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☆本#465 「82年生まれ、キム・ジヨン」チョ・ナムジュ著を読んで

韓国でベストセラーになり、映画化された作品。
韓国も男女格差が大きい国だった。戸籍制度がなくなっていて、結婚しても女性の苗字を変えなくていい、中高は最寄りの学校へ行く、というのは知らなかった。

主人公のキム・ジヨンは33歳で、3歳年上の夫・デヒョンと1歳になる娘と共にソウルの郊外で暮らしている専業主婦。

ある朝、妻の言動がおかしいことに気付く。他の人に憑依して話す。勘違いかと思ったけど、実家に行っても同様。

精神科に行くことになる。語り手は精神科医。これまでの人生が語られる。最後がなんだか現状を象徴してる。

キム・ジヨンには姉と弟がいる。
母親は自身と姉が子供の頃、兄弟のために中学に行かず働いた経験があるけど、学校を卒業した兄らが最初にしたのは末っ子の弟の学費援助。女子への扱いに不条理を感じ、娘には息子と同等の教育を与えるようにしている。母親は後に高卒の資格を取り、賢い投資をして、夫が早期退職後、自身の資金援助で店を出す。

キム・ジヨンは小学校から大学まで、男女差別・格差・男尊女卑を体験する。就職しても、同期の男性より給料は少ないし、結婚退社すると思われていて男性同期よりも大変な方の仕事を任されていたことを知り、長期の重要な仕事には女性が選ばれないことに気付く。
結婚後、退社したくなかったけど、妊娠を機にやむを得ず退職。夫は自分より収入が良かったとはいえ、妊娠によって、彼は失うものが何もないことにも気付く。
その後子供を数時間預けることになり、何か仕事を探そうとするも、仕事がない。あるとしても時給が安い。それでもしようと思ったアイスクリーム屋の仕事は、迷ってるうちに他の人が採用されたり、ベンチで安いコーヒーを飲んでいたらサラリーマンにママ虫と陰口を言われたり…。


男女の意識・考え方の違いがくっきり。
盗撮エピソードに関する男性の意見も現実にありそう。


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