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ドキュメンタルから紐解く!日豪間の笑いの文化の違いとは?

どうも。ワーホリスマブラ―のMichiと申します。

以前noteにて、英語学習とNetflixの動画コンテンツについての記事を投稿させていただきました。

まだまだ語学力発展途上の僕は、現在でも毎日動画を使って英語の学習に励んでおります。そして先日、「オーストラリアにいるんだったら見たらどう?」ということで友人に勧められたのが、Amazonプライムビデオの『Last One Laughing:Australia』というコンテンツです。

ん?この番組、どこかで見たことあるような・・・と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、この番組、松本人志さん発案の番組、『ドキュメンタル』の豪州版なのです!

ゲーム以外にも多くの趣味がある僕ですが、「お笑い鑑賞」もそのうちの一つ。学生時代には落語研究部に所属しており、落語、漫才、コントなどの多くのネタの動画を浴びてきました。そしてこの『ドキュメンタル』という番組に関しては、毎回配信当日に必ずチェックするほどの大ファンでもあります。

というわけで今回はワーホリスマブラ―でもありながらお笑いの虫でもある僕が、この豪州版ドキュメンタル『LOL: Australia』について、日本版との違いを説明しつつ、日本とオーストラリアの笑いの文化についても少し考察していこうと思います。

ドキュメンタルとは?

『ドキュメンタル』は、ダウンタウンの松本人志さん考案の「密室笑わせ合いサバイバル番組」です。芸人さん10人が密室の中に集められ、制限時間の中で互いを笑わせ合い、笑ってしまった場合はカードによる判定がなされます。レッドカードを受けた芸人はその時点で退場。最後まで残った一人が優勝者となり、多額の賞金を獲得することができます。2016年からAmazonプライム・ビデオにて配信されており、2020年7月21日現在、計7シーズンが制作されています。

来月には新しいシーズン8も配信されるようですね。

戦いにフォーカスした日本版とエンタメに特化した豪州版

さて、ここから日本版ドキュメンタルと豪州版ドキュメンタル、『Last One Laughing』の違いを説明していきたいと思います。

ドキュメンタルの優勝者は賞金がもらえるということは前述した通りなのですが、優勝賞金の出どころの違いが、大きな違いを生み出していました。

豪州版では、番組側が賞金を全額負担。

しかし、オリジナルの日本版は、10人の参加者が参加費として100万円を持参します。

10人の参加者が、100万円を持参・・・

10×100万=1000万。

つまり、優勝者が参加費を総取りできるということです。

この参加費の有無の違いが、番組の雰囲気にも影響していました。

豪州版は、参加者のコメディアンがお金を払っているわけではないため、全体的にノリの軽いエンタメ作品となっていました。進行がサクサク進み、編集によって、ゲーム進行中は常に気分が楽しくなるようなBGMが入っていました。

更に、他の参加者が退場を申告されると、

「彼を連れていかないでー」

などと発言する参加者も見受けられ、参加コメディアンの中である種仲間意識のようなものが芽生えていた部分もありました。

一方日本版はというと、、、

参加者は100万円という大金を賭けているため、全体として緊張感がヒシヒシと伝わってくるような番組になっています。ファンシーなBGMなんて一切ありません。そんなのあったら雰囲気が壊れちゃいますよね(笑)オリジナルのドキュメンタルは芸人同士の一騎打ち、真剣勝負を描いているのです。

日本版の番組冒頭に提示される注意書きでも、”戦い”という部分にフォーカスを当てていることが伺えますよね。

当番組はお笑い芸人による”戦い”の記録です。

そして、その緊張感が途絶えた時に巻き起こる笑いはとてつもなく面白いです!芸人さんのネタだけでなく、緊張状態で笑いをこらえている表情も見どころの一つですね。

このように、一つのルールの有無が、番組としての大きな相違点を生んでいるのです。

個のオーストラリア、チームプレーの日本

豪州版ドキュメンタルの日本版にはない特殊ルールとして、ジョーカーカードというものがありました。

このジョーカーカードは参加者一人がそれぞれ一回のみ使用可能であり、使用された際には他の参加者は必ず使用者の芸人のネタに注目しなければならないというルールです。

本編では何人かのコメディアンさんがそれぞれのタイミングでジョーカーカードを使用し、渾身のネタを披露していました。

このジョーカーカード。日本版ドキュメンタルに仮に導入したらどうなるか。僕なりに色々考えてみたのですが、、、

正直なところ、カードとして全く機能しないと思います。

一体なぜか。

それは、日本の笑いには”他の人のフリを回収するのが当たり前”の文化があるからです。

日本の笑いの形態は多種多様ともいえど、メインストリームといえるのはやはり漫才でしょう。

ご存知のように、漫才は二人の演者の会話、掛け合いによって成り立っています。ボケが出したフリをツッコミが引き立てることによって大きな笑いを引き起こすのです。

そんな漫才が笑いの地盤にある日本では、芸人さんたちの間では、誰かが見当違いのこと、面白いことを言うと、必ずツッコんで回収するといった光景が日常茶飯事。バラエティ番組も見てもそれが顕著に現れていますよね。

他の芸人さんが何かボケてるなぁと思ったら一度乗っかってみる、注目するのが当たり前。そのため強制的にネタに注目させるジョーカーカードを使うまでもないのです。

一方オーストラリア含む英語圏のお笑いといえば、スタンドアップコメディ。日本でいうところの漫談のようなもので、主に一人で演じられるもの。ツッコミは存在せず、パフォーマンス内でのフリの回収は見られません。豪州版ドキュメンタルを見た際にも、各々のコメディアンがやりたいことをやってる印象が強く、一人のフリに乗っかって大きな笑いに発展させるような流れは日本版と比べて少ないように感じました。ジョーカーカードが機能したのはこのためでしょう。

ワードのインパクトで勝負し、個人プレーが中心の英語圏の笑いに比べて、フリの回収に重点を置く日本の笑いはチームプレー中心といえるかもしれません。

世界の笑いの共通項:下ネタ

前の項目で二か国の笑いの違いを説明しましたが、同時に笑いの共通点も発見することができました。

日本とオーストラリアの笑いに関する大きな共通点、それは、、、

下ネタです。

日本版ドキュメンタルでは、小道具や会話の妙で生じる笑いも当然面白いのですが、やはり印象に残るのは下ネタ。序盤こそおとなしいものの、後半に行くにつれてどんどん下ネタが加速!終盤では多くの芸人さんが裸になってるなんていう状況もよく見られました。

そして豪州版でも、日本版を凌駕するほどの下品な言動、ネタが見られました。それもどんどん尻上がりになっていく感じでなく、序盤からガンガン下ネタが飛び交うカオス空間!具体的な内容はここでは割愛させていただきますが、下ネタを扱った量に関しては豪州版の方が多い印象でした。

人によってはちょっと不快に感じることはあるかもしれませんが、全世界共通の笑いの武器ともいえる下ネタ、、、なんだか偉大に感じますね。

おわりに

『Last One Laughing』は、文化背景が異なることもあり100%楽しめたかというとイエスとは言い切れないですが、随所で面白いと感じる場面や、思わず笑ってしまうところもありました。そして日本とオーストラリアの笑いの文化の違いを顕著に感じることができ、僕の知的好奇心が大いに刺激されました。

動画で英語学習をする際には、こういった日本と海外の動画コンテンツを比較して、色々発見してみるのも面白いかもしれませんね。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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