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宇宙人から地球人へ 2

無事診断後、三つ巴の自閉症スペクトルラム。
・自閉症
・アスペルガー
・多動性障害
の3つが絶妙に重なりあっている状態らしい。

旦那の死後、故郷に怪獣とともに帰郷した私は、まず、療育を受けられる病院を探した。

なんとか病院を探し発達障害の療育なるものが始まった。そうそれは、脳の訓練。私は、その脳の訓練を見ながら、この療育を通常発達の子供が受ければ天才になるのでは?とも思った。なかなかに個性的な行動を起こしつつも、成長している我が子を見て、これは小学校いけるんじゃないの?!と期待をしてしまっていた。

そして、ついに小学生。ともだち100人できるかな。てへぺろである。しかし私は重大なことを忘れていた。うちの子供は宇宙人だったのだ。

地元の公立小学校に入学し、とりあえず普通学級に。先生に配慮をお願いし、特性もお伝えし。しかし、彼は想像のななめ上をいっていた。休み時間空けにもれなく教室から居なくなるらしい。でどこに居るのか?というと、校舎の最上階または、体育館の跳び箱の上で寝ていると!

はい!これは通常学級むりですよねー。で支援学級と併用に。
1年生の6月には決定していた。早い。でもこの決断が彼にとっては、かなりのプラスになった。うちの怪獣の場合は、成功体験を得ることが難しい通常学級よりも、成功体験の総合デパートのような支援学級の方が自己肯定感が育ちやすかった。変わった途端に、先生のファインセーブもあるが、逃亡はピタッと収まった。すごい!さすが発達障害のプロ!

そんなこんなで、5年生まで支援学級と通常学級を併用し、6年生から通常学級1本に絞っていくことになった。この頃には、宇宙人だった怪獣も、すっかり地球人になっていた。11年かけて地球に対応しはじめたのである。感慨無量。

そんな怪獣も現在中学2年生。しっかり、女子にモテたい中2男子だ。今になって、あの幼稚園、小学校時代とっても大変だった出来事が、すべて無駄ではなかったと知る。これからも彼の特性上、苦労したり、上手くいかないこともあるかもしれない。でも、彼の人間力はそれを乗り越えていけるような、根拠の無い自信がある。

そして、子供を育てながら、自分に向き合い気づく。あ、私もADHDなのだなと。まぁ、じゃぁ怪獣も大丈夫かと、またまた根拠のない自信を得る私だった。