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闘病記 vol.15〜思いやり・見えてきたゴール〜

2ヶ月ぶりの闘病記になります。抗がん剤治療を始めてから、4ヶ月半が経ちました。
実はクールを重ねていく内に副作用はキツくなっていました。具体的には病院食の匂いに吐き気をおぼえ、毎食病院内のコンビニで買ったものを食べるようになったり、その買いに行ったコンビニで貧血を起こし倒れたり。血中内のヘモグロビンが低下し、しんどい日々も過ごしました。
そういったことも記事にいこうとnoteを始めた当初は考えていたのですが、なんか弱音を吐いているようで気がのらず…
なぜ今さらそんな事を言い始めたか、それは治療の終わりが見えてきたからです。

今回のクールでの投薬は終わり、あと数日で退院予定。残りは4週間1クールの入院で抗がん剤治療が終わります。
全て順調という訳ではありません。10代〜20代前半に多い骨肉腫の治療としては私の年齢(来月で30歳)でも高年齢となるので、治療のプロトコルが身体への負担が大きい可能性があるとは治療前に言われていました。そして実際に投薬を重ねる度に副作用が厳しくなっています。抗がん剤が身体に与えるダメージの軽減を優先するということで、1クール減らすことを主治医から提案されました。
そもそも腫瘍は全て取り除いていて、再発を防ぐための抗がん剤治療。再発の可能性が急激にあがる訳でないという医者の言葉を信じてこれで終わりにすることにしました。

入院生活が長くなってきて、副作用も増してきましたが、病室内でのストレスも激増しました。
定員4人の大部屋でずっと過ごしていましたが、最初のうちはストレスなんて全く感じなかったのですが、副作用が厳しくなってくるとちょっとしたことでイライラする自分がいました。
カーテン1枚でしか区切られていない空間で、病室内での会話は嫌でも丸聞こえ、そんな状況下で独り言がうるさい人、大声で電話してしまう人、大袈裟に痛みを訴える人。
でも、コロナ禍でストレスがあったり、背骨が何本も折れていて電話しに室外へ出れなかったり、不安でしかたなかったり、各々理由はなんとなくわかります。イライラするけど、みんな仕方ないよなと思いました。
解決するために看護師や緩和ケアの医師と相談するという方法をとりましたが、以前の私だったら、そういう手段は取らず、イライラしたままか、誰かに愚痴って解消しようとするだけでした。
そこはこの年齢で今さらかもしれないですが、一つ成長したことかなと思っています。今までは面倒臭いと思っていたことですが、共存していくための最善策だと思ったんですよね。

台湾に住む友人から送られてきたお茶
お陰で安らぎのティータイムが送れている

コロナの流行により、人と関わる機会は減っていて、どんどん孤立している感覚があります。入退院を繰り返し半年経ちますが、面会はずっと禁止、患者同士で会話し難い雰囲気があります(もちろん全く仲良くならない訳ではありません)。
恐らく世間でも現在緊急事態宣言下で、会食を自粛してる人も多いだろうし、学校や会社でも昼食時の会話禁止という所も多いと聞いています。
だから、そんな時だからこそ、お互いに思いやることが大事なんだと思うんですよ。コミュニケーションの機会が減り、確実にイライラすること、疑問に思うこと、すれ違うことは増えると思うんですよ。
でも、相手や対象が何故そうするのかを考えたり、背景を知る努力をしようとすれば、許容できることや歩み寄れることって多いはずです。だって、行動には理由があり、お互い生きてるんだから。

◎入ってくる情報を受け手がしっかりと考えて受け取る
◎考えるために、知識を蓄えたり、調べたりする
◎そのうえで適切に解決していく

当たり前のことかもしれませんが、これからはそういうことがより大切になってくると思っています。そうやって共存していこうとしなければ、SNSがこれだけ身近なものになり、誰でも思ったことを公の場に出せる時代なんだから、すぐに叩かれるし、叩いてもしまう。
入院していても、よく愚痴や文句を言っている人がいます。(私も“隣のベットがとにかくの悪い悪い高校教師”と電話で言われているを目のあたりにしたがあります。)自分のことは勿論ですが、決していい気持ちはしません。
人相が悪いのもスキンヘッドや薄い眉毛も含めているのであれば、抗がん剤の副作用だし、患者それぞれに表面上ではわからないことがあるだと考えてくれればと思ってしまいます。
入院するということは、大なり小なり不安やストレスがあるのはみんな一緒。ましてや私が入院している病院はコロナの影響で、面会も禁止、院内のコンビニやカフェに行ける時間に制限がかけられています。
それを嘆くより、楽しく笑顔で過ごせる方法を探した方がよっぽど良い。
人を思いやりながら、それぞれのゴールに向かっていけるように共存していきませんか。

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