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日々.6/罪と罰を読んでいる


ミチムラです。


先日、村上春樹の「騎士団長殺し」を読み終えました。

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村上春樹、好きなんですよね。長編小説はこれでぜんぶ読んだことになります。とくに好きなのは「ノルウェイの森」、「羊をめぐる冒険」、「風の歌を聴け」など。

短編はまだ読めていないものもいくつかあるかな、読んだものもほとんど内容を忘れてしまっているので、あらためて読み返したいです。好きなのは「螢」、「パン屋再襲撃」、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」、「めくらやなぎと眠る女」など。


ですが今回の話はドストエフスキー。いままさに読んでいる「罪と罰」。


ドストエフスキーをはじめて読んだのは22歳の夏。ひとりきりで青春18きっぷを使ってJRのみを使って東北にあてもなく旅行をしているときもずっと読んでいました。

作品は「カラマーゾフの兄弟」。

全3巻でページ数は2000ページを超えてきます。超長いわけですが、これがすごくおもしろくて、人物の心情の機微、あらゆる描写が病的なほどにこまかく、読み終えたときはほんとうにショックを受けました。100年まえにこれほどすばらしい文学が完成しているというのに、僕がこれからなにをしたらいいのだろうか? と本気で落ち込みました。いま思えば世界最高の文学と比較して落ち込むこと自体おこがましくてはずかしいのですが......

読み終わり、その後に小説を書きはじめます。9月から11月末にかけて書いた146枚の小説は、某出版社の小説賞に応募。完全にカテゴリーエラーで落ちました。

そしてそのちょうど1年後の太宰治賞に同じ小説を応募して、それが2次選考を通過(1201篇中27篇)。

この小説は、カラマーゾフの兄弟の影響をかなり受けています。というのも、カラマーゾフの兄弟を読んで以降、描写についての考え方があまりにも変わったからです。変わったというより、それまでまったく小説そのものについて理解していなかったのだと自覚したというか。自分の無知が完全に暴かれてしまったという絶望がおおきかったんですよね。

そんなこともあって、2次選考通過はカラマーゾフの兄弟を読んだあとに書いたからこそ得られたものだと思っていて、僕にとってはお守りみたいな本になっています。

だから、それゆえにほかのドストエフスキーの小説は、ほんとうに創作がきびしくなってきたときのために、読まずにとっておいてあります。困っているときに読んだら助けてもらえると真剣に思っているわけです。


そして今回、満を持して登場した罪と罰はわけで。と、いうことは僕は創作に行き詰っていると。行き詰っています。

ひとつものにしたい構想があり、4月、5月の自粛期間に100枚ほど書いた小説があるのですが、それがプロット通りではおさまりがわるすぎるためにべつの方向ですすめることにしたのですが、もうまったくうまくいかなくなってしまいました。

だからそこから逃げるようにして、去年書いたボツ原稿を引っ張り出して、改稿作業をして、北日本文学賞に出そうとなんかして。逃げている日々です。

北日本用の小説にももちろん愛着があり、きちんとかたちにしてあげないといけないとは常々思っていたのですが、このタイミングで手を出すのは逃げなのではないかなと、そんな無駄なことを考えてしまう。

なのでひとつ変化のために、罪と罰、読みはじめました。

いまのところ250ページくらいですが、超おもしろい。ほんとうにドストエフスキーは天才すぎる。僕もがんばる。でもへこむ。


まとまりがありませんが、これでおしまい。


ミチムラチヒロ

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