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自社に適した新規事業提案制度とは?

今回の記事ではmichinaruラジオをベースに、各社の新規事業提案制度を紹介していきたいと思います。

メンバーが参考にしたいと思った「関西電力」「森永製菓」「リクルート」の事例をピックアップさせていただきました。

それぞれの特徴を見ることで、自社に適した新規事業提案制度を模索するヒントになれば嬉しいです。

michinaruラジオはホームページ、Spotify、YouTubeから聴けますので、ぜひ聴いてみていただいきたいです。

1.関西電力「かんでん起業チャレンジ制度」

まず、関西電力が行う新事業提案制度を紹介させていただきます。
提案制度の名称は「かんでん起業チャレンジ制度」です。

関西電力では1998年から新規事業提案制度を運用していたようなのですが、その提案者数は年々減少傾向にあったようです。

そんな中、電力自由化などを背景に、本業である電気事業以外での成長が強く求められるようになってきました。そして、「再びイノベーションを」ということで、イノベーション推進グループを立ち上げたそうです。

グループのメンバーを中心に制度改革をしていく中で、1ステップのみの提案制度から、現在実施されている3ステップでの運用へ改革がなされました。

TRAPOL合同会社における旅行サービス事業の開始についてより

元は1ステップだったものを、3ステップへと段階的にすることで、長い時間をかけて実施してきた提案制度を活性化させた点が面白いですよね。

また、事業化に成功した提案者は原則5年間は新たに設立した会社の社長として事業に専念してもらうそうです。

失敗したとしてもちゃんと戻ってこれる仕組みがあった上で、起業チャレンジに成功したら社長にもなれるという制度が素晴らしいですよね。

2020年には「イノベーションサポーターズクラブ」というものをスタートさせ、イノベーション部門の外からも新規事業に興味のある熱量を持った社員を集め、ネットワーキングをしたり、新規事業の壁打ち相手やモニターになってもらったりという機会を提供しているようです。

参考資料

2.森永製菓「新領域創造事業部」

2つ目は森永製菓の事例を取り上げさせていただきます。https://www.morinaga.co.jp/

森永製菓は提案制度そのものというよりも、新規事業開発の位置付けが面白いと思ったので紹介させていただきます。

2014年に「そろそろ本気で新規事業に取り組むべき」と考えた社長によって、新領域創造事業部が設立されたようです。

新領域創造事業部に課せられたミッションは「次の森永の主事業になるような新事業を作る」「外の風を入れる」「シンクタンクとして機能する」という3つです。

事業を生み出すことだけでなく、組織の活性化や新たな知見を取り入れることを最初から視野に入れ、事業部を立ち上げている点が素晴らしいなと思いました。

そのようなミッションがあるからこそ、積極的に社外とのコラボレーションが生まれたり、自由度の高い新規事業を行うことが出来ているようです。

また、出資をするベンチャー企業に対してメンバーを送り込み、経営を体感させる「ベンチャー留学制度」を実施することで、「事業開発ごっこ」で終わらない本気の事業創造の視点を組織内に取り入れようとしていることもわかります。

実際にコーポレートベンチャーとして株式会社SEE THE SUN が立ち上がっています。

森永製菓の創業者の思いである「日本の子供たちに、栄養があるおいしい洋菓子を提供したい」という想いを、現代にアップデートしているような会社ですね。

参考資料

3.リクルート「Ring」

最後はリクルートの「Ring」を紹介させていただきます。
この記事を読んでいる方は、すでに知っている方も多いとは思いますが、素晴らしい仕組みなので改めて紹介させていただきます。

リクルートでは1年に1回「Ring」という制度によって新規事業の募集が行われます。毎年応募件数は1000件にも及ぶそうです。

最初の募集が4月〜6月でその際には、とにかく量を重視した参加ハードルの低い募集をかけています。ポスターには『「Ring」に挑戦しないのはもったいない』ということが書かれるぐらい、多くの人に募集をしてもらうことを重視しているようです。

そこから、一次審査を通った案件には調査予算と伴走者がつき、数ヶ月に渡り事業案をブラッシュアップしていきます。二時審査・最終審査を経て、4月からの事業化検証に進むかを審議します。審査に勝ち進んだチームは2月に開催されるRing AWARDにて表彰が行われるようです。

https://ring.recruit.co.jp/

1982年から40年近く実施されてきた「Ring」は確実に今のリクルートの揺らぎ続ける組織文化を生み出していることがわかりますよね。

「Ring」から最近生まれた事業では有名なものとして「スタディサプリ」があります。スタディサプリの生みの親である山口文洋さんは何度も挑戦をし続け、6回目の審査でやっと通っているようです。

https://brand.studysapuri.jp/career/interview/article/fumihiro_yamaguchi

先日の我々のセミナーでもお伝えした、
「創る人」「支える人」「育てる組織」の3つがうまく設計されていることがリクルートの事例からは読み取れますね。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました。
ピックアップさせていただいた3社の新規事業提案制度を比較してみて感じることは、どの企業も自社の組織文化に合わせた制度を導入しているということです。

長い間、新規事業開発に取り組んでいるからこそ失敗から学び独自の制度を開発していることがわかります。

組織文化と不可分に事業創造は語れません。この記事が自社に適した事業創造の形を模索しながら、挑戦をするヒントになりましたら嬉しいです。

事業創造に取り組む皆様の刺激になる情報をこれからも発信していきますので、各種SNSやnoteのフォローもよろしくお願いします。

挑戦者が溢れる社会に向けて、これからも一緒に頑張っていきましょう。

michinaru じゅんじゅん 

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