『RRR』を観ました〜喉から手が出る宗教観〜
いまいち纏まらないうちに書くことが、ひとつの価値だと勘違いして書く。
5/6 17:05 インド映画を観に行った。stoRy,fiRe,wateR.これら3つのRを取って『RRR』。あの有名な映画だ。このnoteにはネタバレが多く含まれるので、『RRR』を鑑賞する予定のある方は、目をお香の香りを染み込ませたターバンでお覆いください。
『RRR』に主人公は二人いる。ビームとラーマだ。
それぞれ異なる物語を持つ二人だが、どちらもイギリスの植民地支配により家族を失った過去を持つ。ビームは妹をイギリスの貴族に買われ、ラーマはイギリス軍に両親を殺された。
ビームは妹を村に連れて帰るために下町で塗装屋として働きながら、ラーマは全村人に武器を与えるため警察として働きながら、自分の目標を果たすべき時を待っていた。その中で二人が出会い、ここまでシリアスな展開が続いてきた中、なんやかんやナートゥ(このナートゥが絶品なのだがここでは触れないように気をつける)し、なんやかんや敵対し、なんやかんや手を取り合うのだが3時間の映画のあらすじを書く文才は持ち合わせていないため、割愛させていただく。ナートゥ、美しきナートゥ…。ナートゥをご存知?Do you know Naatu?
ところで、この『RRR』という映画、ビームもラーマも家族を活力に死に物狂い、それはそれは死に物狂いでは言い表せないほど死に物狂いで闘い続ける。家族の為になら自分の命は勿論親友の命だってくれてやる、というほどに。ここで読者に問いたい。……これ、できる?????
余談だが私は家族に(主に父に)コンプレックスがあり、一般家庭より遥かに家族を大切に思っていないのだが、一般家庭でお育ちあそばれた皆さん、できる?????
インド映画を観ると、日本では考えられないほど家族と自然を尊ぶ様子が見られる。村を離れるラーマは「このゴーダーヴァリ河に誓って帰ってくる」と宣言したが、大阪を発つ息子に「この淀川に誓って帰ってくる」と言われても「はぁ」の一言だろう。その割にはあっさり山を焼いたりするのだが、山というのは指や首のようにもう生えてこないものではない。どちらかといえば、髪や爪のような再生可能なもの。だから髪を抜いても爪を剥いでもいいし、山は焼いてもいい。ということにしておこう。話は戻って、いや少し寄り道して、中学生の時に合唱コンクール(いわゆる音楽会)で歌った『怪獣のバラード』という曲には「海が見たい 人を愛したい 怪獣にも心はあるのさ」という一節がある。インドほどこの心が見える映画を作る国があるだろうか。そして日本の現代人には…あまり主語が大きいと良くないので変えよう。私には、この心があるだろうか。
そんなことを考えているうちに長い長いと思っていた3時間は過ぎていたし、ナートゥや如何にもなCGで大笑いしてやろうと目論んでいた醜い私の目には、いや、目に浮かぶどころか、顎の裏まで涙が流れていた。
私の目から顎の裏にかけてせせらぐ、この美しきゴーダーヴァリ河に誓って言おう。
『RRR』は素晴らしい映画だ。
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