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人間が楽しくなる妄想//セイタカアワダチソウ


花を咲かせること
実を結ぶこと
それだけが成功ではないし
それだけが生きた証でもない。

花を咲かせずとも、実をつけずとも、自らのエネルギーを爆発させているやつらはごろごろいる。

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一生懸命頑張って美しい花を咲かせたら、やがてそれが実を結ぶ…

人間社会でも、そんなストーリーが素敵に切り取られることは多い。

でも現実、それだけで生き残れるほどやつらの世界は甘くないし
それだけを賞賛するような、生き様に対する評価基準など一切存在しない。

ただ、自らがそこで、生き切ること。

貪欲に、執拗に。

.....

その場に立ち尽くし
もう私の役目は終えました
と枯れたように見える茶色い茎。
私が草刈機で刈り払った茎。

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セイタカアワダチソウ。


秋頃には黄色の派手な花を咲かせ
その後にはもくもくと綿毛をつけ
次々に自らの種を飛ばすことで繁殖していく。

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でも、それだけがやつらのすべてではない。


枯れた茎を引っこ抜いてみると、根っこからつながった、土まみれの新芽がぞくぞくと顔を出す。

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凄まじい。


決して表立つことなく、でも確実に自らのエネルギーを次につなげる行為を、着々と、粛々と、この土の中で続けていた。


自らの「生」への欲求に従ったこの行為。

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花や実や…目に見える成果ももちろん綺麗だけど、この貪欲さがまた、奇妙で、引き込まれる魅力があるなぁと思う。


自らの欲望のもと、誰が見るわけでもない世界であがくのだって悪くない。

本来の欲望は生命存続(種-しゅ-の存続)であって、花や実は、彼らにとってひとつの手段に過ぎない。


そこを忘れちゃいけないよ、とにやり笑いかけられた気がする。


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