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インターン1号として約3年在籍した株式会社Yoiiを卒業します[退職エントリ]

こんにちは、Yoiiでエンジニアインターンをしている(していた)浅井です。

2021年7月からインターン生1号(たぶん)として参加させていただいた株式会社Yoiiでの業務を、2024年8月9日で終了させていただくことになりました。(退職エントリではなく退インターンエントリですね)

Yoiiで過ごした三年間を振り返りつつ、いちインターン生の目線からYoiiがどのような会社なのかを少しでも伝えられればと考えています。
恩しかない三年間であり、最後の最後まで少しでも恩返しできれば、という思いがあるので、この記事もどうにか貢献になれば嬉しいです。

(なのでぜひYoiiの名前を覚えてください、あるいは採用情報を見てください😌)


自己紹介

  • 東京工業大学(東京科学大学) 工学院 情報通信系 修士課程所属

  • 筑波大学 情報学群 情報科学類 卒業

  • 学部時代から自然言語処理(対話システム)の研究を行っています

  • Yoiiの他、いくつかのゲーム会社でインターンや業務委託を行っていました

  • 修了後は情報系ではない進路を選択する予定です(大学入学時から計画していました)


Yoiiに参加したきっかけ

Yoiiに参加したのは大学三年次の夏になるのですが、そもそも自分は転類試験(学科変更)を経て、大学三年次の初めに情報系への学科変更を行っていました。(元々は応用理工学類という学科で、電子・量子工学の専攻を予定していました)
筑波大の情報科学類の皆さんはかなりモチベーションが高く、大学三年次には多くの人間がエンジニアインターンに参加しているという状況でした。
一方、自分はプログラミングを初めて四ヶ月、という状況であり、周囲とのギャップに悩んでいる時期でもありました。

そんな中、同じ大学の先輩であり、エンジニアとして尊敬していたFさんを通してYoiiを知りました。FさんはYoiiのCEOである宇野さんの前職のインターン生であり、Yoiiとは直接関わりがありませんが、上述したような僕の状況を見かねて(?)宇野さんに僕のことを紹介してくださりました。

自分自身でも求人を眺めることはあったのですが、当時の自分のプログラミングスキルでホイホイ採用するような会社はむしろリスクが高いのではないかと考えており、信頼できる先輩からの紹介はそのリスク回避としてとてもありがたいものでした。
(学生へのインターンと称したやりがい搾取は未だ多いらしく、知り合いからもしばしば被害の声を耳にします。そのあたりは以下にさらっと書いてます。)

実力もなく身の程知らずかなあと思いつつも、なりふり構っていられない状況であったため、すぐさまYoiiに参加することを決めました。
また、当時Yoiiは設立から3,4ヶ月ということで、コードを書けなくても仕事はたくさんあるだろう(行動量さえあれば何かしら貢献できるフェーズだろう)という見込みもありました。


Yoiiでの活動内容

一年目(2021/07~2022/06)

初日、宇野さんがさらっと口にした『これまで出会った筑波大と東工大のエンジニアインターンは全員優秀だった』という言葉は今も脳裏に焼き付いています。(まさか両方の学校の顔に泥を塗りかねない状況になるとは……🙃)

プログラミングの知識だけでなくFinTechの最低限の知識もなかったため、まずは財務三表やリスク管理の書籍に目を通しました。一週間程度、事業に関連する基礎知識のインプットに時間を使わせてもらえてもらえたのはとてもありがたかったです。特に、会計の知識などは業界問わず役立つため、ここで学べて良かったなと今でもしばしば感じます。

それからgit上に上がっている既存のコードを確認しつつ、Reactに関する書籍を読み、フロントエンドの業務を開始しました。この時期からReact+Typescriptの環境で作業を行えるのは魅力的でした。React+Typescriptに限らず、Yoiiでは積極的に流行りのツールを取り入れていたなあと感じています。
(これはスタートアップらしさなのか、それとも創業から年数が浅い故の恩恵なのか、あるいはCTOの大森さんの技術選定の素晴らしさなのか……😎)

Yoiiの技術スタックはこんな感じです(2024年8月現在)

後半の半年もフロントエンド業務が多かったのですが、AWS周りに触れる機会も増えてきました。今のご時世クラウドサービスによる開発はほぼ必須であるにもかかわらず、学生生活で触れる機会が意外と無いので、こういった機会で触れられるのはありがたいなあと思いました。(特にアクセス権限周りとか)

あと、この時期から社内で競技プログラミングを行う機運が高まりました。(2024年8月現在、社内エンジニアは競技プログラミングに積極的です!)
エンジニアチームのみんなで毎週末AtCoderに参加していました。僕はモチベーションが続かずに茶色になった直後にやめてしまったのですが、数ヶ月後に行われる大学院試験で役立ったので地味に感謝しています(院試に必要なTOEIC、TOEFLに関しても、社内の公用語が英語であることに助けられました……)

