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すべてが揃っていて失敗もしないとしたら、どんな賞が欲しい?

「お金も才能も全て揃っているとしたら、何がしたい?」
「問題がすべて解決したとしたら、どんなふうになっていると思う?」

カウンセリングやコーチングなどをご存知の方にはおなじみの質問です。ミラクル・クエスチョンなどと呼ばれたりもします。自分が思い込んでいる制限を取り払って、本質的な欲求や理想を引き出すというものです。

実は私はこの質問をされるのがとても苦手。その理由は別の機会に触れるとして、今回は似たような内容でちょっと斬新な質問を聞いたのでシェア。

制限を取り払って考えることは難しい

私がコーチングを勉強したのは10年以上前のこと。本格的に学んだというよりは、興味があったので一通り勉強したというレベルですが、目標達成のために自発的な気づきを促進するコーチングにおいて、何を目指すのかという目標設定はとても大切なものです。

そのときによく使われるのが冒頭で触れたいわゆるミラクル・クエスチョンです。自分でつくってしまっている壁や制限を取り払ったと仮定することで視野を広げて目標を明確化するという意味があります。

自由な発想が得意な人もいますが、私は積み上げ型なので何もないところから理想や目標を聞かれても逆に戸惑ってしまうタイプです。制限を取り払ってしまうと思考の足がかりがなくなって何も浮かばなくなってしまうのです。

この質問で得たいのは思考プロセスを経た現実的なゴールというよりは、直感や本質的な欲求に基づく理想像ですが、普段から思考優位になってしまっているとなかなか思いつきません。

世の中には大小さまざま数えきれないほどの賞がある

先日、あるPodcastを聴いていたら「どんな賞でもとれるとしたら、何賞がほしいか(意訳)」という話題がありました。これを聴いて思ったのが、すごく面白い発想だなということです。

世界的に有名な賞、たとえばノーベル賞やアカデミー賞、グラミー賞、あるいは何かの世界選手権での入賞。日本国内であれば芥川賞や直木賞、日本アカデミー賞やM-1 グランプリ、○○大臣賞、日本選手権や全国大会などでの入賞、あるいは所属する企業の表彰なども賞のひとつです。

これらをすべて引っくるめて、なんでももらえるとしたら何が欲しいかという話題です。それで気づいたのが、興味のない分野には何の賞があるのかまったくわからないということ。具体的に賞の名前がわからなくとも、こんな分野で賞が欲しいというものがあれば、それがミラクル・クエスチョン同様にそれが自分が目指したい方向性の一つのヒントになります。

賞の規模で自分が影響を与えたいと思っている半径がわかる

私の場合は世界的な賞にはまったく興味がなく、さらに全国レベルでの賞もあまり興味がありません。自信がないから目指したくないのではと何度か考え直してみましたが、今のところはやはり興味があまりないことがわかりました。逆に社内表彰など、限定的な場で、かつ誰かの役に立つことで与えられる賞には興味があることがわかりました。

世界を相手にするのか、全国を相手にするのか、もっと限定的な範囲なのか。この規模を考えてみると自分が自分をどう評価し、どうありたいのかが少し見えてきます。

さらに、その賞が欲しい理由も考えてみると、自分がいま求めているものがもう少し細部まで見えてくるはずです。

私の場合は身近な人が力を発揮できるようにするために自分の力を使いたいと思っており、リーダーというより参謀タイプなのでくイメージ通りです。さらに現実志向で未来志向があまり強くない私は、高すぎる理想や大きすぎる目標は現実的に思い描くことが難しいということも影響していると思います。

「賞」というアイテムを使って自分自身を振り返る

何かを考えるとき、視点を変えて考えてみるというのは思わぬヒントを得られることが多いのでとてもおすすめです。今回の「どんな賞が欲しいか」という問いは、「障害や問題がなかったら何をしたいか」という問いと本質的には同じことを聞いていますが、賞というアイテムを使ったことで考える方向性が少し変わるのを感じました。

考えるのが苦手だと感じたり、なかなか思いつかないという場合は、何か具体的なアイテムを使って考えてみるのはなかなかいいと思います。その場合、誰にどんな声をかけてほしいか、いちばん高級で高価なものを手に入れるとしたら何が欲しいか、とかなり具体的なほうが考えやすいはずです。

特に私のような現実志向の方の場合は「〜だとしたら」という仮定を大きくしてしまうと未来への距離を感じて何も思いつかなくなりがちです。まずは目の前のことに意識を持っていくと考えやすくなります。

それにしても世の中には本当にいろいろな賞があるんですね…


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