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☆本#434,435 追い詰められ「魔女の組曲 上下」ベルナール・ミニエ著を読んで

セルヴァズ警部シリーズ3作目。
セルヴァズとラジオパーソナリティのクリスティーヌが主な語り手。

セルヴァズに差出人のない荷物が届く。中に入っているものから、前作で行方不明になった元恋人マリアンヌが亡くなっているのではと思い、心が折れるセルヴァズ。休職し、警官用の療養所に入る。

すこしずつ回復してきた彼の元に高級ホテルのルームキーが届き、調べるとそこで過去に女性が亡くなっていることを知る。事件を担当したのが元同僚だったので、話を聞きに行く。
自殺は確かだが、誰か見つけられなかった名前を聞き、調査を続け、意外な人物にたどり着く…。

クリスティーヌはクリスマスイブの日、宛先も差出人も書かれていない手紙を自分の郵便受けに見つける。中には自殺を止めるよう書かれていた。
心当たりがないクリスティーヌは、夕方迎えに来た婚約者ジェラルドに相談する。その日は、初めて彼の両親の会う予定だった。既に1時間も遅刻しているけど結局、クリスティーヌとジェラルドはアパートの住人に確認してまわる。が、心当たりのいる人はいなかった。
警察には、ジェラルドの両親の家から連絡しようと思っていたけど、既に2時間も遅れていて、結局連絡できず。翌日、クリスティーヌは警察に届ける。

翌日のクリスマスの夜、クリスティーヌはジェラルドに両親を初めて紹介する。両親ともメディア業界にいた著名人で、驚くジェラルド。
彼女には3歳年上の優秀で綺麗な姉がいたが、17歳で自殺していた。父親は姉を特にかわいがっていて何かと比較して彼女を貶めることをいうので、なんとなく親とは距離があった。
翌日、ラジオのオンエアー中、リスナーの電話を受けると、その男がなぜ自殺をとめなかったと責める。うまく対応できず、上司から注意を受ける。

その後、玄関前のマットから尿の匂いがしたり、家に入るとなぜかオペラのCDがかかっていたり、室内犬が地下のゴミ捨て場で骨折していたりと不審なことが起こり、職場では上司に呼びだされ、研修生コルデリアやアシスタントにハラスメントをしたと責められ、自宅待機を命じられる。再び警察に相談するも、妄想癖のある人だと疑われる始末。

自分でなんとかしようと、数カ月前から小銭をあげたりしていた、比較的知的な浮浪者に金銭を与え、不審な人がアパートに来ていないか見張ってもらう。ハラスメントについても裏があると思い、コルデリアに話を聞きに行くが、逆に薬入りの飲み物で眠らされ…。


セルヴァズとクリスティーヌが対面するのは、下巻から。
クリスティーヌは孤軍奮闘するも、ホテルの部屋にも侵入され、逃げ場所はないとどん底に突き落とされる。そして、騙されたとしても死ぬだけだと開き直り、精神的に強くなっていく。
著者は巻末の謝辞で、作中出てくるホテルの鍵は簡単に解除されるけど、実際には簡単に破られない、とのこと。


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