二年目(2022/07~2023/06)

前半は大学院入試の準備が結構忙しかったです。出社できない日も増えたため、在宅のスキマ時間で行えるような作業の割合を増やす、などの対応を取っていました。学業最優先のスタンスを尊重してくださることはとてもありがたかったです。

この時期から、BizDevチーム(事業開発チーム)の業務の自動化について、エンジニアの垣根を超えて検討・提案する機会が増えました。かなり初期から参加していることもあり、一年目からエンジニア業務の合間にBizDevチームの業務を手伝う機会も多く、他のエンジニアよりも課題を理解していたことが理由です。
もともと非技術職での就職を視野に入れており、「一人前のエンジニアになる」というよりは「エンジニア業務に一定の理解を持ち、それ以外の業務に役立てる人間になる」ということを目標にしていました。そのため、非エンジニアの方々からヒアリングを行う業務は、ただコードを書くよりもモチベーションの上がる時間でした。BizDevチームの方と接する機会も増えて嬉しかったです🙌

あと、東大IPC様とUT-BASE様によるインタビューがありました、好き放題に答えたような気がします。友達から疲れた顔してんねってめっちゃ言われました。生まれつきです。


後半は後半で、卒論や大学院生活に忙殺されていました。なのにこの時期は別のインターンにも入ったので、それを合わせると週30~40時間の勤務を行いつつ卒論や修士の講義・研究を行っていました。生活において考慮すべき変数が多かったのでかなりしんどかったですが、複数の異なる作業を並行させる訓練になりました。

M1になったばかりの頃の予定表です、カラフルですね

引き続きBizDevチームと相談しつつ、彼らの面談や審査業務の自動化を目指しました。あとはLooker StudioなどのBIツールを用いてKPIのダッシュボードを作ったりしていました。

BIツールってなんでもできるんだなあと驚きました


また、少しずつ自分の専門分野であるNLP(自然言語処理)を用いた業務改善について考えるようになりました。手始めにLLM+VectorDBで社内の質問に答える問い合わせbotを作ろうとしたりしていました。

三年目(2023/07~2024/07)

2023/10~2024/09の一年間は個人的な都合で休学を行いました。
Yoiiでの勤務は変わらず行っていました。

LLMがより世間に台頭してきたため、YoiiでもLLMを用いたプロダクトに対する機運が高まっていきました。自分の専門分野ということもあり、最後の一年は引き続きLLMに関する業務を行いました。(データサイエンスチームの方々と活動することが主になりました)
社内で毎週、あるいは隔週でLLMに関するミーティングを企画したり、AWSの招待制ワークショップである「Amazon Bedrock Prototyping Camp」に参加してその内容を共有したりすることで、LLMに関するキャッチアップをチーム全体で行えないか模索していました。

いくつか業務に役立ちそうなLLM利用について検討し、プロトタイピングも行いましたが、実際の業務に組み込めたものはそれほど多くはありませんでした。
LLMをサンドボックス的に使うことはできても、それをプロダクトに落とし込むハードルは非常に高かったです。いくつかのLLMプロジェクトで「やり切る」を達成できなかったのが一番の心残りですね……(残ったメンバーに託しました!)

とはいえ、LLM応用がちゃんと役立つことを実感できた瞬間も多々ありました。例えばslackでの自動翻訳などは今も社内で使われています。簡単な応用ですが、意外と評判が良くて嬉しかったです。


また、snowflake+dbtを用いたデータ基盤開発も少しだけ行いました。
「大学や研究ではなかなか学べない」ものに喜びを感じるので、DWH関連の技術に触れられたのは嬉しかったです。


退職の理由

進路や研究に関する活動の負担が大きくなり、それ以外に割くリソースがなくなってきた、というのが最も大きな理由です。

最近は個人的に行っているクリエイティブの成果が少しずつ積み重なってきており、修士課程の修了後にもそちらでの活動を行う予定です。学生生活も終わりが近づいており、こちらにもう少しフォーカスする必要があると感じ始めました。

また、10月から復学するため、修論を目指して今まで以上に研究に励む必要があります。あまり研究活動が得意な方ではないので、それなりの時間を割かなければ修了すら危ういと感じました。

すでに上記の重いタスクが二つ伸し掛かっており、これ以上の負荷がかかるとそれぞれのアウトプットに悪影響が出ると感じました。そのため、Yoiiでのインターンを終了することを決意しました。
今後は修士号の取得を目指しつつ、クリエイティブ活動を継続して行う、というのが主な活動になります。学費・生活費の工面に関しても、それらに関係する業務で完結させたいな、と考えています。


