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[英詩]Derek Mahon, 'The Snow Party'

※ 旧「英詩が読めるようになるマガジン」(2016年3月1日—2022年11月30日)の記事の避難先マガジンです。リンク先は順次修正してゆきます。

【お知らせ】Asekoff の詩の日本語訳4行めに「空虚の」が抜けていたのに気づき、訂正しました。(2024年4月24日)

今回はアイルランドの詩人デレク・マホンの詩 'The Snow Party' を読みます。最近は毎月の本配信の2本目(書かれる詩)はシェーマス・ヒーニでしたが、マホンはヒーニと並び称されるアイルランドの現代詩人です。ヒーニと同じくらい日本でも人気があるようです。

Derek Mahon (1941- )

この詩は同名の第6詩集(1975)に収められています。


彼の詩形に対する意識は名匠オーデンに似ているところがあります。韻律に対する意識はホプキンズに似ています。つまり、現代詩人でありながら、自由詩を指向せず、むしろ形式や韻律に非常に意識的な詩人といえるでしょう。

目次
原詩
日本語訳
韻律
解釈

※「英詩が読めるようになるマガジン」の本配信です。コメント等がありましたら、「[英詩]コメント用ノート(201709)」へどうぞ。

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【ひとこと】忙しい現代人ほど詩的エッセンスの吸収法を知っていることがプラスになります! 毎回、英詩の実践的な読みのコツを紹介し、考えます。▶︎英詩について、日本語訳・構文・韻律・解釈・考察などの多角的な切り口で迫ります。

英語で書かれた詩のバックナンバーはこちらをご覧ください。

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原詩

The Snow Party
Derek Mahon

Bashô, coming
To the city of Nagoya,
Is asked to a snow party.

There is a tinkling of china
And tea into china;
There are introductions.

Then everyone
Crowds to the window
To watch the falling snow.

Snow is falling on Nagoya
And farther south
On the tiles of Kyôto.

Eastward, beyond Irago,
It is falling
Like leaves on the cold sea.

Elsewhere they are burning
Witches and heretics
In the boiling squares,

Thousands have died since dawn
In the service
Of barbarous kings;

But there is silence
In the houses of Nagoya
And the hills of Ise.


日本語訳

雪見の会
デレク・マホン

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