オランダからこんにちは!#16 ‐世界遺産編‐
連載16回目、今週のテーマは世界各国の「世界遺産」。
5月も終わりに近づいてきましたね。オランダは少しずつ少しずーつ春らしい陽気の日が増えてきましたが、朝晩は冷え込む日もまだあります。昨日は突然の夏日で、通りには夏っぽい鮮やかな配色の半袖や短パン姿の人が多かったです。(*みんなソーシャル・ディスタンスをちゃんと意識しながらも、ただただ日差しを楽しんでいて、とってもハッピーな空気感でした!)
こちらに住み始めて日々実感しているのが、オランダでは「衣替え」という概念があまりない(*厳密に言うとできない!)ということです。寒い日が続いていたと思ったら、突然28℃になったり、その逆があったり。今日は晴天だと思ったら、その直後に突然大雨が降り出したり、その逆があったり。
という感じで、天気があまり読めません。そのため、暑くなったらいつでも夏服を取り出せるようにしておいたり、いつでもニットを着れるようにしておいたり、たんすの中は常に色んな季節のものであふれています。
さて、余談はこの辺にして、今週のテーマの「世界遺産」について少しおさらいしておきたいと思います。
*世界遺産とは?*
世界遺産とは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が定めた「顕著な普遍的価値」をもつ遺産であり、1972年に成立した世界遺産条約に基づいて、世界遺産リストに登録された有形の不動産を指します。大きく分けて文化遺産と自然遺産の2つのカテゴリーがあります。「和食」が登録されて一躍話題になった無形文化遺産も同じくユネスコが定めたものですが、これは別の条約に基づいたもののようです。
現在、世界遺産条約の締約国は190か国を超え、2015年には世界遺産リスト登録物件が1,000件を超えました。世界遺産条約は、もっとも成功した国際条約と呼ばれることもあるそうですが、その名の通りの"「世界」に誇れる「遺産」"というポジティブな側面ばかりではなく、遺産が過度に観光地化してしまったり、民族・領土問題や歴史認識などが絡んで政治問題化してしまったり、そもそも登録される遺産の国や種類に偏りがあるという批判があったりと、ネガティブな側面もあります。
*オランダにある世界遺産とは?*
オランダには、9つの文化遺産と1つの自然遺産があり、9つある文化遺産のうち、実に6つが「治水」や「干拓」など水に関係したものです。オランダは国土の約4分の1が海面よりも低い低地のため、長年にわたって水との闘いが続きました。そんな背景の中で治水を極めてきた人々の歴史が、選ばれている世界遺産からも伺えます。
【文化遺産】*( )内は登録年
・スホクラントとその周辺 (1995年)
・アムステルダムの防塞線 (1996年)
・キンデルダイク=エルスハウトの風車網 (1997年)
・キュラソー島の港町ウィレムスタット市内の歴史地区 (1997年)
・Ir.D.F. ヴァウダヘマール (1998年)
・ベームスター干拓地 (1999年)
・リートフェルトのシュレーダー邸 (2000年)
・アムステルダムのシンゲル運河内の17世紀の環状運河地区 (2010年)
・ファン・ネレ工場 (2014年)
【自然遺産】*( )内は登録年
・ワッデン海 (2009年、ドイツ・デンマークと共有)
ここからは、このリストの中からいくつかを私の完全な独断と偏見でピックアップして、紹介していきたいと思いますっ!
*キンデルダイク=エルスハウトの風車網*
まずは、有名なキンデルダイク。きっと知っている方、名前を聞いたことがある方も多いのではと思います。オランダ第二の都市ロッテルダムから南東約13kmの位置にあり、1740年代に建設された19基の風車が並んでいます。
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