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ペドロ・アルモドバル監督の映画「パラレル・マザーズ」を観て

町山智弘『パラレル・マザーズ』を語る」(主軸にある1930年代の大虐殺の説明がわかりやすい)というのを読んで、興味がわいて、このスペイン映画を観てみた。

監督はペドロ・アルモドバル、主演はぺネルぺ・クルス。
ジャニス(30代後半)とアナ(17歳)の女性ふたりが、産婦人科で出逢い、同日子供を産み、シングルマザーになる。

ジャニスはカメラマンとして自立しており、相手は既婚者でおろすよう言われるけど、年齢のこともあり出産を決意する。一方、アナは年齢的に若く、妊娠は望んでおらず、両親が離婚していて精神的に不安定だった。母親は女優になるために離婚し、父親とは不仲。父親は既に再婚しており、母親も女優としてやっとチャンスを得て忙しい最中だった。
スペイン映画、特にこの監督の作品は映像がカラフルなイメージだけど、この時点ではジャニスの服の色が赤。

ジャニスの恋人の学者が、赤ちゃんを見て自分の子とは思えないという。心配になったジャニスがDNA検査をすると、実際遺伝子的に親子関係がなかった。おそらくアナの子ではないかと疑う。

ある日カフェで偶然アナと出会う。彼女は髪を切ってイメージチェンジしていた。家を出てそのカフェで働いていたアナをベビーシッターとして家に住まわせ雇うことにする。そこで、アナの子供が突然死したことを知る。適当なことを言って、アナと育てている子供のDNAを検査すると、親子関係が判明。
アナに真実を話すか迷う。
不安になるジャニスと違い、精神的に落ち着いてきて自立していくアナ。服の色はアナが赤。
ついにアナに話し、アナは子供を連れて母親の家に移る。

この映画には、根底にスペインの1930年代の行方不明事件がからんでいて、ジャニスは父親が殺されて埋められていると確信している。以前、学者に骨を探し、DNA鑑定してほしいと頼み、彼も承諾していたので、ついに実行に移す。
この時点では、彼は離婚しており、ふたりはパートナーに戻り、ジャニスはまた妊娠していて、アナとも交流が続いている。
そして、複数の骨が見つかり、近隣(同様に祖父らが殺されて埋められている)の人と共にジャニスらは埋まっていた土地を訪れる。

1930年代の事件を知っておくとより理解が深まる。
病院のシーンのクルスは、ほぼスッピンなのが印象的だった。




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