創業から今までのYoiiについて

注…すべて個人的な見解・所感です。

文化について

これはインターン仲間とも話していて感じたことなのですが、Yoiiの大きな特徴として、「スタートアップらしい活力がありつつ、真面目さや堅実さを持ち合わせた方が多い」というものが挙げられると思います。
常にワイワイしているというわけではなく、むしろ黙々と仕事に打ち込む。それでいて、休憩時間や終業後には遊び心を見せる。そんなバランスの取れた職場です。
勝手な推測ですが、バックボーンが金融系である方が多いことがその一因なのかな、という風に考えています。

Asobi Gokoro

自分はこのカタくもユルくもない雰囲気が結構好きでした。
ただ、キラキラしているとかガツガツしているとか、そういう部分に「スタートアップらしさ」を感じるような人からすれば、Yoiiはギャップがあるのかもしれません。

技術周りについて

初期の初期は(スタートアップにはよくある?)業務委託の方がメインとなっての開発を行っていました。また、ある程度スピードを優先させた開発であり、素人の自分もフロントエンドの実装をせかせかと行っていました。
しかし時間が経つにつれ、エンジニアチーム・データサイエンスチームのどちらも優秀な方々が増えていきました。
現在は速度だけでなく、保守性やセキュリティ等についても十分に考慮した開発が行われていると思います。

また、今のエンジニアチーム・データサイエンスチームは海外出身の方が非常に多く、英語でのコミュニケーションが必須である点も魅力だと思います。

そして、エンジニアチーム・データサイエンスチームの方々も少しずつLLMの知識をつけてきています。(近日LLMハッカソンを企画している、という話も聞きました😊)
CTOの大森さんも今後さらにNLPやLLMに力を入れていきたいと言っていました。自分の専門分野でYoiiが活躍する日を楽しみにしています!

インターン生について

求められるレベルは決して低くはありませんが、現在Yoiiで勤務している他のインターン生はしっかりと成果を出しています。優秀な同年代を見るとそれだけで励みになり、自分にとっては非常に刺激的な環境でした。
また、インターン生であっても理にかなった提案は受け入れられる会社です。少なくとも、「業務のレベルが低くてつまらない」と感じるケースはあまりないと思います。(逆に「要求が高い」と思うケースはあるのかも?)

これまでのYoiiの長期インターン生は、二ヶ月以内の短期でインターンを終了してしまう学生と、一年以上インターンを継続する学生に二極化していました。最初の数ヶ月がお試し期間であると考えるなら、ミスマッチを防げていると言えるのかもしれません。貴重な学生生活を本意ではない業務で消費してしまうのは避けるべきだと思うので……!
ただ、早くに辞めてしまった数名のインターン生に対し、何かできたのではないかな、と反省する部分もありました。自分がもう少しインターン生同士の結びつきを強め、業務内容がイメージと合致しているか確認を取る機会を設けてもよかったのかな、と感じています。
そういった反省もあり、三年目に入ってからはインターン生同士で集まる機会を増やしていました。(最終出勤日の前日にもインターン生だけでご飯に行きました!わーい🙌)現在のインターン生は互いにある程度良好な関係を築けていると思います。


終わりに

最初に述べた通り、三年間の感謝の気持ちでいっぱいです。(おかげで学費も払えました)

エンジニアチーム・データサイエンスチームのフィードバックはいつも丁寧で本当に助かりました。また、業務における自分のチャレンジに寛容でありながら、行き詰まった際には適宜サポートもしていただきました。おかげで安心して業務に取り組むことができ、成長にも繋がったことを実感しています。

休憩時間にも最新の技術に関するお話をしてくださったり、逆に「最近のLLMはどう?」などの質問をされたりする中で、業務に直結しない知見の交換も頻繁に行うことができました。大学では得られない経験や知識が得られたという点でも、インターンに参加することは非常に有意義だったと感じています。

また、非エンジニアの皆様にも大変お世話になりました。業務内でのコミュニケーションだけでなく、ランチ等に誘っていただいたり、時にはお酒を飲んだりと、非常に充実した時間を過ごさせていただきました。

まだまだYoiiは伸び盛りであり、さらに成長していく姿を見ていたいと思いましたが、自分自身の今後を考えるとそろそろ潮時であると判断しました。この決断が間違いではないと胸を張って言えるよう、次のステージでも一生懸命に頑張ります💪
RBFは今後さらに必要となる資金調達手段であり、今よりも多くの人に届いて欲しいと思っているので、これからもYoiiを陰ながら応援させていただきます📣

三年間本当にありがとうございました!
またどこかでお会いできたら嬉しいです🙌


(最後まで読んでいただきありがとうございました🙇‍♂️)










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