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42、クルクミンの話

今回取り上げるのは「クルクミン」です。あまり馴染みの無い名前かもしれませんが、これもフィトケミカルの一つで、ポリフェノールのグループになります。似たような名前で「クミン」という物質がありますが、じつはこれ、ぜんぜん別のものなんです。ある健康情報番組でクルクミンが紹介された時に、クミンとクルクミンを混同してしまった視聴者さんが大勢いたという話もあります。

クミンとクルクミン

クルクミンはショウガ科のウコン(ターメリック)に含まれる鮮やかな黄色い色素の成分です。ウコンと黄色、何か思い出しませんか。多分、同じものをイメージしたと思いますが、カレーの色合いですね。日本でも昔から、黄色の染料としても使われていたそうです。

それに対してクミンの方はというと、セリ科の植物でエスニックな芳香をもったスパイスです。そして、こちらもカレーに使うのだとか。やっぱり似ている・・・。

さて、そんなクルクミンの働きはというと、コレステロールの値を下げる働きや、肝機能を良くする働きなどがあります。

肝機能を高める効果

クルクミンがもつ肝臓の機能を高める働きは、大きく分けて二つあります。
一つは「解毒機能を高める」ということ、そしてもう一つは「胆汁の分泌を促す」というもの。

解毒昨日の効果を調べるために、マウスを使ってダイオキシンを投与したのだとか、すごい実験をしますね。こんなことをしたらマウスは死んでしまうのですが、クルクミンを一緒に投与したマウスは生存率が高かったのだと言います。

もう一つの胆汁の分泌を促す働きですが、脂質の消化を助ける働きがあります。

二日酔いを防ぐ効果

クルクミン、というよりもウコンの方かもしれませんが、悪酔いや二日酔いを防ぐ働きは有名ですね。その働きの元をたどれば胆汁に行き着きます。胆汁には、アセトアルデヒドの代謝を高める働きがあります。アセトアルデヒドはアルコールの代謝産物で、悪酔いなどの原因となる物質です。

コレステロール値を下げる効果

ここでも胆汁が出て来ます。胆汁の成分である胆汁酸は、コレステロールから作られるんですよ。クルクミンが胆汁の分泌を促進するということは、それだけコレステロールが多く使われるということになりますので、それでコレステロール値が下がるという訳です。ちょっと騙されているみたいな気もしますが・・・。

美肌効果

クルクミンはポリフェノールのグループということを、先に書きました。ですから、クルクミン自体にも抗酸化作用は期待できます。

抗酸化作用というと活性酸素を除去するという働きですが、それによって老化や生活習慣病に対する予防効果を発揮出来るわけですね。そしてクルクミンの場合は、それが美肌を維持する効果に対して期待されているんです。

活性酸素は肌でいれば、肌の細胞にも悪い影響を及ぼしています。肌のシミ、しわ、くすみなどの原因るらしいのです。活性酸素が増えるとシミやくすみはの原因となるメラニン色素を作り出すのですが、それに加えてヒアルロン酸、エラスチン、コラーゲンが体内で生成される量を減少させるような働きをも持っているんです。それがしわの原因になるんですね。

まだあります。さらに、活性酸素はコラーゲンの弾力性を低下させる働きまで持っているので、これが肌のハリや弾力を失わせることにつながるんです。いやですね。

クルクミンの抗酸化作用は、これらの元凶である活性酸素を取り除くことで肌のツヤや張りを保ち、美肌効果が得られるといわれています。

脳機能を活性化させる効果

最近の研究で報告された内容ですが、カレーを食べることで脳の一部が活性化されるそうです。その結果、IQが「7」上がったという報告があります。誰かに被験者になってもらった実験なのだそうですが、カレーとコントロール食をそれぞれ食べてもらって、作業記憶と視覚探査を必要とするテストを行っただとか。その結果、カレーによって(?)脳が活性化されたグループの方は、試験で出された課題をたくさん解くことができるようになったといいます。スパイスを使ったりしていますから、確かに刺激的な実験ですね。

他にも、歯周病に対するクルクミンの働きを研究しているグループが、その成果を報告していたりするようです。こちらは、抗酸化作用というよりも抗菌作用になるのかもしれませんね。まだまだいろいろな成果が出て来るかもしれません。期待が高まります。

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