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王道システムを排除した、『FF8』という作品

ドラクエ11のプレイ時間が40時間を超えた。パーティの平均レベルは42くらい。ストーリーの進行具合も加味すればあと数時間でクリアすることだろう。物語にはどんでん返しもあると聞いているので、そちらも楽しみである。

ゲーム会社であるスクウェア・エニックスは、日本の誇る2つのRPGを制作していることで有名だ。一つはドラクエこと『ドラゴンクエスト』、そしてもう一つが、FF、『ファイナルファンタジー』である。

ファンは好みの違いから、きのこたけのこのように「ドラクエ派」、「FF派」と呼称されることもあるが、僕はきってのFF派だ。ナンバリング作品は3〜10までプレイ。最新作までは手が届いていないものの、外伝的作品も少し触っており、僕の好きなゲームシリーズの一つといえる。

常にRPGの王道を往くドラクエに比べて、毎回のようにシステムを変えてくるのがFFの特徴だ。シリーズを追うごとにゲーム性がガラっと変化することからプレイヤーにとっては楽しみの一つであるものの、「俺が望んでたんと違う・・・」となってしまうような作品があるのも事実だ。

今回は、そんなFFの中でも、未だに賛否両論、特に賛否の中の「否」の部分が目立つ作品を紹介させていただきたい。


FINAL FANTASY Ⅷ

通称「FF8」ジャパニーズRPGの名作、古典ともいえる前作「FF7」に続くPS1専用ソフトとして1999年に発売されたこの作品。個人的にはFFシリーズの中で1、2を争うくらい好きな作品なのだが、

世間的には、あまり評価が高くない作品として知られている。

前評判により売上こそ良かったものの、RPGとして斬新すぎるゲームシステムを搭載しており、その奇抜なアイデアがプレイヤーの一部から叩かれることとなってしまったのだ。

簡潔にまとめると、この「FF8」という作品は、「RPGの醍醐味的要素をなくした作品」だったのである。

以下で順に見ていきたい。

◯MPが存在しない。

MP(マジックポイント)とは、戦闘で用いられるパラメーターの一つである。プレイヤーが操作するキャラはこのMPを消費することで、魔法を使用することができる。魔法の効果は、攻撃、回復、強化など種類に富んでおり、戦闘を有利に進めるために魔法の存在は欠かせない。FFに限らず、現代のRPGではこのMP、またはそれに準ずるもので魔法や特殊な技を利用できるのはいわば当たり前の事項となっている。

が、このFF8では、MPという概念が存在しない。

というより、そもそも魔法の概念が違っているのてある。

従来のRPGでは、魔法は各キャラが、「習得するもの」。そしてMPを消費して発動といったのに対し、FF8での魔法は「消費物」。つまりアイテムと同じような扱いなのだ。MPではなく、持っている魔法の個数に応じて、使える回数が決まってくる。魔法の個数を増やすには、アイテムから生成するか、戦闘中に敵から「ドロー」コマンドで入手するかだが、特に序盤ではそれほどアイテムから生成できないため、コマンドの「ドロー」を用いることになる。個人的にはこのドローシステムは嫌いではなかったのだが、一定数魔法を所持するには毎回戦闘で敵を攻撃する以外に「ドロー」しなくてはいけないため、円滑に戦闘が進まず、多くのプレイヤーのストレスの原因となってしまったのであった。

◯武器、防具を買わない

まず前提として、ff8では基本的に戦闘終了後に金を入手することができない。入るのは経験値のみである。

じゃあ戦闘に大事な武器や防具を買う時どうするの?と思われる方もいるかもしれないが、安心していただきたい。

このFF8というゲーム、武器や防具を買う機会がないのである。

FF8ではRPGのシステムの一環を担う装備品がほとんどない。一応素材を集めての武器の改造というのは可能だが、それもかなり種類が限られているし、別に武器改造はやらなくてもクリア可能だ。

ではどうやってパーティのキャラたちを自分好みに強化していくのか・・・

魔法をジャンクションするのである。

FF8ではG.F.と呼ばれる召喚獣の力を借りて、ステータスに魔法を装着(ジャンクション)させることで各パラメータを強化できるのだ。当然持っている魔法の個数が多ければ多いほどキャラは強化される。そのためキャラをとことん強くしたい人は戦闘での「ドロー」が不可欠になってくるのだが、非常に面倒というのは前の項目で説明した通りだ。

このジャンクションシステム、僕はかなり好きでこの作品が好きな理由と一つとなっているのだが、過去の作品と比べると確かに邪道だとは思ってしまう。

◯パーティのレベルが上がれば敵もレベルが上がる

RPGの面白いところは何といっても、操作していくキャラのレベルが上がって成長していくところだろう。レベルアップではステータスが上昇するだけでなく、新しい技や魔法を習得することもできる。これによって倒せなかった敵も倒せるようになるなど、レベルを上げて強くなっていくのは、どのRPGでも共通している。

が、この作品FF8では、操作キャラのレベルが上がって強くなれば、その分敵のキャラも強くなっていく。しかも、強くなる度合いは敵の方が大きい。強い敵に遭遇してもとりあえずレベルさえ上げておけば何とかなる過去作と異なり、ジャンクションシステムをうまく駆使するなどあらゆる状況で思考しながら戦う必要があるのだ。ひたすら戦闘を繰り返してキャラを強くする、いわゆる「レベル上げ」という行為が嫌いなユーザーにとってはむしろ好都合なシステムかもしれないが、RPGになくてはならない要素ともいえる「レベル」がもはや意味を成さなくなったというのは、過去作のファンが離れる大きな要因となったといえる。

おわりに

多くの画期的ともいえるシステムが採用されたFF8だが、結果として人を選ぶ作品となってしまったことは否めない。

しかし、僕はそんなFF8のゲームシステムはもちろん、世界観や難解ともいえるストーリー展開も非常に大好きだ。特にこのFF8の物語に関しては、非常に多くの考察がなされており、この世界によりのめり込む大きな要因となっている。悪い批評が目立つ作品だが、上記に挙げた要素を踏まえた上でプレイしたい方は、ぜひ購入していただきたい。

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