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欲がもたらすもの

年のせいなのか、韓氏意拳を学びはじめたせいなのかよくわからないけれど、ここ数ヶ月で変化が起きている。
「欲」が少しづつ剥がれていくような感じ。

ここで言う「欲」とは、
ちょっと付け足すことで大きな成果を得ようとする欲。
たいした労力をかけずに、大きなものを手に入れようとする欲。

考えてみれば、僕はこの欲が常に生活と共にあった。それこそ十代の頃からずーっとこの感覚が共にあったような気がする。
ちょっとのことで大きく変化させ、大きな成果を得ることができる、というのは、ある種のセンスの良さでもあるし、他と違うという意味で自己満足が得られるからだ。

しかし今は、この「欲」が、自然な成り行きを大きく抑圧し阻害してきたように感じる。
頭では「よりよいものを実現できる」と考えていても、しょせん頭で考えたことであって、過去であり断片である、と今は感じるのである。
自然にこの身心に発露してくる創造の成り行きを、なぜ「欲」で堰き止めてきたのだろうかと。
そう感じ始めている。

このように意識が変化すると、生活がどんどんシンプルになってくる。
そして楽になり、楽しくなる。
まず頭で「成果」と考えるものを相手にしなくる。
結果から自由になる。
意識や考えを介入させなくとも、
いや介入させないほうが
何が起きてくるかわからないワクワク感と、想像を超える展開が起きてくるからだ。

するとますます「頭で考えること」の狭さ、断片性の理解が深まってくる。そして、自然の成り行き、現象の成り行き、創造の成り行きに対する信頼がさらに高まってくる。

もちろん「欲」によって経験できる世界はあると思うし
それはそれで多様で深く、まさにこの世界を彩っているとは思うけれど、
今は「自然の成り行き」が見せてくれる世界への興味が尽きない。

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