温暖化。姿を見せぬテロリスト。そして月の秘密。 2040年は人知れず人類の運命を左右する年となった...

最近の記事

少年少女向けSF冒険小説『タイム・ウォール』の感想、ありがとうございます。

児童向けに書いたものですが、大人の方々?が感想を書いてくれています。 ありがとうございます。 関連記事: ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

    • 『ゴジラ-1.0』はゴジラ映画の最高峰!

      『ゴジラ-1.0』の予告編を見て、これは映画館で観ないと後悔しそうだと感じ、4年ぶりに映画館に行ってきました。 期待以上の恐怖と緊張感、そして感動に身震いしました! ゴジラ映画を観て、これほどの衝撃を受けることはありませんでした。 米軍も日本政府も当てにできず、民間主体でいかにゴジラに立ち向かうかという「海神(わだつみ)作戦」の妙にもたいへん感心しました。音楽も素晴しく、展開のテンポもよく、2時間5分があっという間です。 通常スクリーンだけでは飽き足らず、IMAXでは

      • 少年少女向けSF冒険小説『タイム・ウォール』ペーパーバック版

        2023年6月のKindle本(著者別名) 「少年少女向けSF冒険小説『タイム・ウォール』」 に続き、ペーパーバック版を10月に出させていただきました。 印刷コストや送料がかかるので、電子書籍のKindle本のほうがお得ですが、紙の本で読みたい、置いておきたいという需要(あるかな?)と、献本などの用途にペーパーバック版も用意しようと思いました。 本のサイズは持ち運びに便利なA5サイズにして、文字の大きさを試行錯誤したところ、2段組に落ち着きました。2段組になったことでペー

        • Kindle価格無料キャンペーン「少年少女向けSF冒険小説『タイム・ウォール』」

            今回のKindle価格無料キャンペーンは終了しました。 2023年の秋、読書週間が始まりました。 SFの好きな方へKindleの 「少年少女向けSF冒険小説『タイム・ウォール』」をご紹介! ティーンズ向けに書いたものですが、 少年少女の心を失わない大人のかたにも。 電子書籍版のみですが、Kindle Unlimited会員以外でも 2023年10月28日16時~11月2日16時前までは Kindle価格の無料キャンペーン予定です。

        少年少女向けSF冒険小説『タイム・ウォール』の感想、ありがとうございます。

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          2本
        • 科学小説「月からの手紙」 作者:道野櫂
          37本

        記事

          職業選択とサイエンス・フィクション(SF)の関係

          2022年7月に開催された英国王立天文学会で、職業選択とサイエンス・フィクション(SF)の関係について、解答者がポスターにピンを刺すという簡易なアンケート調査が行われました。 リモートではなく、実際に会場に足を運んだ出席者643人のうち、3分の1超の239人が解答しました。 93%がSFが好き。 69%が人生や職業選択でSFからの影響があった。 解答者がポスターに刺したピンの分布を見ると傾向がよくわかります。 (下記論文の4ページ目、図3) このような簡単なアンケート

          職業選択とサイエンス・フィクション(SF)の関係

          アメリカ国民の宇宙に関する意識調査

          アメリカの調査機関、 ピュー・リサーチセンターの調査 (アメリカ国民の宇宙に関する意識調査:2023年5~6月実施。10329人からの回答) によりますと、 アメリカの成人(18歳以上)の69%が、今後もアメリカが宇宙開発・探査のリーダーであることが重要と見ています。 そして、55%が今後50年以内に宇宙旅行が日常化すると。 NASAが行うべき優先事項として、60%が地球に衝突する可能性のある天体の監視をあげており、気候システムの監視(50%)より高くなっています。(20

          アメリカ国民の宇宙に関する意識調査

          少年少女向けSF冒険小説『タイム・ウォール』

          以前ご紹介させていただきました「少年少女向けSF冒険小説『タイム・ウォール』」 は、WordファイルになっていればKindle本(電子書籍)にするのも容易であると知り、著者別名でKindle出版に挑みました。Wordファイルを読んでくれるKindle Previewerという無料ソフトが確認作業にとても役立ちました。 Kindle Unlimitedユーザーのかたは無料で読めます。 カスタマーレビューも歓迎です! (次回作の参考にさせていただきます) 戦後70年約4割が「

          少年少女向けSF冒険小説『タイム・ウォール』

          リュドミラさんは心の平穏のため、SF小説を読んでいる

          ウクライナ東部ドンバス地方、ドネツク州シベルスクで、 地下室の生活を続けるオレクサンドル・ムレネツさんと 妻のリュドミラさん。 リュドミラさんは心の平穏のため、SF小説を読んでいる ということですが、 どんな本を読んでいるのでしょう。 を見ますと、サイエンス・フィクション(複数)となっていますが、具体的な作品名は不明です。 以前読んだ『戦地の図書館』も思い出しました。

          リュドミラさんは心の平穏のため、SF小説を読んでいる

          4Kテレビを購入して

          これまで10年間使ってきた46インチハイビジョンテレビが、HDMI端子の接触不良や、一度で電源が入らない状況もでてきため、意を決して4Kテレビに買い替えることにしました。 有機ELテレビはものすごく電気を食うので従来と同じ液晶を選択しました。地球温暖化抑制のためにも省エネ家電は重要ですね。 液晶でもコントラストがよいもの、画質・音質にすぐれたものを探し、ネットでの評判なども参考にして、パナソニックの55インチを有力候補に。 とくにこちらのページが、複数のかたの審査があり参

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          宇宙人の探査機が地球をまわっている?

