見出し画像

尊敬しているからこそ、25年も一緒にいられる。

25年間、ヘアサロンでパートナーとしてやってきている二人。それぞれ、それぞれの夫なり妻なりがいる。25年、と言う年月は、当然、自分たちの婚姻パートナーとの時間よりも長く、どちらかがやめることを決意しない限り、その年月は永遠に追い越されることはない。

25年もビジネスパートナーとしてやってこられた理由は何かと聞いたら、「尊敬しているから」とアシスタントの彼女は言った。オーナーの彼は決して威張らない、とも言っていた。

サロンオーナーの彼は、その業界ではカットがうまいことで名が通っている。業績を残し、名が広がると、人によっては態度が横柄になってアシスタントを雑に扱ったりイライラを当てたりすることがあるのだろう。彼女はきっと、そんな人を見たり聞いたりしてきたに違いない。

癖毛の長髪、黒髪で、黒いハットを目深に被せたら似合いそうなオーナーは、物腰も声の質も柔らかく、あまり言葉数が多くないのだけれど、ユーモアもあって、初対面の私の緊張感をほどいてくれた。私は人に興味があるし、話をするのも好きなのだが、人と打ち解けるまで時間がかかってしまう。そんな緊張気味な私の様子を知ってかしらずか、オーナーも彼女も丁寧に接してくれて、私は大切に扱ってもらえていることが嬉しかった。

大切に扱ってもらえるかどうか。
それって、とっても大事なことだよね。

彼女もきっと、大切に扱ってもらえてるんだな、きっと。

今日は5月1日。雨の中、庭の菖蒲の花を切る。麗しきかな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?