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#35 学生・社会人・定年・人生・家庭・仕事・勉強=トレード・オフ!? その1

宮沢君は大学生である。時間がある。時間は有限。無駄を省く。それが合理的なのだ。この道草談義なんて相当な時間の無駄にちがいない。

経済学の用語にトレードオフがある。直訳すれば、貿易できない、取引できない、つまり、両立できない関係である。自由はあるがお金はない。寝ると楽だが期末試験は得点が低いかもしれない。バーガーを食べるのはおいしいけど太るのはいやだ。

結局、日常はトレードオフの連続。それを何十年もやっていると、自分の選択した結果が出てくる。それをコントロールすればよい結果が得られるはずずだ。人間は経済合理性をもとに行動するという行動経済学が前提にあり、人間は常に合理的だ!この言説が巷にあふれている。

やっかいなことに、最近はこの両立できないことををむりやり両立させることが合理的だとまで考えられている。楽して勉強で点をとり大学に入学する。食べて痩せる。定時退勤して仕事も完全にこなす。高収入かつ自由な時間もある。それができないのは、能力がないからといわれる。

経済とは経世済民。本来のその語源は、家計の管理、転じて社会全体の管理運営。そもそも、昔は生産性がひくいので生産物=食料の確保により貧民の救済という意味合いだったのだろう。できるだけたくさん食料生産し消費にまわす。それが、産業革命ののち1929年の過剰生産による世界恐慌になってしまう。快適にしようとして過剰生産して恐慌になった。

人生を合理的に過ごすことにだけに意味を見出そうとするとき、大きな忘れ物をしてしまう。情報社会はその忘れ物をも情報にし商売にする。自分自身も情報として扱われる社会である。これがまさに合理的である。

いやなことに向きあうことも合理的に解決していく。ネットですべて解決できる。人生は不合理なので合理的に受験秀才になって大学生になった時、さて、なにをするんだろうか?とふと若い時を振り返って思う。

大きな忘れ物をしたまま旅するような気持ちにならないだろうか?それがなにかわからないままであることが、実に大事なのだ。



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