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02、ウイルスの特徴、大きさ

とても小さい

ウイルスの特徴を紹介していこうと思いますが、最初の特徴はこれでしょうね。「ウイルスはとても小さいということ」です。大きな特徴が「とても小さい」とは何とも変な話ですが、あまりにも小さいために肉眼で見ることはできません。人間が肉眼で見ることができる大きさは、せいぜい0.1ミリメートル程度までです。ですから、ウイルスのサイズに紙を切って持ってこいといわれても、ムリな話です(誰もそんな事言わないと思いますが)。

一般的に、細菌はマイクロメートルの単位で表現します。1マイクロメートルは1ミリメートルの1/1000、ウイルスの話題で出て来る大きさの単位はナノメートルが用いられます。1ナノメートルは1マイクロメートルの1/1000のサイズですから、とても小さいことが分かりますね。

因みに、かつてはÅ(オングストローム)という単位が用いられていましたが、現在は廃止されているようです。全ての単位が世界規模でSI単位系の表現に統一されましたので、廃止の理由もその辺りでしょう。

こんな小さなものをどうやって観察するか、細菌であれば通常の光学顕微鏡で倍率を1000倍にまで上げれば見ることが出来ます。しかしウイルスほど小さくなるとそれも出来ません。ですから電子顕微鏡と呼ばれる、さらに大規模な装置を用いることになります。

電子顕微鏡の見え方

一般的に顕微鏡といえば光学顕微鏡を指します。これは、見たいもの(プレパラートと呼ばれる標本)に下から光を当てて、透けて見える状態を上から観察するという仕組みです。

人が感じ取れる光の波長は380~780ナノメートルくらいで、これは色で表現すると 紫~赤になります。細菌は一般に0.5~2.0マイクロメートルくらいのサイズのものが多く見られます。これをナノメートルにすると、500~2000ナノメートルになります。これは光の波長よりも大きいので、光学顕微鏡でも見ることが出来るというわけです。

しかし、ウイルスとなるとそうはいきません。細菌の1/50~1/100といったサイズですから、普通の光では見ることが出来ません。電子顕微鏡はこれよりも小さい波長の光を当てて観察します。そうしないと、当てる光の波長が観察したいものよりも大きいと、その見たいものを乗り越えてしまって見えない事になるからです。

電子顕微鏡は電子線を当てます。これで、やっとウイルスが見えることになるんです。ただし、安定して電子線を当てるためには、見たいものを置いた場所を真空状態にする必要があるということなので、どうしても大掛かりな装置が必要になるんです。しかも、透過した電子線を通して対象となるものを観察しますので、光学顕微鏡のようなカラフルな画像にはなりません。どうしても白黒の画像になってしまいます。

これはかなり残念ですね。

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