戦略的に学習する力とは?

コロナの渦中、このまま3密を必要とする仕事はどんどん無くなっていくんじゃないか・・・と不安になりますよね。

2013年にオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン準教授が書いた論文『雇用の未来~コンピューター化によって仕事は失われるのか~』は世界を驚愕させました。なぜなら、コンピューターによる自動化が進むことにより、20年後の将来には47%の仕事がなくなるという結論を導き出したからです。

コロナの影響で、この変化が加速するように感じています。


では、私たちが仕事を失わないようにするにはどうすれば良いのか?オックスフォード大学の調査チームによると、2030年に最も必要とされる能力の第1位はアメリカでは「戦略的学習力(Learning Strategies)」だそうです(2位は心理学です)。

データ元はこちら:https://futureskills.pearson.com/research/assets/pdfs/technical-report.pdf

そんなことが言われているのに、残念ながら、日本のビジネスパーソンの学びにかける時間は他の先進国と比べると最下位だというデータがあります(Education at a Glance 2016)。

これからは何歳になっても学習し続けることを当たり前にしていく必要があるんだろうなとひしひしと感じる40代です。

では、戦略的学習力とは何でしょうか?様々な方法が提唱されていますが、色々と書かれたものを私なりにまとめると、こういうことかなと思います。


①受動的学習ではなく、積極性と目標を持った学習:やれと言われたからやる学習ではなく、未来につながる学習を自ら能動的に選び取って学ぶ。たとえば、3年後の自分をイメージし、そこからバックキャスト(未来から今を見る)方法で自分を見ると、何を習得する必要があるかが分かることがあります。
また、受動的学習にしないための方法として、昔の上司からは「すぐに本を読むな」と言われたことを思い出します。すぐに誰かの意見に飛びつかず、まずは自分でそのテーマについてとことん考え抜いて、それから本を読むと、クリティカルな対話と共に情報が入ってくるので、より多く学べました。

②暗記型の詰め込み教育ではなく、自ら問い、考え、応用する学習:資格取得などのためにとりあえず詰め込むという学習は後に応用できないことが多々あります。昔、数学の先生が、応用することが出来ないのなら、学んだことにならないと言っていましたが、そういうことなんですね。

③一つの領域だけに特化するのではなく、多岐にわたって学ぶ:私たちの能力は、一つの領域に埋没するよりも正反対の分野にも触れることで相乗的に発達するそうです。例えば、プロのテニスプレーヤーは瞑想を深めたり、物理学者が心理学を深めたり、そんな風に領域を広げると、もとの専門性も伸びると言われています。

④個人で習得するだけではなく、人と交流し、つながり合いながら学ぶ:類似する興味領域を持つ他者の存在があると、学びの効果や得られる情報が大幅に増えます。情報通な人とのつながりやコミュニティがあると、ルーチンで学びに触れられるサイクルが出来たりもします。


世の中には、検索すればたくさんの勉強方(Eラーニング、社外セミナー、ソーシャルメディア、YouTubeなど)があります。やるかやらないかは、自分次第なんだろうなと思います。今回は自戒の意味も含めて書きました。

50歳になっても80歳になっても、若い人からも老人からも、教科書からも大自然からも、多方面から学べる人でいたいです。

そういえば、厚生労働省の運営する能力開発・職業情報サイトO-NETがスタートしましたね。

様々な能力開発情報が掲載されています。     https://shigoto.mhlw.go.jp/User/

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