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2024年下半期、あなたに繋がる香りの植物を見つける

2024年下半期が始まったこのタイミングで、自分のために新しい香水を調香してみました。

半年前、3ヶ月前…と、過去に調香した香水をつけても、どれもなんとなく違和感を感じることが多くなっていて…

(もっと今の自分にしっくりくる香りがあるはず)最近、そんなふうに感じていたことも理由のひとつです。

蝉が鳴き始め、季節が変わり夏に向かいます。着るものも変わり、気分も変わる。1年の流れから見ても、今が香りを衣替えをするタイミングなのかもしれません。


私の香水創りはまず、内観から始まります。あれ?精油を香るところから始まるのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

いいえ、まず、内観です。

今の気持ちや、「こう在りたいな」というイメージ、これが欲しいな、という欲望も思いつくままに書き上げます。こうしていると、落ち着いてきます。


そうして、やがて瞼の裏に植物たちの姿が浮かび上がってきます。そうやって初めて、その植物たちの香りを取り出して香っていきます。


今回は珍しく、内観する前から主役にしたいと決めていた香りがありました。リンデン(セイヨウボダイジュ)です。

リンデンは私の憧れの木です。実はまだ、私はリンデンの木を見たことはありません。下の写真の花が付いている菩提樹(厳密にいうとセイヨウボダイジュとは異なる木です)の枝のブーケをいただいたことが、今までにただ一度だけあり、私はその体験から、想像力を駆使して、リンデンの並木道をイメージし続けているのです。



リンデンは大木に育ち、6月頃に小さな黄色い花をたくさん咲かせます。その木の下に立てば、頭上から香りが降り注いでくるのを感じられるでしょう。

私は想像の中で香りを浴びている姿をイメージしながら、至福に包まれています。

見上げれば、陽に透かされた柔らかな葉っぱが、そしてその中に、小さな黄色い小花の群集が霞んで見えます。


『上を向いて歩く』


内観して30個ほどの言葉を書き上げましたが、中でも光を放っていたのがこの『上を向いて歩く』 でした。まさに、リンデンの大木を見上げるイメージと重なります。


物理的にも心理的にも、上を向いて進んでいこう。つまり、6月の開花の頃に降り注ぐ香りを感じながら、リンデンの並木道を歩いている時のように、そしてたとえリンデンがない道にあっても、意識を上の方に向けて歩いていこう。


自分の内側に、そういった決意が芽生えていました。


リンデンを主役にし、合計8種類の精油を調香して出来上がった香水の名前は『パリの並木道』。それを、ひと吹き ふた吹きする。そして、肌の上にリンデンの香りを見つける度に、2024年下半期を歩き出した私に、この決意を思い出させてくれます。


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