          私たちが探査機を送って天体を調べるように、宇宙人(地球外文明)も地球を発見した場合、調査のために探査機を送ってくるかもしれません。 もし、地球外からの探査機が人工衛星のように地球周囲をまわっていたら、地球を詳しく観察することができるでしょう。 静止軌道のような高い軌道ではかなり長期間地球をまわっていることができます。そんな物体をさがすには、人類が打ち上げた人工衛星やその破片が多数ある現在ではなく、人工衛星打ち上げが始まった1957年より前に世界各地の天文台などで撮影された

          宇宙人の探査機が地球をまわっている?

          月の溶岩トンネル(溶岩チューブ)

          科学小説「月からの手紙」は主に2006年に書いたもので、日本の月探査機「かぐや」(SELENE) 打ち上げの前年でした。 物語に登場する「虹の入江基地」は、地下に広がる溶岩トンネル(溶岩チューブ)内に作られているという設定です。 月の溶岩トンネルとみられるものは、「かぐや」の観測から実際に発見されています。こうした月の地下空洞は、月の表面とは異なり有害な宇宙線(宇宙からの放射線)や隕石から守られ、温度もマイナス20℃度前後に保たれているという見積りもあり、将来の基地建設地

          月の溶岩トンネル(溶岩チューブ)

          「並行宇宙」という考え方

          「並行宇宙」という考え方が実際にあります。 少し調べてみたいかたへ、参考になりそうな記事をいくつかご紹介します。 量子計算と多世界解釈: デイヴィッド・ドイチュという天才(日本科学哲学会ニューズレター No. 50, 2014.6.19) 50歳を迎えた多世界解釈(Nature Vol.448 (15-17) / 5 July 2007) 書店員レビュー『量子の新時代』 二人の悪魔と多数の宇宙 : 量子コンピュータの起源(古田 彩) 多世界解釈の勘違い 「この世

          「並行宇宙」という考え方

          科学小説「月からの手紙」36話(最終話)

          科学小説「月からの手紙」36話 (最終話) 守護者 久しく時がながれ、 月で生まれた子どもたちが 先人たちの眠る場所に 枯れることのない花をたむける。 上空のまばゆい光に気づいた子どもたちは、ロボットのほうを振り返り地球を指さした。 そこには、破壊をまぬがれてきた青い地球がまるで宇宙の奇跡のように浮かんでいた。 太古より月に見守られてきた地球は、ようやく人類が守るべき星になったのである。                        「月からの手紙」完     

          科学小説「月からの手紙」36話(最終話)

          科学小説「月からの手紙」35話

          科学小説「月からの手紙」35話 月からの手紙  美濃良治という青年を忘れることができない。  月探査の歴史上、2026年にシャクルトンで起こった宇宙服の生命維持装置事故、虹の入江で2031年に起こった氷層落盤事故以来の大きな事故に見舞われた青年だ。一度は聞いたことがあるかもしれない。  2040年12月のあの事故から2年ほどだったある日、確か5月だったと思う。月と地球を結ぶ公開テレビインタビューの席上、彼は永年契約で月に派遣されていたことを告白していた。  通常、中国

          科学小説「月からの手紙」35話

          科学小説「月からの手紙」34話

          科学小説「月からの手紙」34話  ベローフ・レポート  アパートから地下鉄を乗り継ぎ、フィフス・アヴェニュー駅で降りたエヴリン・パヴロヴナ・モスカリョーワは、ルネサンス様式のホテルや高級ブティックの並ぶ5番街を足早に通り過ぎ、赤い扉の高級美容室の角をまがった。2ブロックほどで「ブダペスト・グランドカフェ」だった。  マンハッタンにあるニューヨーク大学で美術史を学んでいた彼女は、主に夜間コースに出席し、昼から夕方までは美術館の多いこの地区の「ブダペスト・グランドカフェ」で学

          科学小説「月からの手紙」34話

          科学小説「月からの手紙」33話

          科学小説「月からの手紙」33話  プログラム  2040年12月18日、ロスアラモス空港ロビーのコーヒースタンドでは数人が朝の便を待っていた。  バリー・マクファーレン博士は、剃り跡を確かめるようにあごを撫でながらエスプレッソをすすっていたが、その眼はロビーの壁面テレビに向けられていた。テレビからは離れていたため、音声はよく聞き取れなかったがテロップを読むことができた。  過去10年間における全米農作物生産量の減少のグラフが示されていたが、誰の目にもその深刻さは歴然とし

          科学小説「月からの手紙」33話