社会人1年目のときに知っておきたかった26のこと

 人生はリセマラのできないものなので、なるべく振り返らないようにしているけど、それでも奇跡的に神様に「一回だけ過去に戻り新卒一年目の自分に手紙をかけるよ」と言われたのなら、書きたいことがある。

4章、計26項目にわたって、8年前の自分に物申したい。

社会人としてどうあるべきか|6選

そもそも社会人としてどういうマインドで仕事に臨むべきなのか、この話題から、10年前の社会人一年目だった自分に伝えたい。

1. 社会に0.3%の割合でいる「本当の猛者」に認められる働き方を狙おう。

社会人になるといろんな人たちの顔が見えるが故に、どう立ち振る舞えばいいのかと少し混乱する。でも実は至極シンプル。時折、稀に出会える本当にすごい人。この人が「お前面白いな。ご飯行く?」と誘い出したくなるような仕事の仕方を心がけるべきであって、他は結構どうでもいい。

2. 人を動かすときに「嘘」を使うと楽だが避けよう。

社会人になると嘘が上手くなる。相手をうまく誤解させたりできてしまう。しかし感情や情報をいじって流れを変えようとしたり、人を動かそうとすると、本当の強者から見放されたり、どうにもできない逆境に立たされる。大小問わず、人を欺くのは原則避けるべし。

3.社会人一年目とは「ど素人が玄人を装ってる状況」と自覚しよう。

例えば不動産を売っている。例えばウェブサイトを売っている。そんな会社にいるあなたが新卒一年目であるということは、「会社も業界も知ったかぶった状態でプロを装って顧客にサービスを売っている」というのが紛れも無い事実なので、それが健全なのか?というところからまず考えて欲しい。そうでは無いと思うなら、まずすべきことは学習ではなかろうか。

4. 顧客/上司/同期/外注先、すべて「お客様」

相手によっては丁寧で、相手によっては雑に応対する。これは愚行としか言えない。本当に優れたクライアントは下請けの方に対して丁寧に応対し、十分情報を提供し、タイムリーに最新情報を共有する。徹底してもてなす態度を取っている。相手が誰であろうと最上級にもてなす姿勢無くして大成はありえない。

5. 「配属された部署のKPI(売上とか)を前年比の5倍にする」と勝手に考えて動くと部署の仕組みが見えてくる。

これこそ結構初期に知っておきたかった。どの部署に配属されるかはわからない。そして、その部署でどう立ち回るのがベストかもわからない。自分のあるべき姿を考える方法は1つだけ。「この部署のKPIを咋対比5倍にしよう」

6. 会社の愚痴を言っても何も変わらない。さっさと手を動かそう。

入社すると方々から会社・上司・社長の愚痴を耳にする。そんな話に同調してしまうことがいかに無駄だったか。とても瑣末でくだらない時間であることを早く知っておきたかった。そんな話をするくらいなら1秒でも長く成果につながるアクションをとるべきだ。他人は決して変わらない。変えられるのは自分だけなのだ。


キャリアデザインや自己成長をどうすべきか|4選

 入社してしばらくすると「どんな風にキャリアを描こう」「どうやって成長していこう」という考えになるはず。ふと見渡したときに、年齢の近い人たちの活躍も見えてきて焦りも生まれるはず。そんなときに知っておきたかった話を次に話そう。

7. 成長を焦らず目の前の仕事で「excellent」を出していくことが大事。勝手に景色が変わっていく。

大きな仕事・華やかな仕事をしなければキャリアが伸びないように思う。これが全く違う。仕事の大小や派手さに問わず、巡り合った仕事をものすごく全力で丁寧に施した人がキャリアを伸ばしている。丁寧な仕事をしていると、いいお仕事が集まってくる、というのが実の原理。

