本物のマルセイユ石鹸の選び方
本物のマルセイユ石鹸は、植物油だけを用い、合成物や着色料を一切使っていません。
原料は、ソーダと塩と水に加えて、オリーブ色のマルセイユ石鹸はオリーブオイル、白っぽいクリーム色のマルセイユ石鹸はコプラオイル(ココナッツオイル)かパルムオイル(パームオイル)だけのシンプルな材料で作られています。
マルセイユ石鹸のコピー商品が世界中に出回る理由は、マルセイユ石鹸には、ワインやバターのようにA.O.C.(原産地統制名称法)やI.G.P.(原産地表示保護)などの規制なく、チュニジアや中国の工場で、伝統的製法に従わずに生産された石鹸でも、自由にマルセイユ石鹸と名乗っても法的に問題がないことから、多くの業者が伝統的なマルセイユ石鹸の形や刻印を真似て、本物らしいものを生産、販売しているのが現状なのです。
伝統製法で作られた本物のマルセイユ石鹸の条件は、
☆ 植物油の割合が72パーセントであること
☆ 使われているオイルが植物オイルであるということ。
伝統的にはオリーブオイル(huile d'olive)が使われてきましたが、近年ではパルムオイル(huile de Palme)やココナッツ(huile de coprah)といった植物オイル(huile végétale)も使われています。
オリーブオイルのマルセイユ石鹸の天然の香りが苦手な人には、これらの植物オイルから製造された白っぽいクリーム色のマルセイユ石鹸が人気があります。
そして、ここからが最重要ポイントです。
☆☆☆ 本物のマルセイユ石鹸には、動物性の油脂は絶対使われていません。
しかしスーパーマーケットの洗剤売り場で売られているマルセイユ石鹸(Savon de Marseille)と表示されている廉価な石鹸には、解体された家畜(牛、豚、羊など)の油脂が使われていることが多いそうです。
成分表示に『sodium tallomate』と書かれていたら、その意味は『graisse animale=動物性油脂』のことです。
現在では、伝統的製造方法を守り続けている以下の4社が、マルセイユ石鹸職業連合
( l’Union des Professionnels du Savon de Marseille)を結成し、本物のマルセイユ石鹸の保護のため活動しています。
LE SÉRAIL
(ル・セライユ社)
LE FER À CHEVAL
(ル・フェール・ア・シュヴァル社)
MARIUS FABRE
(マリウス・ファーブル社)
SAVONNERIE DU MIDI
(サヴォヌリー・デュ・ミディ社)
こちらは、上記4社が共同で作ったサイトですが、以下のページで本物のマルセイユ石鹸の見分け方のビデオが見ることができます。(フランス語)
またこちらは、フランスの経済新聞誌『Les Échos』の2016年2月の記事ですが、伝統的製法を守り続ける上記4社と、着色料や香料の入った石鹸をマルセイユ石鹸と名付けている販売しているロクシタンなどの企業グループとの、I.G.P.(原産地表示保護)の表示をめぐる戦いについて書かれています。
🔗SavondeMarseille:labatailleautourdel'appellationcontrôléecontinue.
マルセイユ石鹸に関する過去記事です。
元記事はこちらです。
🔗本物のマルセイユ石鹸の選び方(ミカリュス・ブルガリスのフランス語恋愛絵日記)
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