47、エストロゲンの話

エストロゲンはステロイドホルモンの一つで、エストロジェンとか、卵胞ホルモン(卵胞の発育とともに分泌されるため)などの呼び方があります。エストロゲン以外のホルモンを総称して女性ホルモンと呼ばれているグループがあります。女性ホルモンと総称されるこの括りでは、プロゲステロンもその一つとして数えられています。

どこで作られるか

エストロゲンは卵巣で作られて分泌されます。その他には副腎皮質や男性の場合なら精巣といった場所でも作られます。そしてエストロゲン自体は脳の視床下部から分泌されるゴナドトロピン放出ホルモンと呼ばれるホルモンによって調節されます。

出生直後の乳児期でも特に早期の分泌量は思春期並みに多いとのことですが、その後はいったん分泌量が減少します。思春期になると卵巣が発達してくるので、それに伴ってエストロゲンも分泌量が増えてきます。それによって女性の第二次性徴が促されるのですが、この状態がいつまでも続くわけではなく、年齢が上がるとともに減少していきます。とくに更年期以降は分泌量が減少することによって、個人差があるとはいえ、いろいろと体調不良を起こす人も出て来ます。

エストロゲンの作用

卵胞ホルモンと呼ばれるくらいですから卵胞、すなわち卵巣であったり、そのほか乳腺や子宮に対して働きかけます。これによって妊娠への準備をしたり、女性の身体作りをしたりといった役割を担います。

女性には月経という身体リズムがありますよね。これは男性にはなかなか理解が難しいという感覚があるのですが、エストロゲンは排卵の前になると分泌量が増えてきます。丁度子宮内膜が増殖する時期にあたるという事で、受精卵が子宮に着床できるように子宮内膜の増殖や肥厚を促しているのだそうです。準備を整えるといったところでしょう。

身体全体への働きかけ

エストロゲンもホルモンの一つですから、血液の流れに乗って全身に行き渡ります。そして受容体があるとそこに結合してエストロゲンがもつ働きを発揮するのですが、この受容体は全身の至る所に存在しているんです。そしてその発揮する働きも多岐にわたることが知られています。

例えばコレステロールや中性脂肪といった脂質の代謝をコントロールしたり、骨粗しょう症のリスクが増加することから、骨量の維持にも影響していることなどが挙げられます。

その他にもウィキペディアによれば、エストロゲンがあることで抑制できていたこととして動脈硬化が挙げられていたり、心臓を保護する効果があるんじゃないかという研究が出てきたりと、本当に多岐にわたる働きがあるようです。ということは、エストロゲンの分泌が大きく減少する時期、更年期以降はこれらのリスクが高くなることは容易に予想できるでしょう。

こういったことも含めて、メタボリック症候群に対する知識や対策も併せて行なっていくことになりそうです。

とくに女性の更年期症状は個人差が大きいために、人によってはとても辛いことだったりするようです。だからといって、「足りなくなったのだから足せばいい」と安易に補充療法に走るのはどうでしょうか。副作用などが指摘されていたりもしますので、医療機関などで相談してみるのがよいでしょう。

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