見出し画像

運動ってやっぱりしなきゃダメ?ブックレビュー「運動の神話」

皆さん、運動してますか。
「毎日走っているよ」という運動好きな方もいるかもしれませんが、私は家にじっとしていてもまったく大丈夫なタイプなので、がんばらないと動かなくなってしまいます。
コロナで「家にいるように」となったときも、外に出なくても全然大丈夫でした。家にずっといられます。
働いていた時も、休みの日はずっと家にいることが多かったです。
しかし、心身の健康のことを考えると、やっぱり運動はめちゃくちゃいいらしいし。
今回は、読んだ本をご紹介しつつ、運動について考えたことを書いてみようと思います。


「運動の神話」

運動の神話という本。

翻訳本で、ハーバード大学人類進化生物学部で研究をされている学者さんが書いたもの。
人間って、動くのがどれぐらい好きなのか、動くのがデフォルトなのかを研究。
人間も動物の一部だから、動くのが当たり前、と言われたりする。座ってるのは普通の状態ではないとか。
今では、「座ってるのはタバコ吸ってるのと同じくらい体に悪い」ということまで言われ始めてる。

それで、座ってるのってほんとにそんな悪いのかを研究したそう。
この著者、世界でまだ残っている狩猟採集民、タンザニアのハッザ族のところに行って、運動と健康、運動と人間の生活の関係を調べた。

分かったこととしては、狩猟採集民、動いて動いて食料を探しに行っていた。
人間は、狩猟採集民の時代がめちゃめちゃ長かった。
つまり、人間の体は、動いてなんぼ、動いていることをデフォルトとしてプログラムされてる。
何時間か狩猟採集に出かけることを前提に、心身が調子よく機能するようになっている。
「動いたらこのホルモンが出る、動いたらこの免疫系が機能する」とか、狩猟採集時代の身体活動を前提としてプログラムされてるらしい。
それは、今の人間の体も同じ。
食べ物を探しに歩いて歩いてしゃがんで狩りをして、みたいな生活を前提に作られている体なので、座ってても食べ物が手に入るようになったからって、そんな急な変更はできない。
体は狩猟採集時代のままなのです。
だから、心身が調子よく動くには、やっぱり動く必要があるということなんでしょうね。

ただ一方で、じゃあ座ることはそんなに悪いのか。
ハッザ族の人たちを観察していると、これが、狩猟採集から村に帰ってくると、座ってだべってるらしい。
そうなんだ。
帰ってきたら休むんだ。

つまり、人間は、「動くことが大好きで、いつもいつも動きたい」ってわけじゃない。
動かないと食料がなくて餓死するから動くけど、それ以外のときは、「休みたい」「座りたい」んですよね。

脳が求めることと体が求めることが違う

食べること以外で、やっぱり一番大事なのは、生殖活動。
生殖と生命維持以外の余計なエネルギーを使わないように、それらの活動以外のときは、「座って休むのがよい」と脳にプログラムされてるらしい。

で、今は食べるのにそんなに動かなくてもいい時代。
脳のプログラムは、休めと言う。
当然、運動できない。
困りましたね。

心身を調子よく機能させるために、やっぱり運動が必要だというのは間違いないらしい。
だとすると、「運動のための運動」をしないといけない。

ハッザ族の話で言うと、今、狩猟採集はまだやっているけど、やっぱりちょっとずつ近代化が進んでいってるらしい。
近隣社会の影響もあるだろうし、「効率よく食べ物を見つける・手に入れる」っていうのは、人間、そっちに向かっていくのかもしれない。
著者は、何十年後かには、そのハッザも「運動のための運動」をしないといけない状況になるんじゃないかと予測している。
人間、進化してるのか退化してるのか、ちょっと分からなくなりますね。
「運動のための運動」現代人にとって、やらないといけないことなんだなということが分かりました。

私の妄想

ここから、妄想がちょっと広がった。
アメリカのセレブの人たちって、すごい健康に気をつかってる。
ヨガとかジョギングとかマインドフルネスとかベジタリアンとかビーガンとかグラスフェッドだとか、いろいろ。
そのうち、スーパーとかで買い物するにも、でっかい倉庫みたいな広いとこで、狩猟採集みたいなことが始まるんじゃないかなとか思ったりする。

おイモを買いたかったら、自分でイモ掘り出さないと買えないとか、バナナ買いたかったら木に登って自分で収穫をするとか、貝を砂から掘り出してくるとか、魚釣るとかそういうの。
流行るかもなって、ちょっと思いました。
そうやって、食べ物を手に入れるために体を動かすのが、また戻ってくるんじゃないかなとか、妄想しました。

どうやって運動するか

「運動のための運動」をするとして、どうするのがいいのか。
狩猟採集の時代、みんな誰かと一緒に動いている。
狩りをしに行くにも、貝を掘ったり木の実を集めるにしても、誰かと一緒に行く。
1人だけで行くことはないらしい。
なので、人と一緒に、仲間の目(監視の意味もあるし、励ましの意味もあるし、おしゃべりができるかそういうの)と組み合わせて運動するのが、人間が運動する方式としていいんじゃないかと書いてあった。

「みんチャレ」っていうアプリご存じですか?

運動、勉強、資格試験などなどいろんなテーマのグループがあって、5人一組でテーマに挑戦する。
運動で言うと、「1日1万歩歩こう」「何でもいいから運動しよう」などのグループがあって、やったことを報告しあう。
報告がないとグループから退出させられちゃうとか、自分だけやってない、やばいとか、監視の目と、「人からちゃんとしてると思われたい」みたいな気持ちを利用して目標に近づいていく。
もちろん、グループでちょっとしたおしゃべりもしたり、やったら褒めてもらえたり。
こういうのを利用するのはよいと思う。

あとは、座るにしても、ハッザ族の人たちは、背もたれがないところでしゃがんで座るらしい。
しゃがむ=お尻をべたっとつけずにしゃがむって、しばらくやっていない気がする。
中学生くらいが最後か?
それが、しゃがむのって、足腰とか背筋にめちゃくちゃいいらしい。
だから、座るにしても、背もたれに持たれないとか、バランスボールに座るとか、しゃがめるならしゃがむとか、体を楽させすぎないみたいなこと。
これはすぐできるかな。

私は今のところ、
・外出時はできるだけ歩いて移動する
・肩甲骨を動かす運動のYouTubeを毎日2つやる
というのをやっています。
運動、やっぱり必要らしいですよ。
ではでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?