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草間彌生美術館へ

ドイツ人の友人クリスティーナに誘われて、新宿の「草間彌生美術館」に行ってきた。彼女の作品は5年前に「松本市美術館」で観たことがある。また、NHKの「日曜美術館」だったかドキュメンタリーだったかを観てどんな人だかある程度は知っていた。
新宿に美術館があるとは知らなかった。2017年にできたらしい。

クリスティーナとは前回と同じく(村上春樹ライブラリー)早稲田駅にて待ち合わせ。美術館に着くと入っていきなり大きな花に迎えられ、わ! と声が出そうになる。
その後も「え!!」「わ!!」の連続。よくみんな黙って落ち着いて眺めていられるものだと不思議でならなかった。びっくりして叫び出したくなるような作品ばかりなんだよ。

彼女は統合失調症を患っていて、そしてその症状である幻聴や幻覚が作品に反映されている。というか、それらは生きるためにどうしても生み出さずにはいられなかったという代物で、でありながら完全にアートとして昇華されていて、やはりこの人は本物の天才なのだと心から納得させられた。
小さな美術館だけど、これで十分。1点1点があまりに強烈なので、これ以上観たら消化不能だろう。

10歳で発症したというからかなり早い。統合失調症は10代後半とか20代で発症する人が多いと聞くので。
93歳の彼女が10歳のときというと、今のような薬もなく、幻聴や幻覚を消し去ろうと試みる治療はできなかったわけで、それが功を奏し(と言っていいよね)、こうして世界的な有名な芸術家になった。

20代でNYに行ったのもよかったと思う。ずっと日本にいたら、こんなふうにはなっていなかっただろう。アール・ブリュット(アウトサイダー・アート)と位置付けられていたかもしれないなぁ、なんて思う。

芸術家は自分の居場所を直感的に知っているのですって。岡本太郎がパリに行ったみたいに、彼女はNYに行った。それは正解だったと思う。

そう、彼女の作品を観ていると岡本太郎を思い出しちゃうんだよなー。異端視されたって意味で、そして作品を観て「えええー!!」と叫び出したくなるという点でも。

太郎さんは、『今日の芸術』の中で「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」って書いてます。「いやったらしい」ものであるべきだと。いやまさに、草間彌生さんの作品も、それなんだよねー!

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