8. 成長を焦るとロクでも無い出会いが待ち受ける。例えば詐欺師とか。

「人より早く成長したい。特に仲間内で飛び抜けた成長をしたい」と考え始めると若者を食い物にする怪しいおじさんに目をつけられる。マジで。
会社を辞めて起業しろとか、起業したら株を全部よこせとか、上納しろとか、上納できないなら借りてこいとか、これら全ては君の成長のためだとか、言われるよ。マジで。
親からも借金するよ(させられるよ)。マジで。

9. 社会人1年目こそ成果にこだわれ。初年度の手応えが何年も先の君を支える。

「ほんとにこれ」としか言えません。初年度はとにかく丁寧に適切に、そして徹底的にやり込もう。会社に何度も泊まるくらい、土日もないくらい、年末年始だってないくらい、ドン引きされるほどにやり込んで成果にこだわろう。初めてのコンペ、初めてのPM、初めてのディレクション、初めての企画、初めてのコピー、全てに一球入魂。
このときの努力は、社会に出て何年経っても自分の背中を押し続けてくれる。

10. 自分のコップからいつもちょい溢れるくらいのチャレンジを続ける。死にはしない。

先に言っておきたいのは「ちょい溢れるくらい」であって「めっちゃ溢れる」ではないということ。(めっちゃ溢れる→破綻して鬱になるからダメ)
自分の器があったとして、それに確実に収まるサイズの仕事を続けてると成長しなくなる。誰が聞いても「そうだよねー」というのに、社会人になって周りを見渡すと「自分は経験上やったことないので」などと言って新しいことにチャレンジしない人が99.98%くらいいる。
自分を成長させようと思っているのなら、ちょい溢れるチャレンジを続けること。


「本当に正しい仕事術」ってどんなものか|9選

 この辺からようやく具体的な行動について話そう。多分以下のことをやり抜いたら最年少部長とかにはなれると思う。

11. まずは「仕事術」を取り入れまくり試行錯誤する。

大原則として残業はしてはならない。
前章で「めちゃくちゃに働け」と言っときながら何を言ってるんだ?と思うはずだが、そもそも残業は喜ぶべきものではない。奥の手。
「残業をして片付けよう」ではなく「残業してしまった。わいはクズや。どうしたらもっと能率化して時間内に帰れただろうか?」を自問し続け、ググり、いろんな仕事ハックを実践することがとても重要。
しかし仕事ハックとやらは合う合わないがある。全部がいいってわけではないので取り入れながら選んでいこう。

12. 顧客の事業課題にフォーカスをあてろ。間違えても顔色にフォーカスを合わせるな。しかしこれが勇気いる。

ついうっかり、お客さんが喜ぶこと・お客さんに怒られないことを目的に業務をする場合がある。喜んだからOK、怒られないからOK。こんな基準でやっていると、事態が進展しないので「やはり別の会社にする」「このレベルだと満額は払えないので値下げしてもらえないか」という状況になりうる。
クライアントの事業は何をしているのか、今の課題はなんなのか。ここにフォーカスをあてて業務をしよう。すると無駄は減り、効果が高まり、手短に終えることができる。

13. 自分が知らないことを「わからない」と明らかにしてその場でググる。

わからないことを、カッコつけて意外とみんな聞こうとしない。

「route53ね。ふーん(は?わからん)」
「ペイパブ・・・了解です(は?わからん)」

いや、聞こう。せめて、言おう「わからない」と。
今はググれる時代。客先でその場でググればいい。すぐに分からなそうであれば帰りの電車でもう少し調べたらいい。
案外そういう姿勢の方が喜ばれるものだったりする。

