23-24シーズン 備忘録
タイトル通り23−24シーズンの個人的備忘録
試合中にリアルタイムで喋ってたことのまとめとか
得てしてこういう記事は書いてから数年後に価値が出るので、思い出として残しておく
前半戦に書いた下の記事を前提に書く
シーズン終わって素直な感想としては、つまらないシーズンになってしまったなーというのが一番大きい
リーグテーブルの上では欧州大会のチケット獲得で目標達成という感じだがその内容は想像の斜め上を行った
上の記事を書いた時は、未完成ゆえの考える楽しさが有ったのだがどんどん変な方向に固定されていき、選手の自由な発想は出にくくなるわ、相手に同じ形で攻略されるわ、選手の起用もフィットしない形で続くわでシーズン後半は見るのが苦痛なほど退屈な時間が続いた
この原因は本当に簡単に説明できる
両SBが中央に入るのが早すぎるだけ
シーズン後半戦でしっかりスカウティングしていた対戦相手のほとんどは4312で守備ブロックを作り前線の3枚でパスの出し手の両CBとアンカーを潰す仕組みでスパーズを封殺
当然ながら4312はコンパクトなブロックなので図の黄色い位置、サイドにスペースが生まれるのだが何故かそこを使うのは降りてきたIH、降りてきたWG、降りてきたFWと全員後ろ向きで受けることでしか活用できないのでそこからの展開も難しく戻すことがほとんど
後ろ3枚意外の全員がポストプレーしてる異常事態がずっと続いていた
本来はSBが黄色エリアの角くらいに位置することで相手のIHの意識を外に向かせる必要がある
SBが少し外側にポジショニングすれば相手IHも対応に来て中央にスペースが出来、スパーズのCBからIHへのパスコースが拓けたりする
またCB-WGの間にSBが立つことで、相手のSBがスパーズのWGへの決め打ちマンマークを抑制可能
内側に入るのが早すぎるのと一度中に入ったSBが外に戻らないのが、かなり手段と目的が逆転してるなーと感じる
SBが中央でポストプレーしてIHやWG、果てはFWが降りてきて展開、フィニッシュは中央に残ってるSBの担当?
文字に起こすと本当に意味が分からないが実際に起こってたことなので仕方ない
ポストプレーが得意なSBの獲得すればマシになるかもね(ポストプレーが得意なSBって何???)
またWGが黄色エリアに降りてくると同時にSBが前に走り出すプレーが明らかに指示されていたのも意味不明
WGは相手にマンマークに着かれながら後ろ向きでボールをキープして内側を走るSBの前のスペースにパスを出すスキルを求められる
確かに一種の前進モデルだがこれを安定して実行できる選手は世界に何人いるんだろうか?
案の定WGがロストして被カウンターになったり、CBへ戻したところをプレススイッチにされピンチになることが数え切れないほどあった
戦術的には総じてSBのポジショニングが根幹的問題としてシーズン全体に悪い影響があった
一番特徴的で重要なところなのにシーズン進むにつれて悪い方向に固定化されたのが非常に残念でならない
選手起用はまぁ保守的
スカッドが揃っている時はいいけど怪我人が出ると序列を明確に出すのが見てる側としては楽しさは無い
シーズン後半明らかに戦力外のヒルを起用したときは閉口した
選手起用で一番影響があったのは間違いなくソンフンミンのFW起用だろう
シュートとスピードが強みの選手を中央で起用して良さを殺す上に、ソンフンミンのSTのお手本がケインなせいで、タッチも荒くパスも引っ掛ける選手が延々とボールを触りに降りてくるという地獄絵図が特にシーズン後半に続いた
上手くいかないので更に深く降りてくる悪循環でCBとWGの間に降りてくるようにまでなってしまい手詰まり
SBは変に徹底指示している割にはFWの動きには全く制約が無いように見えるのも理解が難しい
選手起用とプレーのテンポが合ってないのもかなり気になる
冬にヴェルナーが加入してからはBJと両翼を務めることが多かったがどちらもボール保持時の相手選手との対面より、裏への飛び出しで勝負するタイプ
しかしチームはゆっくりめなテンポでプレーすることが多く良さを活かす戦い方は特にしなかった
プレスをかけられて苦し紛れに裏に出したパスが一番チャンスになったりして最初からもっと早いテンポでプレーしたら?という気持ちはずっと有る
得点パターンも少ない
前述の通り中央にスペースが全く無いのでサイドからのクロスが保持時のメインパターンになる
FWのリチャーリソンのゴールになったシュート位置とゴールにならなかったシュート位置
個人の能力で大きく左右されるとはいえ結構な偏り
ポステコの日本での指導時の記事が雑誌の紹介されていたが、そこでプレーしていた選手もサイドからのロークロスが目的だと話していて、うーん
相手にすれば中央はスパーズの選手が勝手に埋めて窒息してくれるので押し込まれたら一人最終ラインに降ろして急造の5バックにするだけで簡単に対策できる
そこでSBが動き直してオーバーラップするってこともないので5バックには完封されることが多かった
4312は完璧なポステコスパーズメタになるのでプレミアリーグのアナリスト諸兄は覚えておいてください
後はカウンターがほとんど
前線に速さが強みの選手が揃っているのでそりゃうまくいくが、ならこのクロス一辺倒のための形とテンポやる必要ある?
選手たちもシーズンが進むにつれて上手くいかないことを試合中にジェスチャーで出したりして混乱が見て取れた
ロメロが試合後半にガンガン上がって行ったりするのはそれの最たる例かな
それが効果的かは置いといて自分でなんとかしようとするのは嫌いじゃないけど
概ね感想、備忘録としてこんなものか
とにかく戦術、選手起用、志向が上手く合致しない、不可解なことが多いシーズンだった
シーズン前半の記事を書いた時は、難しいながらもその分パターンが豊富で選手の自由な発想を引き出す戦い方になるだろうと思っていたのだが、実際には配置と攻め方が極端な固定化な上に選手は窮屈に不得意な役割を個人で打開することを求める戦い方だった
ポステコの言動や指導スタイルは明らかに上のパターン寄りに感じるのだが、実際はガチガチの固定で面白くないというギャップが一番見ていて辛い
監督‐コーチ‐選手の間で意思疎通に齟齬がありそうな気がするが、まぁ外部からは観測できないし、それらもひっくるめてポステコグルーの指導力なので言い訳は出来ない
リーグ戦5位、CL権まであと一歩という結果自体は初期段階の目標としては充分だが、たとえ世界最高の選手たちを集めたとしてもこのサッカーがトロフィーを取るような成績を残せるようには見えないのでこれを続けるのかーと思うと辛い
本人もリーグタイトルの為に戦うということを言ってるので戦術的な改革はしっかりしてほしいところ
現在も選手の良さを殺してるシーンが数えきれないくらいあるし、決して上位3チームに比べてクオリティに劣る選手たちではないはず
プレミアリーグ全体のレベルが上がってきて戦術的に負けてても選手の個の能力で勝てる試合も少なくなってきているしそう長くは時間をかけれないだろう
来期はCL権獲得が目標だと思うけど、このまま戦術を詰めないなら成績不振での解任も全然ありそう
そういう結果にならないためにもポステコには大きなブレイクスルーを期待したい
PS 醤油がきれそうです
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