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Err202-Episode02

よりによって、私が。
そう。なんで、私なのよ。

そんなに生活習慣が乱れていた記憶もない。
甘いものは好きだけれども、偏食するほどでもない。
そんなことを頭で考えながら、ドクターが再度言う。
「若いのに、こんなこと言ってごめんね。この数値だと糖尿病と診断をしないといけない。」と。

そんなに謝られても、ドクターが悪いわけではないし…。
だからと言って、私も悪くない。
私を生んだ親も悪くない。
誰かのせいに、何かのせいに出来たら楽なのに。
何度もそう考えた。

「再来週、もう一回来てね。」
そう言われて、初めてのインスリン注射のレクチャーを看護師さんから
受けるように指示を受けた。

街中でたまに見かける。
自分で注射している人。
もちろん、危ないやつじゃなくて、ちゃんとした医療行為だ。
その位の認識しかないけれど。
それを今から私が自分でするのだ。
痛みには強い方だけれども、針というか異物を体に入れることに抵抗がある。
だって、医療行為を自身がするって、薬を飲むという行為ろは気軽さが違いすぎる。

針だよ?!
怖いんだけど。
無理無理。
無理すぎる。
自分で刺すの?!
いや、マジでほんと無理。

そんな感じな心情のまま、なんてない振りして
ちょっとクールさ気取ってレクチャーを受ける。
看護師さんが「腕か太ももかお腹に打つことが多いんだけど、どこにする?」
ーーーマジか、それは選べるんだ。
というより、打ちたくない。が本音だけども、もうそれは腹を括るしかない。

「なんか、想像が全くつかなくて…。」
「場所を決めたら、毎回変えない方が良いですか?」
「それぞれのメリットとか、デメリットってありますか??」
質問したいことがありすぎて、今度は私が看護師さんを質問攻めにする。
「そうだよねぇ、わかんないよね。」
看護師さんがそう同調してくれたことで、少しほっとする。

「まず、場所はできる限り変えない方がいいね。打つ時間帯とか、体に入るインスリンの状態を一定に保った方が良いから。」
「腕は夏は良いけれど、冬は打ちにくいかもしれないね。」
「どこで打つかとか、会社のお手洗いとか広い?色々考えると思うけれど、最近は外出先でもきれいなトイレ多いから、そういう所で打てると良いね。慣れるまでは人に見られたくないとも思うし。」
色々と考えながら、質問に答えてくれる。
「そう考えると、腕とお腹はなしかなぁ。洋服にもよるけれど、脚出していたら、その場で打てるますもんね。」
そんなこんなで、初めてのインスリン注射は太ももに。

そうやって、私のインスリン生活が始まった。



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