14. 毎日始業時間よりはやく出社してToDoリストを手帳に記す。消化度合いを翌週レビューする。これが一番能率的で、自分の無能さを理解できる。

いきなり会社に来て、いきなりパソコン立ち上げて、ぼんやりメール見て、なんとなくWEBブラウザ立ち上げて、カレンダー見て、直近の打ち合わせの準備を思い出してやり始めて・・・・・
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こんな風になっちゃいないだろうか?
パラパラと近視眼的に仕事をしちゃいないだろうか?
これがもっとも業務効率が悪い。
「今日はこれをやろう」というToDoリストを手帳に書き、一つ一つこなす。これがかなり能率的。それをできれば皆が出社する前に5〜10分ほどで書き出す。そして翌週にざーっと眺めて見ると、自分がいかに1日で出来る量が大したことないと気づける。
案外皆、自分の能力を過信している場合がある。

15. 定時上がりは「ねだるな、勝ち取れ」

「定時で帰りたいけど帰りにくいし帰れない」
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それは間違っている。
定時で帰れる状況をつくれていないだけ。定時で帰れるほどに仕事をやりきっていないだけ。今日という日にここまでやらねばならないという業務を、やりきりさえすれば多少早くとも帰れる。
〆切より早く仕上げ、必要な資材をタイムリーに提供する。これができれば誰も君の帰りを妨げることはない(はず)。

16. 執務室でムダ話するな。

僕の経験上、できない社員ほど長く無駄話をしている。無能さと無駄話の長さは密接な比例関係にある。以上だ。

17. 社会人になる前にしっておくべきは各種法律。法律に理解あるとキャリアアップも格段に違う。

アメリカでは「RTFM」というスラングがある。(参考
資本主義というゲームに参加した以上、重要な要素である「法律」については知っておいたほうが、そのあとのゲームメイクの楽さが格段に変わる。
広告系・ウェブ系の業務で早く知っておけばよかったことは「下請法」「特定商取引法」「景品表示法」「特定電子メール法」あたり。
なお従業員として働くのなら無論「労働法」についても学んでおこう。今は漫画で学べるのでAmazonで探してみてくれ。

18. いかなる職種であろうがITリテラシーは爆上げしておけ。このあとのゲームメイクがマジで楽。もはやヌルゲーになる。

例えば「なんで今Webブラウザでサイトを見れているか」を説明できる人は少ない。結構大半の人は「なんとなくパソコンやスマホを触り、なんとなくITサービスに触れている」、なんとなくな理解で暮らしているのだ。
こんな人らがマジョリティ(大多数)の中で、君がITリテラシーを可能な限り爆上げすると何が起きるか。評価インフレが起きるのだ。
それ以前に、ITリテラシーが希薄だった1年目の自分に言いたい。
「Excelの関数と友達になれ」「Macの機能は可能な限り使えるようになれ」

19. 新聞は読まなくてもなんとかなる。しかし業界の書籍や仕事術の書籍は読んでないと話にならない。

今日も、新聞は読んでいない。しかし、なんとかなっている(SmartNewsがあるからね)
新卒1年目の頃、新聞を読めという記事やら書籍を目にしたが、はっきりいってそんなに効果を感じたことはなかった。
他方で、仕事につながる書籍は結構読んだ。これは本当に血肉となり今の自分の大事な戦力になっている。
故に、とりあえず書店に行け。でなければ話にならない。

社会に対する免疫の用意|7選

 社会に出ると想像以上に傷つくし痛めつけられる。事前に免疫の準備ができていたら被ダメも少なかっただろうし回復も早かっただろうと悔やまれる。

20. 著しく自尊心の高い人・自己顕示欲の高い人を見かけたら距離をとれ。

こういった人たちは自分の名誉が損なうと分かると、責任転嫁をしたり虚偽のシナリオを流布したりする。
彼らのプライドを傷つけてはならない。本当に身を滅ぼす場合がある。
見分け方としては「著名人との親交を折に触れて語りたがる」「過去の自分ないしはチームの偉業を語りたがる」という傾向がある。本当に用心するように。

21. 嘘をつく病気の人もいる。まともな人ばかりというのは幻想である。

本当に存在する。嘘をつく動機は定かではないが、自然と嘘をつくのだ。そして嘘をついたことを「日本の再興のため」だとか「大多数の幸福のため」だとか、しっかりと肯定している場合は極めて厄介。まともな人ばかりじゃないと念頭に置こう。でなければ喰われる。

22. はじめて社会でマウンティングにあうとビビるが長い目でみると大したことない。大原則は「怒鳴られようが恩で返せ。さすれば落ち度はなくなり負い目もなくなる」

あまりにも仕事が不出来なのが1年目。これに目をつけてマウンティングする人もいる。
「何でこんなこともできねぇんだ」「プロとしての自覚あるのか」「やる気あるのか」
たとえそんなことにあろうとも、デリバリーする資材準備は怠らず、タイムリーに的確に業務を進めよう。どんなに怒鳴られても自分なりの最大限で相手をもてなして尽くそう。そうすると掴める胸ぐらが失くなっていき、君自身の負い目も引け目もなくなって気分が優れる。
怒鳴られたら相手のことで頭がいっぱいになるが、そんなことより「いい仕事」に集中しよう。

23. 知ったかぶったり、出来る風を装うと可愛げがなくなり、教えてもらえたり助けてもらえたりしにくくなる。

1年目はしんどいことが多いので無意識の防御策として「知ったかぶる」「出来る風を装う」というアクションを取りがち。その場しのぎとしては、被ダメが減るのでいいのだが、中期的には愚策。上位の人間からすると可愛げがないので相手にする気が失せるのだ。
しんどいけど「わからない」と言おう。しんどいけどググるなり本読むなり、学ぼう。

24. 〆切に追われるから仕事はしんどい。「〆切コントロール」を早期に覚えないと抑鬱で立ち上がれなくなる。

「自分タスクは仕上がり時期を余裕もつ」「発生したその日にすこし手を動かす」「答えを探す。見つかりそうになければ答えを知ってそうな人を探す」「〆切近い順に対応する」
何はともあれ仕事での抑鬱原因は『〆切』である。しのごの言わず対処しよう。

25. 出来そうにないと思ったらすぐ上司に相談して上司ボールにする。

出来てからでなければ上司に相談しちゃいけない、と思ってる新人が多い。そして、分からないが故に手も足も出なくて時間だけが経ってしまう場合がある。特に、対応しなきゃならないジョブ(タスク)を処理するのに「経験」が必要なケースは特にそうだ。
「チラシの構成案をつくる」は知識とガッツでなんとかなるが、「パーチェスファネルのステージ毎に最適なクリエイティブ案を媒体提案含めて用意する」は相応の経験あるプロデューサーじゃないと出来はしない。
出来ないことを長く手元で保持すると精神を病む場合がある。早めに上司に「考えたけど分からないし出来そうもない!ごめんなさい!」と突き返そう。それはオーダーした上司がオファー下手なのが悪い。

26. そもそもモラル壊れた会社なら辞めて良い。

例えば個人で立替が多く清算まで時間がかかるだとか、根本的にクライアントやユーザーに対して興味がないだとか、風紀を乱す人らを野放しにしてるだとか、何かしらのハラスメントで苦しんでいる人がいて是正されないだとか、進言しようにも力でねじ伏せられるだとか、そんなことがあるなら辞めて良い。
退職届を提出してから最短で2週間あればやめることはできる。
まずはハローワークで意見を仰ぐと良い。
君はいつでも会社を選択する権利を持っている。

さいごに

社会人一年目を振り返ると色々としんどかったな。。

忙しすぎて辛くてトイレで吐いたりもしていた。なんて無茶振りなんだろうかと上司を何度か憎んだな。

それでも楽しかった。徹夜して、誰もいないオフィスで音楽爆音でかけて、上司とタバコ吸いながら原稿書いたり。

このハッシュタグを経由して、幾人かの社会人一年目の人たちの目にとまるのかーと思うと、懐かしさと羨ましさがこみ上げた。

がんばれー、新一年生。

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